空中分解2 #1906の修正
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男の大きな手が少女のブラウスにあるそれを慣れた手付きで1つずつ 丁寧に外していくと、少女は下を向き、ある程度ゆっくりとではあった が小刻みに震え始めた。 そんな様子に気付いた男は微笑み、優しく静かな口調で話しかけた。 「どうした…? 怖い…?」 「だって…」 不安気な表情、重い口調によって答える少女。なにも言わずに温かく 見つめる男。 「だって…、初めてなんだもん…こんな事するの…。痛いって聞いたし、 血だってもちろん…でるんでしょ…? 怖い…。…でも、でもね。わた し…」 吐息1つおいて、決心したように少女は強く言い始めた。 「わたしどんなに痛いコトでも大丈夫。痛いこと承知でここに来たんだ もの。やらない方が悔やまれると思うくらいよ。だって…相手があなた だから」 顔を上げた少女の少し潤んだ頼りきった目は、一心不乱に男の瞳を見 つめていた。互いの姿は相手の澄んだ瞳に映り、微動だにしない。 まるで少しでも触れたら壊れてしまう水晶のような少女に男は愛しさ を覚え、再び厚い微笑みを彼女に向けずにはいられなかった。 「大丈夫。痛くないように優しくしてあげるから…」 しばらく男を見つめ、少女は静かにこくんとうなずいた。それを見、 男は落ち着いた息遣いで少女の白く柔らかな腕を大切にブラウスから抜 き取った。 ------彼らの間には音も時間も、もはや存在しない… 心地よい沈黙のみが、穏やかに2人を包み込む------ 「だぁぁーーーーーーーーーーーっっっっっ!!!!」 彼らの間に少年の叫び声が割り込むと同時に、2人は振り向いた。 「なによ、いいとこだったのに」 「覗きなんて野暮な奴だ」 あくまでも落ち着いている2人とは対照的に少年は憤慨している。そ んな3人の様子を、すぐ側の通りを行きかう人々が物珍しそうに横目で 見ながら足ばやに通りすぎていく。 「あぁのぉなぁ…。たかが献血で昼メロやるんじゃねーよっ!」 「…面白くてよいじゃないか」 「…やぁだ。昼メロなんて、オバサンみたーい☆」 3人の間をかすかな風が吹き抜けた、かと思うと少年はその場にしゃ がみこんでしまった。 「あんたら…なに考えてんだ…」 献血車内の異様な会話のやりとりに、頭を抱え込まずにはいられない 少年なのであった。 周辺に振り回されて要らんことで苦悩するのは、いつの世も純粋で真 面目な者なのである。合掌。 墜落短編小説:真昼の風景/完 晶 show.
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