空中分解2 #1415の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
赤い糸 「かおりさんありがとう。ちょうど、今度の金曜日は空いているから...。でも、 かおりさんがぼくのこと誘ってくれるなんて...。ぼくも前から、かおりさん のこと...。」 まるで夢でも見ているような気分だった。こんな嬉しい想いをしたことは過去に 1度もなかった。夢ならさめないで欲しいと願うポロリであった。 「あの−」 と、かおり。ちょと困惑顔で俺の顔を見上げる。断わられるとでも思っていたのだ ろうか?しばしの沈黙が流れた。が、意を決したように俺の顔をマジッと正視し、 「風間さん、ちがうんです。あの−、風間さんは音楽好きだって聞いたので、この コンサ−トのチィケットお願いしようと思って...。」 先程までの天にも昇る気持ちから、奈落の底にけ落とされた気持ちだ。一俊、目の 前が真っ暗になった。当然といえば当然だ。だれが、好んでこのうだつの上がらぬオ ジンに思いを寄せるだろうか...。ポロリ肩を落とし、シ鵆゚ックを隠せ 魴ばしの沈黙が2人を支配する。 かおり、俺の勘違いを察したのか(責任をかんじたのか)うつむいている。 なんとか俺は奈落の底から這上がり、絶望の縁から力無く、手にあるチケットに目を やり、かおりに聞いた。 「コンサ−トて?あ、これモ−ツアルト」 ポロリはとんとクラシックには縁が無い。ロック一筋でこの年まできた男だから。 まあ、それでも「カラヤン」や、「バ−ンスタイン」の名前くらいは知っている。 チケットは2枚あった。で、よく見ると、なんとS席で1枚、¥15000とあった 。ということは2枚で¥30000也か...、もしかおりが俺と一緒に行くというの¥30000出してもけっして高いとは思わないが、かおりの同伴なきチケットは、ク ラシックの「ク」の字も知らない俺にとって、¥30000はエベレストよりも高いと 思った。 「風間さんには素敵な人がいらしゃるんでしょ。この指揮者、○○○○○は世界で 今1番というくらい高名な方で−−−−−。」(※名前忘れた。) とかおり、カラヤン、バ−ンスタイン亡き後、世界最高の指揮者であると説明する。 素敵な人と一緒にどうぞか...。(きみと行きたいのに)と俺は心の中で呟いた。 「きみの頼みじゃ、断われないな。でも−−−」 と、かおりをこの機会に誘ってみることにした。 「でも、2枚買っても...、相手がいないんだけど。」 かおりの目を覗き込む。かおり微笑を浮かべる。度胸を決めて誘ってみる。 「かおりさん、一緒に行きませんか?」 かおり、一瞬、大きな目をパチクリ。慌てている様子だ。ちょっと困った顔で、 「金曜日から、部長と大阪支社へ−−−−−」 奈落の底で一筋の希望の光をかおりに求めたが、またしても裏切られた。 2枚買えば、かおりとの赤い糸は完全に切れてしまうと思い、なんとか1枚だけで けで勘弁してもらった。かおりを背に俺は部屋に戻った。 部屋に戻り、情報通の同僚にこの話しをしたら、なんと!かおりは営業の「中田」 とコンサ−トに行く予定であったが、かおりの出張で行けなくなったという話しを聞 いた。目に涙であった。 「中田」は俺よりも4才下で、たまに一緒に飲みに行くことがある。この男は営業マ ンらしくないひ弱なモヤシ子である。声もボソボソ小声で喋るし、営業部では存在感 が非常に薄い男である。 「中田」は早大の理工学部を出ている。よく、飲むとこぼすのだが、なんでも面接 のときに特技といわれて、学生時代は「ESP」に所属しており、英会話がペラペラで あると、こともあろうに営業部長の前でペラペラやったらしい。その堪能な語学力を えらく買われて、不幸にもその営業部長のいる「海外営業部」へ配属されてしまった。 いつもこの男は自分は理工学部出身なのに営業なんて−−−と、酒に酔うとこぼす。 その中田とかおりができていたなんて...。俺はそう思うと涙がチョチョ切れた。
メールアドレス
パスワード
※書き込みにはメールアドレスの登録が必要です。
まだアドレスを登録してない方はこちらへ
メールアドレス登録
アドレスとパスワードをブラウザに記憶させる
メッセージを削除する
「空中分解2」一覧
オプション検索
利用者登録
アドレス・ハンドル変更
TOP PAGE