空中分解2 #1292の修正
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NeoSystemLadyPrat1 太平洋上、空母ニミッツ。 艦内はけたたましいアラームが鳴り響いている。 いままで感じた事のない恐怖。 艦のエンジンシステムは停止し、自動対尾装置などの自艦防護兵器 のすべてが動作しない。 しかも、艦を沈めようと企てる敵はすぐ目の前にいるのだ。 「アスロック発射しろ!なにをしている!!」 怒鳴る砲雷長。しかし、帰って来た返事は絶望を意味するもの。 「砲座のエアモータが作動しません! 砲雷長、聞こえますか、アス ロックミサイルの発射ができません!!」 「砲雷長、魚雷発射口も開きません。電源関係はすべてダメです!」 青ざめる士官達。 しかし、敵の銃口はあきらかにこちらに向けられている。 「艦長!本艦、まったく攻撃体制がとれません。艦長!!」 今年で56になるベテラン艦長が、にがむしを潰したような表情で、悔 しそうに、本当に悔しそうに。 「艦長、敵潜水艦の魚雷発射音を探知」 CICが掻然となる。 「艦長!命令を!!・・・・・・」 青ざめるソナーマン。おびえる士官。 アメリカ合衆国、そのほこりであるはずの巨大空母ニミッツが、ライオン に睨まれた子ネコのようにおびえる。 そのとき、メインコンピュータのメンテナンス用ディスプレイに人の顔 が映る。 それを見たとき、艦長は怒りに震えた。 「こんな者に、こんな者に合衆国のプライドが傷つけられたのか!」 それは少女だった。年は12・・・・・・ いや、日本人は若く見える。 おそらく17くらいか。 「貴様ぁ、なんの恨みがあってこんな事をする!」 艦長はディスプレイの少女に向かって怒鳴る。 少女は首を傾げ、そして微笑んだ。 皆が艦長と同じ気持ちだったに違いない。 こんな少女に、巨大な合衆国が笑われたのだ。 「貴様がシステムレディか」 あたしはマンションに帰ってから、おもいっきりシャワーをあびた。 全身の力が抜けていくような脱力感。 「疲れているのよね」 自分にそう言いきかせながらシャワールームを出ると、CDをボリューム いっぱいに上げ、机の前に座る。 大好きなジャズが体に張り付いてくるようで爽快。 机には会社から借りたワークステーションが鎮座している。 電源を入れる。 モデムのアクセスランプが、コールしている事を告げている。 こいつは電源を入れると、勝手に会社のサーバへアクセスするように設 定してある。 もっとも、あたしがやったのではなく、会社の技術マンがセッティングし てくれたのだけど。 アクセス開始と同時にIDとパスワードを聞いてくる。 オートパイロットのプログラムが走るから、あたしは画面を眺めているだ け。 たちまち自分のボックスに入る。 ここは会社の秘密保持の為、自分に与えられたボックス以外には入れない ようになっているのだ。 「ふぇ、これは大変だわ」 今日やり残した集計のデータが出てきた。 「ふーむ、とにかくコーヒーでも飲みながら」 と、あたしは席を離れようとした。 その時・・・・・・ 「あたしもコーヒーほしいなぁ」 体の動きが止まる。 「誰?」 ジャズの音で埋め尽くされた部屋をきょろきょろと見回した。 「気のせいかな」 と、一瞬気持ちが落ちつく。 「ここよ」 それはディスプレイ画面の中、少女がこちらをみて微笑んでいる。 「駅の女の子!?」 会社のお昼休み。 あたしは宗方課代に質問した。 「実像入りのパソコン通信?」 あたしは真剣だった。 何がなんでも、昨日の不可解な事件の謎を解きたかった。 「まぁ、静止画なら不可能ではないけど」 「動いているんです、しかもしゃべるンです」 宗方課代、バカにしたような目つき。 「いいかい、パソコン通信っていうのはパソコンで受信出来なきゃ 意味がないんだ。たしかに実像を動かしたり、しゃべらしたりの実験 は世界中で行われているし、現実にもゲームという形で、実験的に商 品として出てはいる。しかし、本当にこちらの言った事を理解し、会 話にまでもっていくのはたいへんなんだ。まして、しゃべるなんて事 が、いまのパソコンに出来ると思うかい?」 「Unixならどうなんです?」 あたし、食い下がる。 「おんなじだよ。だいいち、ビジネスオンリーに使われているワー クステーションのネットに、そんなものが存在するはずないだろ」 宗方課代、腹空ったとお腹をさすりながら席を立つ。 あたし、もう一度食い下がる。 「うちのネットには?」 宗方課代、ちょっとムッとする。 いけない、怒らせちゃったかな。 「君は僕がおしゃべりソフトをネットに流したとでも言うのか?」 宗方課代、目がマジになっている。 ひぇ、言いすぎてしまった。 「ごめんなさい。そんなつもりで言ったわけではないんです」 「うちのネットは仕事をする為のものだ。お遊びのパソコン通信を するための物じゃない。したがって当然そんなプログラムは存在しな いし、僕もおしゃべりソフトをネットに流すような非常識な事はしな い。そのぐらい事わきまえている」 そう言って部屋を出ようとする。 「でも、あたし見たんです!」 システムルームいっぱいに響く大きな声。 皆が振り向く。 「よかろう、そこまで言うなら調査しよう」 太平洋上、空母ニミッツ。 その巨大な巨体に着艦しようと、1機のヘリが近づいてくる。 本来ならこんなもの撃ち落としてしまえるのに、コンピュータをはじ めとするすべての電子機器が作動不能な現在、彼らの意図に従うほか ない。 「くそったれがぁ」 飛行甲板の上で、軍曹がにくったらしげに睨む。 ヘリはそんな事は気にもせず、フラフラと降りて来た。 「やつら、どういうつもりなんだ」 艦長が、ヘリから降りてくる人物をみながら呟く。 ヘリから降りた人物、ニコニコと笑顔で手を振っているのだ。 そして、甲板上の艦長を見つけると、まっすぐ歩いてきた。 艦長の警護に当たっているMPが銃を構えようとする。 それを艦長は、やんわりと制した。 「ダミー弾のみやげ付きかね」 艦長、皮肉っぽく虚勢を張る。 「艦長ですね」 ヘリから降りた人物、艦長の40センチ手前まで来て聞く。 「いかにも、わたしが空母ニミッツ艦長のアドレーだ」 「司令や他の方々は?」 「バージニアへお移りになった」 「逃げたのか」 男の言葉に、周りが殺気だつ。 それを艦長、目で制する。 「君達の要求を聞こう」 本部コントロールルーム。 奥多摩の田舎町にそれはあった。 小さな2階屋で、1階は倉庫になっている。 しかし、ここに会社の心臓部ともゆうべきメインコンピュータ<Z exll>がある。 少ししてから、鈴木部長と奥山調査課長が入ってきた。その後ろに は5人の調査課の人達がくっついてきている。 「なんか、随分おおげさじゃない?」 あたし、宗方課代をつつく。 「宗方くん、よく知らせてくれたねぇ。感謝するよ」 鈴木部長が変な事を言う。 「いえ、本当にウイルスかどうか自信はないのですが」 宗方課代も変。 「いやいや、用心に越した事はない。ちゃんと調べておかないと、 ゆっくり安眠できんからなぁ」 そういって、奥山調査課長に同意を求める。 「まったくですね。なに、osをYukikOsに代えてからとい うもの、きちんとしたメンテをやっていませんでしたから、私も不安 だったんです」 どういう事? あたし、宗方課代をさらにつつく。 宗方課代、あたしの方をむいて、ペロッと舌を出した。 なんか、それで全部わかった気がした。 会社の心臓部に入るには(と、いうより幹部連中を動かすには)シス テムがコンピュータウイルスに感染していると言ったほうがいいと宗 方課代は考えたのだ。 あたし、宗方さんを見る。 ふーん、けっこうイイ男じゃないか。 「状態はどうなのかね」 奥山課長、技術マンの一人に聞く。 「今のところ異常は見つかりません。不良セクタがあれば、すぐに も検出されるはずですが」 技術マン、モニターとにらめっこをしたまま答える。 宗方さん、あたしの肩にポンと手をやり。 「あとはここの人達に任せよう」 そういって、ニッと笑った。 −3−へつづく・・・・・・ .....
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