空中分解2 #1449の修正
★タイトルと名前
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赤い液体 「恭平さん、讙ジュ−スあるかしら.....」 俺は先程、ボ−ト小屋の売店で買った讙ジュ−スを捜し、それを由枝に渡そうとす ると−−−−、由枝は瓶の白い錠剤を口に入れていた。 「由枝、俺を1人にしないでくれよ!」 俺は必死で、由枝の処へと移動した。一瞬、ボ−トが大きく傾いた。そして、由枝 の口を探った。が、すでに遅かった。20錠では死にはしない...、眼醒めたときに酷い頭痛が襲うだけだろう。が、なぜ、由枝が1人で死のうとしたのか...、わからかった。 「なぜ?なぜなんだ?最後まで一緒のはずだろ!」 「いいの...。あなたの愛に応えられない、わたし自身を罰したの.... それに、恭平さんには娘さんがいるし....。」 と、子供のような表情で応える由枝。人間、死を覚悟したときの表情はときとして、 子供のそれに似ていると、俺は思った。俺は由枝への愛に報いなければと考え、由枝 のディオ−ルのサングラスを手で、砕き、その破片を左手に持ち、右手首へと引いた。 右手首にさっと、白い線がはしった。つぎの瞬間、赤い液体がしたたり出した。すぐ に右手は赤く血に染まった。左手で由枝の手をしっかりと握り、 「1人にはさせない...。でも....、何時間かたてば....、俺は永遠の眠 きみは目覚める。20錠じゃ2人、いや1人でも死ねないよ...。 ハハハッ、俺ってバカだね。きみを試したりして....。」 由枝はすぐに俺の手をとり、ハンカチを巻き付けた。手馴れた動作だった。養成所 時代、訓練されたのだろうと、思った。 その後、ボ−トを岸へと着けた。ボ−ト屋のおやじはフラフラの由枝と、血に染ま った俺の右手を交互に見、怪訝そうな顔をした。俺は足早にその場を去った。そして 、車へ戻り、助手席へ由枝を寝かせ、ハンドルを握り、ここへ来た。まだ、由枝は目 を醒まさない。あの後、由枝が薬を1人で呑んだ後、衝動的に手首を切ってしまった が、由枝のいうように子供のことが、頭にあり、俺は死ねなかった。(娘1人を残し て....)あの時、本当に死ぬ気だったら、由枝の手をとり、湖底に身を沈めれば、永遠に結ばれたれただろう。だが、俺にはそれができなかった。妻が男と出ていったと きのあの子供の顔が脳裏に焼き着いていて....。 「もう、こんな生活はうんざりよ!子供はあんたが引き取ってね。当然よね。」 と、捨てゼリフを残し、あの女は出ていった。もともと家庭的な女ではなかった。 休みともなれば、派手な化粧をし、1人で出掛けた。俺はなにも言えなかった。その ときは、仕事、仕事でろくに口も聞かない日々が続いていた。朝は1人で支度をし、 夜は夜で、酒を呑んで帰り、ろくに家で食事もしたことがなかった。まぁ、そこまで 2人の仲が冷えたのは、俺に責任があった。妻が妊娠しているときに、会社の女に手 を出し、それがバレてからだ。確かに俺に責任はあった。が、そのときから、彼女の 俺に対する態度が急変した。そして、俺に対するあてつけだろうか....、産後、乳児を自分の実家へ預け、男と遊び歩いていた。 俺は子供のために彼女の後を追った。だが、外で待っていた男と、彼女は車で夜の 闇へと消えた。俺は追うのをあきらめ、子供のもとへと引き返した。ドアを開ける と、歩行機をたよりに歩けるようになっていた娘は、玄関に自分の足だけで、立って いた。きっと子供心にもなにが自分の回りで起こったのか、感じたのだろう...、目にそのことが−−−、泣き晴らした様子がありありと、それを物語っていた。
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