空中分解2 #1816の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
わけのわからない会話を交わしつつ二人が脱獄作戦を展開している最中、D病棟 前では盛大に惨劇が執行されていた。げぼ、ぐえ、ぶろ、と看護夫看護婦医師患者、 まとめてジャッカルに首ねっこひきまわされ、かたっぱしから壁に床に天井に跳ね 飛ばされている。 「ひどい。こんな狂暴な患者ははじめてだ」 「五十嵐先生、電気ショック装置こわされちゃいましたあ」 「向精神薬はどうした?」 「飲ませた――というか、マーブルチョコみたいに勝手にばりばり食ってるんで すけどまったく効き目がありません」 「だからロボトミーにすればよかったのに」 さんざんふりまわされたあげくの院内勤務者の会話を横目に、二つの人影がすば やく騒ぎを迂回して病棟にかけこんだ。いうまでもなく『影』とジョドーである。 「今の会話……まさかな……」 一人ごつ『影』を後に、ジョドーはひとつの扉の前ではたと立ちすくむ。 扉には「ぶっしゅのりょうようしつ」と稚拙な文字で殴り書きされていた。 ジョドーと『影』は首をひねりつつ顔を見合わせたが、思い切ってノブをまわし てみる。 「オー、ダレデスカー」 「アンサツシャ、ノーネ、ココハ立入禁止デース」 「……だれだおまえら」 呆然と、というよりは憮然と訊きかえす『影』に、どう見ても四十前後の日本人 男性としか思えない男が、 「オー、ワタシ、東ブッシュデース」 とアメリカ人よろしく両手を広げて肩をすくめる。もう一方のこれまた典型的モ ンゴロイド面した二十代後半の男が、 「ソシテワタシ、北ブッシュネー」 チッチッと指を左右にふりながらウインクしてみせる。 「……これはもしかすると……」 あきれたようにつぶやく『影』にジョドーも、 「どうやらそのようね。どうしてこんな情報のいきちがいが……」 「仕方がない。こうなったら目撃者を殲滅してずらかるのみだ。ジャッカル! ジャッカール!」 げへ、げへ、げへ、と下品な笑い声とともにどがごぎぐげと破壊の大音声が接近 してきた。 「俺を呼んだか?」 「うん。どうやらここにいるブッシュは偽物というかかたりというか単なるまが いものらしい。これだけの騒ぎを起こしてしまってはもう収集がつかない。目撃者 の口を封じるべく病院を破壊するんだ」 「というか、もう破壊しちゃってるわねほとんど」 「徹底的にやれ。一人も逃すんじゃない。頼んだぞ」 「うす。私にお任せください。うす」 「また人格がかわったみたい……」 と天をあおぐジョドーをうながし『影』は病院を後にした。深夜の街に病院は大 音響を轟かせながらボロくずのように崩壊していく。ジョドーはふとふりかえって 虎ノ門病院をまじまじと眺めやった。 「どうした」と訊く『影』にジョドーは「なんでもないわ」とため息まじりに首 をふり、再び走りだした。 もうもうと立ちこめる埃の彼方から「きょほほほほほほほほほほほほほほほほ」 と異様な笑い声が響きわたったような気がしたのだ。この上まだ異様な登場人物が 舞台に名乗りをあげようというのか、という思いをジョドーはむりに押し込め、気 のせいよと己に言い聞かせる。 「そろそろ出発よ」 ジョドーの呼びかけに、砂堂は「JAL PACK」のロゴ入りショルダーバッ グを肩に立ち上がり、 「いくぞ、海野」 と肩をたたいた。海野は釈然としない表情で、 「だいたいなんで俺が会社を休んでまでブッシュを暗殺しにアメリカくんだりま でいかにゃあならんの? ね、教えてよ。『ブラックジャンプ』てなんなのよ」 「その説明はそのうち誰かがしてくれるだろう。いくぞ。もう後戻りはできない のだ。これでいいのだ」 「バカボンのパパかおまえは。げへ」 「む。まだジャッカルの性格が若干残ってるようだな」 ぶつぶつ渋る海野を砂堂が追い立てているとき、通関でもうひとつの再開が行な われていた。 「クーパー」 「ん? だれあんた? エレファントマン? KKK?」 白いフードですっぽりと顔面を覆った人物を不気味に思いつつクーパーが問うと、 「うっふん、あたしよ。あ・な・た・の、クリスチーネ」 ちょんとFBI捜査官の頬をつつく。 「なんだ生きていたのか。てっきり病院の下敷きになって死んだと思ったのに」 「不死身なのさ俺は。フッ」 「アメリカまでついてくる気か、おまえ。しかたがないなあ。救けてもらった恩 もあるし。しかしなんだってまたそんな不気味なフードなんかで顔隠してるんだ? これじゃ目立ってしょうがないじゃないか」 「だってあたし、皮膚が再生しかけてるんだもの。みっともないでしょ?」 「もとのままでも充分みっともないと思うけど……」 「じゃ、とる?」 「いやいい。これ以上目立つこと受け合いだからな。しかしこんな不審な人物、 出国させてもらえるんだろうな。はあ……」 こうして五人の人間(含化物二名)は日本を後にした。はたして本物のブッシュ はいったい何処に? 無意味な伏線に決着はつくのか? 矛盾はどうする? そし てあの名前がつかずにすねていた女は命名されるのか? アマコストの晩餐会は? この物語はいったいどうなってしまうのだ!? さんざひっかきまわすだけひっか きまわして、私ゃしーらないっと。 (どうやって続ける!?)
メールアドレス
パスワード
※書き込みにはメールアドレスの登録が必要です。
まだアドレスを登録してない方はこちらへ
メールアドレス登録
アドレスとパスワードをブラウザに記憶させる
メッセージを削除する
「空中分解2」一覧
オプション検索
利用者登録
アドレス・ハンドル変更
TOP PAGE