空中分解2 #1446の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
出合い 春先の青葉も美しく生い茂るある日曜日、恭平と由枝(よしえ)は伊豆高原へと車 を走らせた。由枝は助手席に深く体を沈ませ、躰には恭平の上着がかけられていた。 「由枝、少しブレイクしようか?」 恭平は芦の湖が見渡せるパ−キングへと車をすべりこませ、讙コ−ヒ−を2つ買っ た。 「由枝、まだ寝ているのかい...。」 由枝はいっこうに眼を覚まそうとはしなかった。首をうなだれた姿勢のまま寝てい た。恭平は讙コ−ヒ−を飲み乾し、タバコに火を付け、外の景色を深呼吸していた。 東京生れの恭平は、ひどくこののどかな美しい緑に憬れを持っていた。恭平自身、東京 を何度も捨てようと考えたが、なにかふっきれないものがあり−−−都会の雑踏の1室 に身を置いてた。 窓ごしにライト・イエロ−の蝶と、ダ−ク・パ−プルの蝶が、舞っていた。恭平には 恋人同士が、戯れているかのように映った。そして、なぜかなつかしい、由枝との過去 を見ているように思った。 由枝、由枝とは3年前に国際線の機内で、偶然知り合った。その当時、俺は仕事に自 信を無くしかけていた。度重なる、社内人事で上役には置いていかれ、自分自信も支社 へと、配置転換され、非常に心身ともに疲れ果てていた。毎日が孤独感と、無気力感が 俺を支配していた。なかばノイロ−ゼ気味となり、上司の指示でカウンセリングを受け た。その結果、俺は旅行にでも行って、1週間ばかり仕事を忘れ、羽をのばしてこいと、 上司にいわれ、ハワイへと出掛けた。ハワイでは、ホテルに閉じこもり、スコッチに 1日じゅう、心底漬かっていた。夜はナイト・クラブへと足を運び、そこでも死ぬほ ど飲みまくった。その結果、俺はクラブで「胃ケイレン」を起こし、5日間の旅行も 後半は病室で寝ていた。もし、ホテルの部屋で、「胃ケイレン」を起こしていたら、 死んでいたとまで、医者に言われた。「胃ケイレン」は、話しには聞いていたが、本 当に死ぬかと思うほどの痛みだった。大の男が、クラブのカ−ペットの上で、あまり の苦痛にのたうち回ったほどだ。 そのハワイの帰りの機内でも、胃の調子が非常に悪く、飛行機に酔い、何度も化粧 室と、座席を往復した。そんな俺をスチュワ−デスの女が附ききりで、手厚く看護し てくれた。俺はそれまで、スチュワ−デスの女など、鼻が高く、高慢知己な女が多い とかってに思い込んでいた。だが、この女、「由枝」はそんな俺の思いとは全然違っ ていた。俺が、化粧室へと、足をフラつかせながら、歩いて行こうとすると、そっと、 俺に肩を貸し、 「大丈夫ですか?顔色が悪いみたいですけど...。」 と、心配してくれた。由枝は俺が化粧室から出てくるまで、ドアの外で待っていて くれ、いやな顔一つせず、俺を座席まで、肩を貸してくれ、運んでくれた。そして、 その後も、何度となく、心配そうに俺の様子をみに来てくれた。 その時は名前だけを聞いて、別れたが−−−、後日、どうしても「由枝」に合って あの時の礼を言いたいと思い、JA○に勤務している先輩のつてをたどって、なんと か、「由枝」にコンタクトすることができた。もちろん、由枝は、礼などは−−−と、 言っていたが、なかば俺の強引なプッシュと、先輩JA○職員の頼みということも手伝 って...。
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