空中分解2 #2237の修正
★タイトルと名前
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ここよ、と、君の声がする。 振り向く、君の微笑みが見える。 知っている、君が居る筈もない事を。 私が30才になったら結婚しましょう。 そうしたら、2001年ね。21世紀ね。 新婚旅行は月に行くのよ。 約束して。 僕は疑いもしなかった、君が僕を疑おうとも。 居なくなったのは君の方だった。 サルトルとボーヴォワールのように、愛し合い認め合いましょう。 私が30才になったら会いましょう。 例えばその日は、新婚旅行。月で会いましょう。 約束して。 約束して。 口癖のように、君は言う、そして僕は約束したね。 いつも私を待たせるなんて、酷い人。 いつも私より3つも年下なんて、酷い人、酷い人。 ある朝君が、泣いている。 ごめんね、数えていたんだろう、本当に一緒に暮らせる迄巡る太陽と月の数を。 待つのは僕だと思っていた。僕は気付かなかった。君を待たせていた事を。 居なくなったのは君の方だった。 あの日から数えていたのは僕、今日迄巡る太陽と月の数を。 ここよ、と、君の声がする。 吐き気をこらえて君を探す。 あまり月の地面は気持ちのいいものじゃないね。 振り向く、君の微笑みは見えない。 知っている、君が居る筈もない事を。 僕は気密服に手を掛ける。 あの朝君の言った言葉を、今、君に返そう、「あなたの居ない人生なんて、」 今日は君の30才の誕生日だからお祝いするよ。 1992.10.04.21:45 終 楽理という仇名 こと 椿 美枝子
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