空中分解2 #1725の修正
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2 VS タコモドキ 「本当に真文理さんをおいて来て良かったのか」 「男なら済んだ事はグズグズ言わないの」 歩きながら、聖と廻は情けない会話を交わしていた。 真文理が雪姫と一緒に忘れ物を取りに帰った間に、聖と廻は事件解決に出発したのである。 「真文理さん、怒ってるだろうな」 「そりゃ当たり前だね」 廻がすずしい顔をして答える。 「そーゆー言い方はないだろ」 「言い出したのは聖だよ」 廻はあっさりと聖を突き放す。 途中のコンビニでジュースとお菓子を買って、気分はすっかりピクニックである。 「因果はー巡るーよ、どーこーまでも 野を越え、山越え、谷越えーて 遥かな町までー、僕たちのー 後ろを追いかけー、やってくーる」 「現状解ってんのか」 聖が頭を抱えながら、廻の真意を問いただす。 「やだなー。あんまり物事を深刻に考えるとハゲるよ」 相変わらず廻はお気楽である。 「いー天気だねぇ」 「そーだな……」 その時、聖の脳裏に恐るべき疑惑が浮かび上がった。 「廻……、わざとやったろ」 「わざとって、何を」 廻は無邪気な笑顔で、聖に尋ねかえす。 「意図的にタコモドキを解放したんだろう」 「なんで」 廻は無邪気な、言いたい事がよく解らないという顔をして聖の質問に答えた。 「ここのとこ、暇だったからな」 聖が青ざめた顔で、廻を問い詰める。 「やだなー。そんなことしないよ、僕は」 「じゃあ、何で封印を解いたんだ」 「封じの壷が変な音出しててね。爆発しそうだったんだよ」 廻はにっこりと微笑みながら答えた。 「そんな事より、いつ着くわけ」 「もうすこしだ」 実際にはもうしばらく歩かねばならなかった。 いささか予想外だったのは、真文理の姿が見えない事である。 たとえ地獄のすべての魔神を敵にまわしても、真文理は自分の意志を貫くだろう。 「真文理さんがいない……」 「その方が好都合だよ」 「しかしな、今の真文理さんは制御棒のない分裂炉に等しいぞ」 それならば一緒に行動すればいいのだが、そこまで知恵が回らなかったのだ。 聖の言葉が終わらない内に、上流で爆発音が響きわたる。 そして、巨大タコモドキが実体化した。 「網が役にたたなくなってしまった……」 「そーゆー場合じゃないだろっ」 廻がわめくが、聖は聞いていなかった。聖の目は上流から、どこかで見た事のある猫をかかえた少女に釘付けになっていた。 「真文理さんじゃないのか」 「そーだね」 廻がおもしろくなさそうな声で答える。 少女はものすごい勢いで、こちらの方に走ってくる。 瞬く間に聖たちの目の前にたどりつくと、真文理は3分程かけて息を整えた。 「久しぶりね、聖君」 その声には致死の毒を滴らせ、真文理が天使の様に微笑んだ、 「そ、そりゃもう」 聖は思わず後ずさりながら、満面に愛想笑いを浮かべる。 真文理の腕の中で、いきなり雪姫が鳴きわめき始める。 「深みの者!」 どこに潜んでいたのか、深みの者どもの軍勢がわらわらと上陸を始めている。連中の目付きからして、目的が聖と双子である事はまちがいない。 「まだ連中のご飯にはなりたくないよっ」 廻が泣き言をいい始め、聖は双子に関わった事を真剣に後悔し始めた。真文理は一人、運命と深みの者を嘲笑う。 「我が召喚に答えよ、星震剣!」 超古代の神々の鍛えし魔剣、星震剣「星嵐」は召喚の言葉に答え、空間を裂いて出現した魔剣を真文理は無造作に握りしめる。 「吹き飛びなさい」 星震剣は真文理の意志を具現し、上陸した深みの者どもが次々にはじけとんでいく。 「グロすぎるよ」 あまりにスプラッタな光景に、廻が文句をつける。 「SFXだと思いなさい、笑えるから」 だが、どこにこれだけいたのかと思えるほど深みの者どもは上陸してくる。ついには深みの者どものでっかい奴まで現れた。 「こいつら邪神に操られてるんだ!」 胃の中身をすべて戻していた聖が突然喚いた。 「解ったわ」 深みの者は戦術を変更したのか、でっかい奴を中心に異形の呪文を唱え始める。その呪文は人の子には発する事のできぬ異形の声楽であり、おぞましくも荘厳なまでに洗練された様式美はまさしく狂気の芸術、人の子には造りだしえぬ異形の美であった。 「オーン・マハー・パーピアス・スヴァーハー」 力ある言葉とともに、星震剣から発された呪念斬は射線上の大気をプラズマ化し、巨大タコモドキに直撃する。 タコモドキは轟音とともに地に落ち、ゆっくりとその姿を消していく。 「終わったわね」 「そーだな」 「じゃ、帰ろーか」 聖達は肝心な事を完全に忘れてきっていた。 そーゆーわけで後ほど、聖と双子は死ぬほど後悔する事になるのである。
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