空中分解2 #1450の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
蝶のように舞う 涙を拭うと、ハンドルを握り、車を走らせた。このままガ−ドレ−ルに突っ込めば などと、ふっと思った。だが、俺はそれをできない。由枝にしろ、俺にしろ、自分が いなければ1人で、生きて行けない−−−父、娘が待っているのだから...。だが、運命とは皮肉なものだ。下りのカ−ブで、血のりで右手がハンドルから、スッポ抜け た。俺は慌てて、ブレ−キに足をかけたが、間にあわなかった。谷側の白いガ−ドレ −ルが目前に迫っていた。俺はとっさに由枝に覆いかぶさった。車はガ−ドレ−ルに 接触し、その反動で車は何回転もスピンした。そして、俺はフロントガラスに突き刺 さり、そのまま意識が遠ざかるのを感じた。 俺と由枝は、美しい緑一面の小高い丘の上を舞っていた。2人は蝶になっていた。 ダ−ク・パ−プルの蝶が俺だ。そして、ライト・イエロ−の蝶が由枝だ。2人は仲 よく大空を舞い、戯れた。だが、そんな幸なひとときも長くは続かなかった。 「お目覚めかね?」 俺は目を醒ますと、病室のベットの上にいた。一瞬、さきほどまでの過去を思い出 せなかったが、俺の前にいる、柔和だが、やけに目付きの鋭い中年の男の声で、現実 に引き戻された。 「なにも若いのにな....。まぁ、事情てもんがあるんだろうが...。」 と、刑事は続けた。 「ボ−ト屋の旦那さんから、電話が入ってね。で、この事故だ。 始めは、無理心中かと、考えたよ。連れの女性は昏睡していたし、あんたは 手首にためらい傷だろ....。彼女に事情を聞くまではな....。」 窓に視線をやり、更に続けた。 「連れの−−ああ、由枝さんか...。彼女はあんたの下でカスリ傷一つ負っていな いよ。まぁ、運が良かったんだな...。車が山側の土嚢で止まって...。」 その後、この男から、由枝は父親と帰ったことを知らされた。そして、俺は顔と、 手首に包帯をしているのを知った。 翌年、JA○の先輩からの年賀状で、由枝が結婚したのを知らされた。相手は大学 病院の内科医だと書いてあった。俺のほうはというと、あの事故の後、由枝との過去 をすべて精算すべく−−−東京に戻り、辞表を懐に会社に行った。上司はすんなりと 、辞表を受け取った。もともと、この新しく来た上司とは上手くいっていなかったか ら、俺が辞めてくれて、内心、ほっとしているのだろうと思った。もちろん、由枝 とは会わなかった。いや、会えなかった。 後書き これが「創作小説」だったら、面白くもない3流恋愛小説以下だろう...。 だが、すべて事実なら....。 今も俺の右手首にはあのときの、なま生しい傷跡が過去を物語っている。 そして、瞼の傷も....。 ☆ご意見、感想をよかったら、お願いします。
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