空中分解2 #1216の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
これはちょっと前に書いたやつで、作風が今と違います。 ギャグじゃないのです。 ある朝の事。 ふと、山岡は自分が机で寝てしまっていた事に気付き、目を覚ました。 (しまった、寝てしまったようだ…。しかしよく寝た。アイテテテ、頭 が痛いぜ。脳味噌が冴えないなあ。頭の中に冷たい水があるような感じ だが、口ではうまく説明出来ない。寝ると疲れが取れるなんて言うが、 どうも信じられないぞ。しかも、首を寝違えてしまった。これはきっと 明日の朝も痛いに違いない。そして1カ月はこの痛みに悩んで生活する のだ) 山岡は、首をコキコキと鳴らしながら時計を見た。午前4時半、いつも 決ってこの時間に起きるのだ。 じーっと服部セイコーの時計を見つめて見ると、ちょうど4時30分に なった。 (ウーム、なぜいつもこの時間に起きるのだろう?きっとレム睡眠の時 間がちょうど4時半くらいなのだろうが、こう毎日だと不思議な気分が するものだな。そういえば、今日は金縛りにはならなかったようだ、よ かったよかった。机で寝るとよく金縛りになって、どうも恐い。疲労が 原因とも聞くが、たまに誰かの足音を聞いたりするのがどうも不気味な のだ。) テレビはつけっぱなしで、深夜番組がオンエアされている。だが、くだ らない番組なので、すぐにチャンネルを変えた。ろくなものがやってい なかったので電源を切り、ぼんやりと窓の外を見つめる。 窓の外は少しずつ明るくなって来ていた。 スズメが鳴き出し、鳥の群が空を横切っているのが見えて、山岡はそれ を目で追う。 窓を開けると、どうも肌寒いのですぐに閉めた。山岡は冷蔵庫から缶コ ーヒーをとりだして、プルタブを引っ張りあげる。そしてあれこれとつ まらない事に脳味噌を使う。 (このプルタブと言うやつだが、こんなもの一つが環境に影響するのだ ろうか?たまに、このプルタブは日本のモラルが低い事のあらわれだと かなんとか言う奴がいるが、どうもやつらは勘違いしているな。また、 わが社はこれを使っていないから環境に優しいなんて事も、よく言える もんだ。この缶自体が問題じゃねえの。) 缶コーヒーをすすりながら、読みかけだった司馬遼太郎の小説に目を通 す。本を枕にして眠りこけてしまったため、折り目がきっちりとついて しまって実に読みづらい。古本屋に売ればかなり値引きされるほどボロ ボロである。もっとも、山岡は面白いと思ったページに折り目をつけて しまうと言う人間だから、いくら本がぼろっちくなっても気に止める事 は無いのだが。 (うーむ、商品価値がゼロになってしまった。こんなにボロボロにして はいけないなあ。 それにしても本の値段は高い。だいたいこんなカバーなんていらないん だよな、まったく。) 山岡は読み始めた。だが、しばらくすると再び睡魔が襲ってくる。コー ヒー一杯では睡魔を打ち負かす事は出来ないのであった。ページをめく る手の動きがだんだん遅くなり、首が傾いてくる。頭の中には変なイメ ージがゴチャゴチャと現れては消え、音楽が流れ出す。この音楽はいろ いろな音楽のサビの部分を集めたようなやつで、山岡はそれを聞くとも なしに聞いていた。 すると、目の前に少女の顔が現れた。 はるか昔に死んでしまった、薄幸の少女。彼女は山岡と共に遊び、共に 育った幼なじみだった。 山岡が中学を卒業すると同時に突然死んでしまい、今はもういない。 少女が山岡に微笑みかける。いつも同じ場面が連想されるのだが、すで にその思い出は結晶となっているわけで、山岡は、彼女を思い出すたび に、これが印象と言うやつなんだなあと思って一人感心する。 山岡の心に住み着いた彼女は例えようもなく美しい。もちろん、ある程 度は美化された印象なのだろう。だが、むかしの思い出なんてモノは、 たいてい美化の味付けがされているものだ。それはそれでいいことなの だ。 山岡も彼女に近付いていき、微笑みかける。 そしてつぶやく。 「待ったかい?」 いつの間にか活字を枕にして、山岡は眠りについていた。おそらく目覚 し時計が鳴るまで目を覚ます事はない。 END
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