空中分解2 #1363の修正
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「乾いた響きだった。」 「加納氏のご機嫌は?」 「大願成就の気分だろうな。まさか彼女があのステージに上がるとは思わな かった。」 「あのステージを作ってから何年になるの?」 「8年だ。」 「今まで一度も。」 「そうだ。一度も彼女は上がらなかった。」 「なぜ?」 「加納氏は、留学中の彼女を無理矢理日本に連れ帰った。そして結婚した。 子供はフランス系の混血だ。」 「高伊達さんは?」 「彼は帯広にいる。」 「急に?」 「そうでもないな。最近は故意に地方の病院を選んでいる。看護婦達は疑心 暗鬼になっている。」 「少し嬉しそうよ。」 「隠せないな、朱鷺子には。」 「どうして私に会うの?」 「その目に会いたい。」 「あなた変わっているわ。私の目を嫌う人が多いのに。」 「そうだろうか、離れられなくなる場合もある。」 「自惚れているわ。この女を理解できるのは僕だけだって。」 「じゃあ、なんて言えばいいんだ?」 「私は鏡のようにあなたの心を映すだけ。あなたがあなたでいられるから。」 つづく
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