空中分解2 #2064の修正
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翌朝、瑞穂は朝早くに大学に忍び込み、地下室に下りてみた。 入った途端、ヒヤッとした冷蔵庫並の冷気が入り込んで来て、慌てて、地下室のドアから覗き込むようにしてヒョイと首を出す。 村野は、身体を無理に折り曲げたような、妙な姿勢で倒れていた。かなり苦しんだらしい。死因は窒息死か、凍死か、心不全か・・・ しかし、この寒さなら、凍死が一番かも知れない。いや、その前に心臓をやられていたとも考えられるが。 「やったわ・・・」 と、瑞穂は息をついて、呟いた。 そして、声高らかに笑い、狭い地下室で村野の死体にぶつからないように、うまく爪先でターンをした。 「これで、この剥製の動物達は私の物だわ!」 瑞穂は、なめかましく微笑し、鹿の角をチョンとつついた。 「あなたたちは、きっといいお金になるわよ。何百万? 何千万? いいえ、それ以上かしら・・・?」 瑞穂は、赤い唇の端で勝利の微笑を浮かべた。 そう。 彼女は、確かに自分の心に復讐を誓った。 しかし、長かった月日と佼滑な大人たちは、彼女のガラス細工のような脆い心を、むしばみ狂わせ、全く変えてしまっていた。 「お金はいくらあったって困らないもの」 瑞穂の滑るような爪先が、硬く冷たい床を踏むと漆黒の長く豊かな黒髪が、朝日の漏れる窓に映えて金色に踊る。 まるで、名画の一部分のように。 陶器のような色白の頬に髪が絹の糸のようにかかる。彼女の高笑いが、微笑みが、地下室全体を支配し、震わせる。 そして、一瞬、彼女の目に狂ったような光の帯が走り、黒曜石のような瞳が深紅に輝いた。 血の色に染まった唇も一際、ぬめるような艶を増した・・・ 彼女はこれからも、狂気の本能の赴くままに生きて行くだろう。人を死に至らしめる快感を、またどこかで味わうに違いない。 それならば、彼女の潮笑のような妖しげな微笑は、永遠に消えることはないだろう。 そして。 狂気をあなたに−−−。Crazy For You・・・ fin
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