空中分解2 #1541の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
時は1923年。ハワード・カーターはある問題に頭をかかえていた。 「うーん、うーん。おかしい!ツタンカーメンのマスクが無くなっているなんて……。 そんな事がありうるのか?」 あの有名な黄金のマスク。つい最近始まったばかりの発掘調査の際には、黄金のマス クが確かにあった。しかし、今は何処を捜しても見あたらない。ツタンカーメンの墓は まったくの密室なのだ。護衛だっていた。 だが、そのマスクは忽然と姿を消していた。 あるべきところにそれは無かった。 「こいつは……いったいどうなってるんだ!?」 ハワード・カーターは気が狂いそうだった。ファラオの呪いかもしれない。 昨日までアレはあったんだ。絶対におかしい!護衛は信頼のおける人物だ。彼らが盗む などという事は考えられない。では、一体誰が? ベッドの中で、彼は悪夢にうなされる。ツタンカーメンがにっこりと微笑む。 「さて、クイズです。私はどこにいるのでしょう?」 カーターはうなされる。 「ううー、そんなのわかるかー。とにかく、わしのマスクを返せー……。誰だ、持って 行ったヤツは!!ううーん、ううーん。わしのだぞー……。」 その時、コンコンとドアをノックする音が部屋に響いた。 「誰だ!?」ハワードは叫び声をあげた。 ドアを開けて入って来たのは、J・F・シャンポリオンである。 「あれっ?あ、あなたはシャンポリオンさん?あなたは1801年に死んでるはずです ぞ?なぜこんなところに」 「おい、ハワード。あんまりビックリするなよ。それにしても、とんでもない事になっ たなあ。」事件を聞き、既に死んでいるシャンポリオン氏がハワードのもとにやってき たのである。「まったく、おちおち死んでもいられない。」 「あのー、ちょっとよろしいですか」 またも部屋に入ってくる人影があった。部屋の光に照らされた女性は、はっとするほど の美人であった。 「むっ、誰ですあなたは」 「あっ、あのっ、私はアガサ・クリスティと言う小説家です。ご都合主義の天啓を受け てここにやってきた次第です。」 「おお、そうですか。どんな小説をお書きですかな」シャンポリオンはクリスティに語 りかける。心なしか鼻が伸びているようであった。 「そうですねえ。探偵小説が得意分野ですわ。ポワロって言う探偵が事件を解決するの です。主人も一緒に来ております」 「どうも。マローワンと言う者です。よろしく」 「ほほお。力強い味方が出来ましたな、ハワード」 「うむ。アガサ・クリスティさん、あなたからは才能のようなものを感じます。きっと 将来立派な小説家になれるでしょう」 「あら、いやだわ。照れるじゃない。」クリスティは本当に恥しそうな顔をしていた。 「あのですねえ、大変な事になってしまったんですよ!!」ハワード・カーターは説明 を始めた。「ツタンカーメン、トゥト・アンク・アメン王の黄金のマスク。「生けるア メン」の意味を含む彼のマスクが何処にも無いんですよ。(この解釈はいろいろとある ようですが。)昨日まで私はこの目で見ていたんですから。ああー、私はどうしたらい いんだ。カーナボン卿になんて言えばいいんだ」 「カーナボン卿?」 「ああ、私の発掘の援助者なんです。随分お世話になってるんですよ。」 「カーナボン卿には秘密にしておいた方がいいな」シャンポリオンは微笑する。 「第18王朝末の王子、ツタンカーメンか。彼が目撃しているはずだから、彼にモンタージュ写真を作らせればよいだろう。彼を呼んできたまえ」 アガサ・クリスティは、その話をあきれて聞いている。 「なんちゅうハチャメチャなストーリーの展開なんでしょう……。こんなところに私を 出すとは、どう言う了見なんでしょ!」 「古代エジプト人は永遠の死を考えていなかった、だから、肩を叩けば古代エジプト人 は目を覚ますんだよ。アガサ、これはエジプト学では常識なんだぜ」 「あらそうだったの、マローワン。ちっとも知らなかったわ。でも、その時ツタンカー メンは寝ていたんでしょ?犯人を見てはいないわよ」 「うむ、それもそうだなあ」 マローワンもシャンポリオンも頭をかかえてしまった。 「この事件には犯人が絶対いるんだ。ツタンカーメンはまだ幼少の頃に死んでいる。そ こらへんに事件を解くカギが隠されている」 「よくわからない推理ですわね」 「幼児……幼児虐待……9年の治世……」 「ファラオの彼に何があったのか。左頬にある陥没は、はたして暴行の跡なのか……」 「王家の谷にはまだまだ謎が隠されている。ハワード、あなたは素晴らしい発見をした な。」 「シャンポリオンさんにそんな事を言われるとは、まいったな。でも今は、黄金のマス クがどこにあるかを知りたいんだ」 「なに、そのうち出てくるさ。」 会話が弾んできた頃、またも新たな訪問者があった。 「誰だね?」 「私はファラオ、ツタンカーメンである」(日本語訳) ハワードは突然のツタンカーメンの訪問に、興奮した。 「あっ!ツタンカーメンが来たぞっ!!おおーツタンカーメンどの、ちょうど貴方の噂 話をしていたところです。ようこそ!」 「お招きいただき、光栄のいたり。」 「堅苦しい挨拶は抜きにして、さあどうぞ。酒でも飲みながら語り明かしましょう」 「酒はちょっと……。ミイラになる際、内臓を全部取り出したのでね。アッハッハ」 「ハハハー!ツタンカーメンさん、ジョークがうまいな」 楽しい時間が過ぎた。ツタンカーメンは魅力的で、知的なファラオであった。 ハワードは、彼の黄金のマスクをどうしても見つけ出そうと心に誓った。 「ツタンカーメンさん、あなたの黄金のマスクが盗まれた事は御存知ですか」 「あれ、本当だ。どうもスースーすると思った」 「……さて、誰があなたのマスクを盗んだか、知っていますか?」 ツタンカーメンは、思わず口ごもった。 「うーーん……。私が言ってしまっていいのかね。」 「ええ、どこにあるか是非教えて下さい!」 「本当にいいのだね、ハワード。」 「もちろん!」 ツタンカーメンは、ため息まじりにこう言った。 「……ハワード。君が頭にかぶっているのは、なんだ?」 END
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