空中分解2 #1244の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
とある研究所(表向きは犬猫研究所である)の会議室で、あれこれとヒソヒソ声で議論する変な集団がいた。 「…うーん、どうやってモルモットを手に入れればよいのだろうか」 「そうですねえ…」 「なるべく世間にばれないようなのがいいんですがね」 「そこのところが難しいのだ」 熱く議論しているこの男たちは、揃いも揃ってみな学会で有名なマッドサイエンティストたちである。この危ない集団を、人は「オッペケペー学派」と呼ぶ。業績もなかなか凄い。当然学会では笑い者になるのだが、あいかわらずこの学派は様々な説を発表する。 例えば「超ごむひも理論」だとか「そうたいねえ理論」(E=MCハマーの法則で名高い)などは一度は耳にした人もいることだろう。 メンバーはいずれも危ない。危なすぎて書けないほどの危なさだ。 本日の会議は人体実験に関するものだ。 モルモット、つまり実験材料が欲しい。 どこかに人間は落ちていないもんだろうか? 恐怖に顔をひきつらせておびえるやつがいい。 そうだなあ…。 そいつは涙声で訴えるんだ、「殺さないで!命だけは助けて!ぼくには家族がいるんです!お願いしますうう、何でもしますから!」と。しかしその声を聞きながら私達はこんなセリフを言う。「許せ。君は解剖されるんだよーん!科学の進歩のためにだありがたく思うんだな」と…。 するとその人は観念したかのようにがっくりとうなだれて、神様に祈りをささげるわけだよ。「馬鹿じゃないのおまえ、神なんていないんだ、そんなことがわからんのか。いやいるね、うん君の心の中に。でももうすぐ死ぬから神も死ぬね。ワハハ」 するとその人は泣きそうな顔をして言うね。 「鬼!悪魔!地獄へ落ちろ!」とかなんとか。私達は答える。 「ワハハそうだよーん」と。 そうしたところをメスでもってゆっくりじわじわと…。 オッペケペー学派の人間は、誰もがそのような想像をして興奮するのであった。実に危ないやつらだ。 「…アミダで全人類の中から選ぶと言うのはどうでしょう?」 「おお!それはいい考えだ。それでいこう」 「そうだそうだ、そうしよう」 マッドサイエンティストたちは、全人類の名前をなんとか一枚の紙に書き出して、アミダクジをはじめ、ついに一人の人間を選び出した。 「全人類をアトランダムに選んだ結果、私の家の隣に住む独身男性、鈴木鷹司と言う男性が選ばれたのですが、どうでしょう。彼で良いでしょうか。」 鼻毛をリボンで飾っているスーツ姿の男がゆっくりと言った。 「ああ、あの人か。いいんじゃないの?気さくで感じもいい好青年だからね、解剖にはもってこいだ」 全裸の男が答える。 「うん、いいっていいって。わしも鷹司くんなら子供の時から良く知っておる。そろそろ解剖してもいいころだとは思っていたんだ。ワハハ」 「…それでは彼に決定ですね。それにしても不幸な奴だ。果してうまく行くかもわからぬ手術だからなあ。でも、研究のためだからしかたがない」 「ではさっそく彼を研究室に誘い出し、手術しましょう。腕がなるなあ…」 そのころ、鈴木鷹司は自宅でくつろいでいた。 「いやあ極楽極楽。ぼくは家でくつろぐのが一番くつろげるんだ。」 そんな独り言をつぶやきながらお茶をすすっていると、どうも外が騒がしい。 「なんだろう」と思って鷹司は立ち上がって外をみた。 その時である。 突然窓ガラスが「ガチャーン」と割れて、ドヤドヤと黒ずくめの男たちが乱入してきた。顔はガスマスクみたいなものをかぶっているため見えなかった。 「な、なんだおまえらは!!」 「鈴木鷹司だな、連行する」 「おい、ぼくが何したってんだ!手をはなせ馬鹿野郎」 「うるさい!おまえが選ばれたんだ、とにかく来い」 「何にだよ!やめろー助けてー!助けてー!誰かー助けて!ウグッ」 黒服の男は鷹司の腹を殴り、気絶させた。 「まったく世話のやける。それにしてもあわれなやつよ」 「おい、いくぞ。世間の目が気になる」 「わかった」 男たちは鷹司を抱えて闇の中に消えて行った。 「おっ、さっそく連れて来たね。鈴木鷹司か。」 「そうです」 すでに研究所の手術室では準備は整っていた。あとは鷹司を解剖するだけの話であった。オッペケペー学派の人間は、いますぐにでも手術が出来るように白衣に着替えて待っていた。 「さっそくだが手術をはじめる。これは非常に危険な手術だから、みんな気をつけてくれたまえ。では、鷹司くんの服を脱がせて」 背中にキューピー人形を背負った男が、ゆっくりと服を脱がせ始める。 鷹司の洋服を脱がせると、彼らはあることに気付いた。 鷹司の背中に大きなアザがあったのだ。 「なんでしょうねえこのアザは?」 「変わってるな。まるでボタンみたいだ」 そう言いながら男がそのアザを触ると、奇妙なことに、鷹司の体からカチカチという音が聞こえて来た。 「な、なんだろうこの音は?」 「時計みたいな音だ。腹時計がなっているのでは?」 「まさか!こんな音はしないはずだ」 「では、なんだと言うのだ!説明してみろ」 「わからない。こんな事はあってはならないはずだが」 その時、鷹司がパチッと目を覚ました。 「あ。鷹司が目を覚ましたぞ。」 「バカ博士、カチカチする音が気になるけど、一応あのセリフを言いましょうよ。」科学者の一人がリーダーらしき男に耳打ちした。 「そうだな。昨日の夜、秘書に徹夜で考えてもらったセリフだ。言わなくては秘書が悲しむからな。では言おう。うんなになに。ワーッハッハッハ。目覚めたな、鷹司くん。おおかわいそうな人よ、汝あわれな小羊よ」 「馬鹿者め!おまえらは時限爆弾のスイッチを押してしまったのだぞ!」 鷹司は怒鳴った。 「な、なに!?時限爆弾だって?どういうことだ」セリフを読み上げるのをやめ、リーダーのバカ博士は鷹司の顔を見つめた。 「まだわからないのか。私の背中には時限爆弾が埋め込まれていたのだ。いざという時のために、優しい母上が取り付けてくださったのだ。やはり母上の予感は的中してしまった。これだけは使いたくなかったんだ。ぼくは生まれた時からぼくは人間爆弾だったのだ。知らなかっただろ」 「なんだと!知らなかった、だからカチカチと音がしていたんだな」 「母上はいい人だった。ただ、淫乱なのが問題だったが、そんなことはどうでも良い!母上は今やいない。家出したからなのだが、そんなこともどうでも良い!貴様らは母上の愛情を踏みにじったんだ。ぼくは許さない!」 「時限爆弾を早いとこ取り外そう」 「下手にいじると爆発するぞ!父上はそのせいで死んだのだ。そう、父上は本当の人間爆弾だった…。あっ貴様つまらない事を思い出させやがったな。この事は下手に騒ぐといよいよ危なくなっちまうからもう言わないが、いよいよ許さないぞ」 「なに?そうだったのか。それはご愁傷さまな事だ。重ね重ねのご無礼お許し下さい」 「駄目だもう許さない!いや、金をくれるなら許す」 「なんとがめつい奴だ。金はやらないが許せ。」 「それでは駄目だ」 「許してーん、オ・ネ・ガ・イ。」 …閃光が走った。 地面は割れ、地響きが起こった。 鷹司の爆発は、オレンジ色の光となって研究所を焼き付くした。オッペケペー学派の人間は一人残らず死んだ。そして鷹司もまた帰らぬ人となった。鷹司は汚い金を受け取る事もなく、誇り高く死んでいったのである。 次の日の新聞には、小さく研究所の火災を報じる記事が出ているだけであった。 鷹司の活躍を知るものはいない。 あわれな奴よ。 THE END ,,
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