空中分解2 #1954の修正
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敗戦直後の昭和22年、東海道線上りの普通列車。車内は超満員、人間のす しづめで、どの人も身動き出来なかった。進駐軍(占領軍)の特急列車が追い 抜いていく。占領軍の列車はガラガラで、食堂車で食事をしながら、アメリカ 人たちは家族づれの快適な旅をしていた。戦争に負けた日本人たちが詰め込ま れた地獄列車を見下しながら・・・・・・・ 各駅停車の長距離列車は、駅に止まり、発車するたびに、人の将棋倒しを繰 り返し、あちこちで悲鳴の声を聞いた。人間圧縮箱のような車中で、人々は黙 って耐えていた。列車は米原あたりを走っていた。中ほどから誰かの声があっ た。顔面蒼白になって、脂汗を流した十代の娘さんが・・・・・ 「すみません、 お便所へ行かせてください」 「ちょっと通してやって」 「おーい! みんな 困った時はお互い様だっ、通してやれよ」 「すみません、お便所、お便所・・・」 娘さんは泣きながら必死で人をかきわけていく・・・ 「おねえさん、早く通りな、おーい! みんな 通してやれよ」 「もう少しだ! 娘さん! 我慢せーよっ」 「ありがと! お便所、おべんじ・・・・・」 泣きながら人をかきわける娘さんは、もう限界に達している。 ・ ・ 「ここまで来ても、便所の中も人で満員だよ」と、無情な誰かの声! 間に合わなかった! 娘さんは力つきた! 汚物を垂れ流し、泣きじゃくる娘さん! 飢餓の時代でも、ウンコは臭い。超満員の車内が悪臭で満ちた。 彼女は死ぬ よりも辛い恥ずかしさに、涙もかれて震えていた。 汽車が次の駅に着いた。乗 降客が鼻をつまみ、見つめる中を、放心状態の彼女は汚物を落としながら降りて いった。 その後から、おばさんがありったけの布で、汚物を拾いながら下車し ていった。 おばさんはホームで娘さんの汚物をとり、水で布を洗い娘さんの体を拭いてあ げていた。 「ひとりなの? どこまでいくの?」 「・・・・・・・・・・・・・・・」 車中の全員が、彼女の母親だと思っていたが、おばさんは赤の他人だった。 1992−07−17 遊 遊遊遊(名古屋)
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