空中分解2 #1347の修正
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「一度あなたに会ってみたかったのよ」 町外れの目立たない喫茶店の客は、加納夫人と朱鷺子の二人だけだった。 加納夫人の隣の席には、イタリアの高級輸入ブランドの紙袋があった。 朱鷺子の目は加納夫人から、その紙袋に移った。 加納夫人は朱鷺子の視線を確認して、多少落ちつきを取り戻した。 「あなたお勤めしてらっしゃるんでしょう? どんなお仕事なの?」 「普通の事務員です。」 加納夫人の目に、また苛立ちが浮かんだ。 「人間には釣合というものがあるのよ。お分かり?」 「はい。」 「じゃあ、あなたと高伊達さんは釣合がとれていると思う?」 「いいえ、不相応だと思います。」 朱鷺子は加納夫人に同意する意味で、また紙袋に視線を移した。 「なら、話は早いわね。高伊達さんに会わないこと、約束してくださる?」 「はい。」 「あなた、頭の良い子だわ。」 「そうでしょうか。私、高伊達さんは好きではありませんから。」 その瞬間、加納夫人は朱鷺子の視線を避けた。 が、一瞬の内にさらに強い視線で朱鷺子を見据えると、 「これ、私からあなたへプレゼント。」 そう言って、紙袋を差し出した。 「私にですか? どうして加納さんから、私にプレゼントなんですか?」 「深い意味はないわ。気まぐれだと思って頂戴。私の知り合いが経営して いるお店のものなのよ。」 「でも。」 突然、加納夫人は立ち上がり、 「なんて、ふてぶてしい人なのあなたという人は。」 言い捨てると、店を出て行った。 つづく
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