空中分解2 #1641の修正
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「びっくりしたよ…?!…、」 薬師寺はたった今忠の現れ方に疑問をもったのだった。 忠が医師が聞く前に答えた。 「テレポーテーションです。驚くのは当然ですよ、僕自身も初めは信じられませんでした」 「そうだったのか、そりゃ今の君なら可能だったな、ふぅー」 薬師寺は気を落ちつかす様に深呼吸をした。 ―――こういう現象はそのまま常識と思わなければならん、おちつけ――― 自分にこう言い聞かせると忠を見た。 すると彼は今の事を聞いてたかのように軽く微笑んでいた。 〜いや、すべて筒抜けなのであったのだ〜 「先生、大事な事を聞きたいのですが・・」 「聞きたい事って、君にもわからないことがあるのかね?」 「はい、どう考えても自分自身の未来は絶対的には予測出来ないのです」 「‘絶対的’とはどういう事なんだい、忠君?」 忠はソファに座って言った。 「簡単に言うと自分に身体があるという事です――それはあるのは当然なんですが、こ の身体があるため――」 忠は両手を握って見せながら続けた。 「――自分という物体の調和が難しいのです――まだその理由がはっきりわからないの ですがたぶん――」 「たぶん、何だい?」薬師寺が相席に座った。 「だぶんいままでと違うまったく別の身体になっていくのだと――でもこの事は一概に 僕だけのケースではなく誰しも有り得るわけで――突然僕の様な境遇におかれてしまう と――――」 「どうした、大丈夫か?」と薬師寺。 忠は小声で言った。「だんだん自分だけではコントロールできなくなって―――――― ―――心臓が止まると―――。」 忠は言い終えると、何かに気づいてその方へ目を向けた。 「その通りだ」 出入口に大貫が立っていた。 薬師寺も彼に気づいた。「大貫」 「その意識をまったく気づく事ができずに死ぬのが、いわゆる(突然死)なのだ!」 「なんだって!」 「まあ聞け、ヤク――」 大貫は二人の居るソファまで向かってきた。 忠は座ったまま博士の顔も見ずにい たが、薬師寺の方はソファから立ち上がり、大貫を睨むように見ていた。 「この少年の言った通りなのだが、ヤクはこれをどう医学会で説明できると思うか?」 薬師寺は黙ったままでいた。 「ここで一番の問題になるのが目に見えない‘心’なんだ、あの場所でこれを出すと必 ず笑い物になるのがおちだ――」 すると、大貫の言葉を割って忠が言った。 「そういう事の発表が何の為になると言うのですか?治療など不可能だし――」 大貫が割って入った。「予防はできる」 「そういうことじゃないんだ、僕が聞きたい事は今の自分自身をどうすればいいのかな んだ――まるで何十、何百にも増えて行く自分の人格を、どうやってこの一つの身体に あわせていけばいいのかという事なんだ――あ、亜紀を、亜紀だけを愛せなくなってい く自分を許せなくなると身体がちぎれそうになってしまうんだ。」 「忠君」薬師寺が忠の肩に手を当て、大貫を見た。 「君はまだ若い、しかし今の君には時間が存在しなくなってしまったのだ、何もかもど んな自分も認めていかなければならないのだ。」 薬師寺はすっかり今ここでおきている事にある意味で昇天する思いにかられていた。 それは大貫にとっても同じだった。 この目の前にいる少年が本来あるべきの{人間}なのだ、デモンではなくごく当たり前の人間なのだ!―――― 忠は二人の医師を見るとうれしそうに言い出した。 「先生たちはぼ、僕を認めてくれたんだね!決して僕が異常ではないと!」 薬師寺と大貫は忠に心を同調する様に答えた。 「あぁ、そうだとも。」 そして薬師寺の方が付け足して言った。 「君は本来の人間になったんだ、自由になれたんだ、なにも一般人などと君を重ねなく ていいんだよ――」 忠の目には涙が浮かんでいた。 薬師寺は続けた。「たとえ愛せる者の対象が亜紀ちゃんだけでなく、それが他にも移っ たって――同性にでも、例え動物へでもいい、君のその感情は天然そのものなんだ。」 忠はこのうえない安心感に包まれて、薬師寺に抱きついた。 泣きじゃくって強く抱きしめる忠の頭を薬師寺は軽くなでて言った。 「わたしも君を愛してるからな」 大貫は彼らを見ていて終始考え込んでいた。 ――――この少年と同じ人間が増えていくと、本当に地球が平和になるのだろうか?― ―やはりなりうるだろう、しかしそれまでに幾度となく大きな問題にぶつかることにな るだろう、常人との心の戦争だ―――――― 忠は疲れがどっと出たのか薬師寺の腰に回した腕の力が抜けて行き、ゆっくりと後方へ 体が向かっていった。薬師寺は忠を抱き上げるとソファへと運んだ。 「疲れたろうに、こんなまだ可愛い少年なのに…」と優しく呟き、ソファに寝かせると 目をしかめて大貫に言った。 「まさか彼を…私は命を賭けて助けるからな。」 大貫は薬師寺の目線を反らした。 「大貫、」 大貫は困惑した表情で言い返した。 「待ってくれヤク、その話は後ですべて話す…しかし今この少年には俺も心が洗われた 気持ちでいるんだ…信じてくれるか?」 大貫は薬師寺の目を見て言った。 薬師寺の目に以前共に研究した頃の大貫が映った。 「今お前がどういった仕事をしているのかわたしには関係はない、しかしこの少年の件 は共同作業になるということだ。」 大貫は苦笑いをして薬師寺の肩を叩いた。 「あぁ、わかっているよ‘共同’だろ」 薬師寺が片手を差し出し、二人は力強い握手を交わした。 そのときドアの方から物音がし、二人が振り返ると、そこには呆然と立った亜紀の姿が あった。 薬師寺は大貫と忠を見回すと、握手した手をはずして亜紀の所へ歩み寄った。 「今ここに来たのかい、亜紀ちゃん?」 亜紀は小さく顔を横に振った。 ルル 。。
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