空中分解2 #1851の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
銀色のキャデラックは高層ビルが林立する市街を走った。ホーソーンを抜けリンウ ッドを右折し、ハンチントンパークの手前をもう一度右折して見晴らしのよい場所に 出た。そして「University of California」の標識が掛か ったゲートをくぐった。「カリフォルニア大学だって?」 海野は窓から顔を出して 叫んだ。「何だってまた大学なんかに来たんだ?」 砂堂が何か言おうとするのをジ ョドーが遮った。「まだ言ってなかったけど、ブラック・ジャンプはこの大学の構内 にあるのよ」 車は広いキャンパスの中をゆっくり進んだ。細い道路の両脇には一面に芝生が広がり たくさんの学生たちが寝っころがったり、本を読んだり、談笑したりしていた。自転 車に乗った学生が何人か車とすれ違い、彼らは皆興味深そうに車を覗きこんだ。高層 の建物や、横に広がった体育館の様な建物のそばを通り抜け、車はやがて古風な造り の建物の前で止まった。太い梁や何本も並んだ円柱には凝った彫り物が施してあり、 入り口には幅の広いゆるやかな階段がついていた。 ジョドーは車を降り、海野と砂堂も続いて降りた。運転してきた東洋人風の男はジョ ドーに向かって手を振り、ジョドーもそれに応えて手を挙げた。そして車は走り去っ た。 建物に入ると、高い天井と黒い大理石の床に挟まれた空間には、外の暖かさとはうっ て変わってヒンヤリとした空気が漂っていた。重い扉を開け正面の階段を上がると、 左右に長い廊下が伸びていた。ジョドーは黙ったまま左へ進み、扉をいくつか通り過 ぎ、奥から2番目の扉の前で止まると軽くノックした。「どうぞ」 中から日本語で 返事があった。低い男の声だった。3人はその部屋に入った。 そのころロサンゼルス空港の国内線ゲートでムオーキ・アージョは金属探知機に引 っ掛かっていた。アージョは自分のトランクが探知機の中を通るとき、ベルがけたた ましい音をたてたので驚いて叫んだ「きょほほほほほ」。すぐに制服を着た屈強な男 がムージョの腕を捕まえ、彼を探知機から引き戻されたトランクの前に連れていった。 そして早口の英語で何か言ったが、アージョはキョトンとした顔をして黙っていた。 制服の男がトランクを開けようとするとムージョはその手を抑えた。そして肩から下 げていたバッグから手帳を取り出すとボールペンで何かを書いた。「JAL OK. Why not your line?」(JALではOKだったから、おまえのと ころでもOKのハズだ) 制服の男が「Are you a Japanese?」(おまえは日本人か)と聞 くと、ムージョはまた手帳に書いた。「No.I am a Tibetan」(い や、私はチべット人だ) そして続けてこう書いた。「I am dumb」(私は 口がきけない) 制服の男は「Sorry」と言ってトランクを手にとると、ムージ ョの背中を押して隅のほうの部屋へ連れていった。 (続く)
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