空中分解2 #1290の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
夏の終りの頃になって、OLのY嬢は、自分の不思議な能力に気がついた。 生まれたままの姿になって、座禅を組み、「透明」を念ずると、彼女のから だは普通人には見えなくなってくるらしい。 最初は家族で試してみた。 両 親の前をまっぱだかで歩いてみたが、何の反応もない。 大学生の弟たちがマ ージャンをやっている部屋に、全裸で彼女が入っていったが、無視されている 。一番ハンサムな子のそばで、大股を開いてみたが、彼は見向きもしない。 Y嬢は会社でも試してみようと思った。 晴天のある日、一日休暇をとり、 全裸で会社に出かけた。 道を歩き、電車に乗りして、大勢のひとと接触して いるのに、全裸の彼女に気づく人は誰もいない。 彼女は自信を持った。会社 の職場に入っていったが、上司も先輩も同僚も、知らん顔をしている。 ビル の全フロアを、彼女は全裸で歩き回った。 誰も気がつかない。 彼女は自分 が「透明人間」であることを確信した。 どうして、こんな能力を身につけたのか、彼女は不思議に思った。 はだか になって、眼鏡をはずし、化粧を落とし・・・で、人工的なものを一切取り去 った時、「透明」が訪れてくるようだが・・・・・・・・・・ 秋が去り、初冬になった。 「透明」になるには、つらい季節になったが、 彼女の好奇心は、彼女に全裸になることを命じた。 ある暖かい晴れの日、今 日は遠出をしようと、Y嬢は新幹線「ひかり」に乗った。 もちろん、車中の 乗客は誰ひとりとして、ヌードのY嬢には気がつかない。 いたずら好きの彼女は、道中を自由奔放に楽しんだ。 グリーン車でふんぞ り返っている大政治家の顔に香水「おなら」を振りかけてあげた。 土地成金 の大富豪のコーヒーには、腰を突き出しておしっこを入れてあげた。 ついで に大富豪さんからは札束を失敬して、自由席で立っている貧乏学生たちのポケ ットにそのカネを配って歩いた。 道中は楽しかった。 道中は忙しかった。 透明人間とて腹はへる。 「ひかり」が東京駅に着いた。 ホームの売店で 、彼女は弁当を失敬しようと思った。 うなぎにしようかな、幕のうち弁当で いいかな・・・・などと楽しく迷っていた。 Y嬢はハッとして、棒立ちにな った。 雑踏にまぎれて気が付かなかったが、そばに全裸の男が立っているの だ。 彼は透明人間T君である。 彼も弁当を失敬しにきたのだ。 透明人間 は、透明人間を見ることが出来るのを、ふたりとも忘れていた。 棒立ちになったのは、T君の方だったかもしれない。 1991−11−23 遊遊遊遊(名古屋)
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