空中分解2 #2038の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
〜だいすき〜 僕のことを好きな女の子が居て、良くしてくれるのはうれしい。そんな子がこ の世界にたった一人しかいないとしたら、多少ブスでも、気が利かなくてもそ んなことは大した問題じゃない。僕はきっとその子を好きになる。じゃ、何が 問題かというと、僕のことを好きな女の子が何人も居るって事なんだ。 「さっきから何も言わないのね。ねぇタミオくん、ちゃんと考えてる?」 サトミの大声で僕は我にかえった。ちゃぶ台をはさんで享子さんとサトミが僕 を睨んで座っている。僕は慌ててたばこを取り出し火をつけた。 「・・・ああ、ごめん。考えてるけど・・・ね、灰皿とってくれない?」 ふたりともツーンとしたまま動かないので、僕は手を伸ばしてサトミの前の灰 皿をこちらに寄せた。ぱさぱさと灰が落ちる音。ふーーーっ。享子さんが口を 開いた。 「タミオくんて、いっつもそんな感じね。何考えてるの?」 えっと僕が口ごもる瞬間、サトミが言った。 「・・・タミオってそーゆー奴なのよー。それがヤだったら享子サン帰ればい いじゃない。私はそーいうトコロ引っくるめて好いって思ってんだから。ねー ーっ」 くわばら、くわばら。「ねーーっ」と言われて曖昧に笑う僕。サトミは癇癪持 ちで、怒ると部屋のものを投げたりするから、いつも僕はこの調子だ。 「アナタに聞いてるんじゃないわ。タミオくんに聞いてるのよ」 享子さんが真剣な顔で言った。この娘は確か、前に働いていた店の事務所の女 の子で僕より1つ年上の19歳だ。数カ月前、仕事帰りに飲みに行って、その 晩僕のアパートに泊まっていった。それ以来時々やって来る。 享子さんの言葉にサトミが言い返す。サトミは癇癪持ちだけど、やさしいいい 娘だ。おまけにとても愛くるしい顔立ちをしている。そこらのアイドル歌手な んて、霞むくらいに。(当人は“流行らない顔だ”とイヤがっているけどさ) 今は般若の形相だ。サトミが尋ねてくる時間に、不意打ちで享子さんがやって 来て玄関ではちあわせ。一触即発と思いきや、ふたりとも怖いくらい静かに自 己紹介をして今、このような話し合いになってしまった。 享子さんは何か、真面目な女の子だ。つまらない真面目さじゃなくて、物事ひ とつひとつをきちんと考えて結論出す、みたいな・・・すごくいい娘だと思う。 「ちょっとおー、ぼーっとしてないでよっ。アンタの事で私らが話してるんだ から、少しは真面目に考えてよーっ!」 「は・はいっっ」 サトミの大声に僕は1センチ体を浮かして返事をした。いけない、いけない。 僕は状況が緊迫すればするほど、気持ちが集中できなくなっちゃうんだ。一種 の逃避癖かな。享子さんが静かに口を開いた。 「ねぇ、タミオくん、私のこと好き?」 「そりゃあ・・・」 「好きなの?サトミさんより?」 「・・・・・」 「ねぇ、どうなの?」 僕は・・・僕は二人とも大好き。だからどっちも傷つけたくない。裏を返せば つまり、二人ともどっちでもいいとも言うって事なんだ。どっちか選ぶなんて・ ・・すごく思い上がりだ、そんなの選ばせる二人も、迷う僕も。そして選べな い僕は、いっそどちらともに捨てられるのが正解。そ、僕は決して捨てるんゃ なしに、捨てられなけりゃならない。それなのに何でこうして3人でちゃぶだ いを囲んで苦しまなくちゃいけないんだろう。 「だから、享子サンはもう現れなければいいのよ!」 「そういう問題じゃないでしょ?」 「ねぇ、何とか言ってよタミオ」 「タミオくん、ねっ、言って。じゃないと私、諦めつかないもん」 「いや、別に諦めるとか、そーゆのじゃなくて・・・」 「じゃあどーゆうの なのよっ」 「・・・・・」 ああ早く結論を出してくれないかなぁ。 おわり
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