空中分解2 #1734の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
ある日、私が親戚のじいさんを訪ねた時の話である。その家にはまだじいさ んは帰っておらず、小学生の孫娘が留守番していた。 「こんばんは。今日は留守番かい?おじいさんどうしたの?」 「あっ、こんばんは。おじいちゃんはまだ帰ってないの。もうすぐ帰って来る と思う。ねえねえ、お願いがあるの。このお話読んで聞かせてー!」 (「シャイニング・フォース」ではない) その娘は私に、一冊の本を手渡してせがんで来た。(うるせえガキだな、まっ たくもう。これだからガキって嫌いさ。)私はそう思ったが、敢えて口には出 さなかった。そのかわり、次のように答えた。 「はーい、おじちゃんが読んであげるよ。」 私はその本のタイトルを見つめた。 「どれどれ。えーと、なになに?『電子核物理電心理磁気力学における社会的 意義とそのシステム、あるいはシステムセキュリティ』??何だこれは!!」 その本にはまったく意味のわからない数列がビッシリ埋まっていて、どこから 読んでいいのか見当もつかなかった。 「何って、ご本じゃないの。おじちゃんそんな事がわからないの」 「も……もっと別の本は無いのかい?楽しいやつがいいな。」 「楽しいやつ?そうね、じゃあこのご本を読んで聞かせて!」 私は次に渡された本を読もうとした。 「タイトルは、えーと……。うぐうー。よ、読めない……。」 「えっ、おじちゃんギリシャ語は駄目なの?ウーン、モウ!!役立たずなんだ から」 「ううー、ごめんね。もっと簡単なやつを頼む」 私は冷汗を流した。まったく、なんてガキだ。彼女は、他にも私には全然理解 不可能の本ばかり読みたがった。ひょっとしてこの娘、どこかおかしいんじゃ ないのか……? 「じゃあこれでいいわ。」 彼女はそう言って夏目漱石の『こころ』を手渡した。 これだったら読める。何しろ日本語で書かれているのだから安心だ。「ギリシャ 語」や「タガログ語」、「マシン語」、「C言語」だけで無いってだけでも助 かる。 「ああ、それならなんとか読めそうだ。どれどれ、かしてごらん。」私はその 本を彼女に読んで聞かせた。彼女は不思議そうな顔をして話を聞いていた。 30分くらい経過して、やっとじいさんがやってきた。 「ただいま。やあ、ひさしぶりだね」 「待ってましたよー。娘さんにはまいりました。やたら難しい本を読みたがる んですもん」 やっとガキのお守から解放される、と言うわけで、私はホッとした。 「おじいちゃん、おかえりなさい。」 「おとなしく留守番してたかい?」 「うん。おじちゃんがご本読んでくれたの」 「それは良かったね。おじちゃんにお礼を言いなさい」 「おじちゃん、どうもありがとう。でも、よく分からない話だったな。」 「そうかそうか。安心しなさい。きっと、すぐ分かるようになるよ。」 「うーん。そうかな……。」 その時、じいさんは確かにこう言った。 「ああ、そうだとも。もうすぐそのプログラムを書き終えるところだからね」 END
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