空中分解2 #1907の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
吉原のはずれにある遊廓・戸留古(とるこ)は、風呂遊技と姿絵による指名が江戸 の町人に受け、今では大盛況を極めている。ところが、ここで働いていた売れっ子・ 戸留古娘のメコが行方知れずになったのだ。 数日後、メコは近くの村の肥溜めの中で惨殺死体となって発見された。 すぐに下手人として浮かんだのが、メコが最後に相手をした客・極楽屋助平であっ た。極楽屋は、メコが尺八を拒否したことにいたく腹をたて、怒鳴りつけたという。 聞くところによれば、メコは極楽屋の「暴れん坊将軍」様が汚いと、尺八を嫌がった という。 * * * * *** 悪徳屋 *** 「親分、例のメコの亡骸が発見されやしたぜ。どうしやす?」 「ほっておきなさい。お奉行所の役人は、極楽屋さんを疑っているらしい。だいたい、 お*コが私に本番奉仕をしなかった悪いのだよ。殺しても憎み足りないアマだよ。あ いつは」 「へい。まったくそのとおりで」 「まあ、極楽屋さんがしょっぴかれれば、私は安泰だ。はっはっは!」 * * * * *** 極楽屋 *** あらぬ疑いを受けていることを心配した極楽屋助平は、八丁堀同心の袖下好之助を 自宅に招き、相談を持ちかけていた。 「袖下様、例のお*コ殺しのかどで私が疑われております。何とかなりませんでしょ うか?」 「うむ、難しい問題じゃな。お奉行もそなたを疑っておられるようじゃ」 「そ、そんな。袖下様。なんとかしてくださいまし。私は本当に何も知らないのでご ざいます」 「わかっておるわ。されど、そなたがお*コを恨んでおったことは確かじゃ。うーむ、 難し・・・むっ! だれじゃ!」 袖下好之助は、太刀をとって障子を開けた。 そこには、遊び人ふうの男が一人立っていた。 「おっと、悪党がよって何の相談だい?」 「何を申しておる。貴様、何者だ!」 「へっへっへ。おらぁ、遊び人のぴーさんてぇ、ケチな野郎でさぁ。だがねぇ、てめ えらみてぇな悪党は許しちゃおかねぇのさ」 「下郎!」 袖下好之助は、遊び人に斬りかかったがあっさり交わされると、後ろに投げ飛ばさ れた。 極楽屋助平はあわてて、 「おーい、誰か。誰か来てくれ! 強盗だぁ! 強盗だよ!」 と叫んだ。 極楽屋もまっとうな商売ばかりをしているわけではない。すぐに何人かの浪人が出 てきて、遊び人を取り囲んだ。それを見ると遊び人は、 「やいやい、てめぇら! てめぇらにはもったいねぇが、地獄のみやげに見せてやらぁ 。このぴーさんの桜吹雪、散らせるもんなら散らしてみろいっ!」 そういうや否や、遊び人は右肩を露出した。そこには見事な桜吹雪!! 一斉に斬りかかる浪人たち。しかし遊び人は、ことのほか強かった。ばったばった となぎ倒されてゆく用心棒たち。 やがて、そうこうしているうちに、遠くのほうからぴー!ぴー!と笛が響いてきた。 それを聞くと遊び人は、ニヤリと笑みを浮かべて極楽屋助平に当て身を食らわせると、 どこへなりか走り去ったのである。 駆けつけた追手により、極楽屋助平たちはしょっぴかれていった。 * * * * *** お白州 *** 「遠山左衛門丞様ぁ、ご出題ぃぃぃぃ!」 ちゃーんちゃんちゃん、ちゃちゃちゃちゃーん。 「これより、スケコマシのお*コ殺害に関する吟味を執り行う。一同の者、面を上げ い。 さて、極楽屋助平。そのほう遊廓・戸留古に働くお*コが、尺八を拒んだことに腹 をたて、これを呼び出して殺害、肥溜に捨てたこと、相違ないか?」 「へ、へへぇ。恐れながらお奉行様に申し上げます。私にはいっこうに覚えのないこ とでございます。もう一度お調べくださいまし」 「なに。それではあくまでも知らぬ、と申すのだな」 「はい。その通りでございます」 「では、八丁堀同心・袖下好之助、そなたは極楽屋助平より金子を受け、事件のもみ 消しをはかったであろう」 「まったく身に覚えのないことにございます。それがし、やましきことはいっさいし ておりませぬ」 「ほう! では両名ともに何も知らぬと申すか。しかし、遊び人のぴーさんなるもの が、そなたのお*コを惨殺する現場と見たと言うが。・・・」 極楽屋は昨日、突如殴り込んできた遊び人が、このようなデマカセをお奉行にふれ 回っていることに少々腹がたった。 「お奉行様。そのような遊び人の言うことを信用なさるのでございますか」 袖下好之助も同じ心境であった。 「どうか、かような遊び人のことは捨ておいて、もう一度お調べください」 袖下好之助が終わらぬうちに、突如お奉行の声が荒々しくなった。 「ナニ? お*コ殺しなんぞ、知らぬ、存ぜぬ? 挙げ句は、遊び人の言うことなど、 信用できねぇだぁ? ヤイヤイ、てめぇら! その目ん玉かっぽじいて、よく見やが れぃ!」 言うや否やお奉行は、階段に足をかけると、右肩を露出した。 「ま、まさか。あのときの遊び人が、お奉行!?」 それを聞くとお奉行は、勝ち誇った口調で、 「そうとも。遊び人のぴーさんよぉ。てめぇらの悪事、この遠山桜がしかと見届けた ぜ!」 「しりませぬ。本当に身に覚えのないことでございます。なにとぞ、なにとぞもう一 度。・・・」 「ヤカマシイ! いつまでもシラをきり通すその根性が気にいらねぇや! 極楽屋助 平には市中引き回しの上、獄門。袖下好之助は、お役御免を申し渡す。ひったてい!」 「お許しをお奉行様。なにとぞお調べ直しを!」 むなしい声を響かせて、極楽屋と袖下好之助はひったてられていった。 やがて衿を正した遠山左衛門丞は、 「これにて一件落着!」 考察:このように捜査機関と裁判機関が同一であるというのは、はなはだ危険な ものである。笑って、許して! <了> 弾正(だんじょう)
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