空中分解2 #1215の修正
★タイトルと名前
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むかしむかし、あるところ(たぶん、今の愛知県あたり)の山の中にひとつの サルノコシカケが生えていました。 「サルノコシカケとして生まれたからには、一度は猿に腰掛けられてみたい。 」といつも願っている、まあ、どこにでもいる野心家のサルノコシカケでした。 彼の生えている山には猿など一匹も住んではいないのですから、彼の願いなど かなえられるわけはありません。 猿どころか、他の動物にも腰掛けられたことがないのです。 彼は、人間が嫌いでした。 人間は、ときどきこの山の中に入ってきては、彼の友達の松茸や、シメジ達、 それに鳥や他の動物達を殺しては連れ去って行くのです。 そして、なんと人間は彼のその友達たちを食べてしまうのだそうです。 「なんて恐ろしい生き物なんだろう。」 彼は思っていました。 他の動物たちが彼の友達たちを食べる事はあっても、人間達のように変な道具 を使ったりしません。 ちゃんと自分の牙や爪で自分の食べ物を確保するのです。 「人間はずるくて汚い。」 これは山の動物や植物たちの共通の思いだったようです。 ある日、彼の側に一匹の人間がやってきました。 まだ少年のようですが、ずる賢そうな顔をしています。 「あーあ、疲れたにゃあ。」 とその人間は呟いて彼の側に近寄ってきました。 彼はいやーな予感がしました。 そしてその予感は的中しそうです。 少年は彼を見つけて、 「おっ、いいものがある。ちょうど腰掛けられそうだ。」 その少年は彼に腰掛けようとしています。 彼は心の中で叫びました。 「や、やめろおっ!まだ猿に腰掛けられたこともないのに、よりによって人間 に腰掛けられるなんて、絶対にイヤだあっ!」 しかし、彼の叫びも虚しくその少年は彼に腰掛け、気持ち良さそうに手拭で汗 なんか拭いています。 彼の悲しみ、嫌悪は頂点に達しました。 「ちくしょう!冗談じゃない、このガキ、おまえなんか、おまえなんか、猿に なってしまえばいいんだ!」 そうです、少年が猿になってしまえばすべてはまるくおさまるのです。 そして彼の願いは天に通じたようです。 少年はみるみるうちに猿の姿へと変わっていきました。 その後、彼が風の便りで耳にしたところによると、猿になった少年はその猿独 特の愛敬によって、「人たらし」と異名を取り、またたくまに出世し、ついには 天下人となったそうです。 彼は、その少年、のちの豊臣秀吉の天下取りのきっかけを作ったサルノコシカ ケとして、サルノコシカケの世界に永遠に語り継がれていくことでしょう。 − おわり −
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