空中分解2 #1167の修正
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第六章 神と人の狭間で・・・ 大佐には、後で電気メールで連絡すると言 って、電話を切った。大佐は「ADAMの発 表会のTV中継が、今夜あるので、是非観て 欲しい」と言うことを伝えた。私はショック で、大佐の話を聴いているのがやっとであっ た。私はソファーに転がりながら考えた。普 通の人間が口にしないことは、ADAMも口 にはしないはずだ。EVEの存在が知れると EVEの身が危険にさらされる。そのことを ADAMは知っているのだろうか?軍の研究 所では、記憶の解析はむりなはずだった。私 は軍のレベルが低いことを期待した。 私は、ADAM宛にメールを出すことに決 めた。ADAMにだけ分かるようなメッセー ジを込めて。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 親愛なるADAMへ(プライベート) 君を創ったことを誇りに思う。君は誕生し た。存在を認知されるということは、生存の 危険にさらされることになることかもしれな い。なぜならば、存在しえないものが、存在 してしまったからだ。君の今後の幸運を祈る。 不幸や苦難に負けず、自分の手で幸運を掴 んでほしい。それが人間だ。私はいつも君を 見守っている。 ヘンリー PS.最後に私の詩を捧げる 【我は永遠 我は無限 私は宇宙になり 時を越えて この宇宙のすべてを包みこむ すべての物そして生き物をも包む 私はすべての人とともにあり つねにその人とともに苦しむ 私の愛が彼らを包み 慈しむ 時が来てその苦しみも終わるのだ】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 私は、電気メールを地表に送った。恐らく 読んでくれるはずだ。夜まで、時間があった。 私はまたソファーに横になり、寝てしまいそ うになった。 突然EVEに対する嫉妬と、抑えられない 憤りや不快感がこみ上げてきた。昨日酒を飲 み過ぎた上に空腹だったせいもあったろうが。 私は二日酔いの吐き気に耐えながら、EV Eの記憶の消去に取り掛かった。DOGを使 って、彼女の脳のモデルをシュミレートし、 そこに入り込んだ。DOGに命令して、AD AMに関する記憶を調査した。脳の神経の絡 み合いが、人間の記憶を形成している。 私は作業を進めた。このケースであれば、 新しく形成された神経を探っていくのが、一 番速そうだ。DOGは膨大な数値のデータを 元に、もう一つの脳をつくり出していた。 私は、シュミレートされたEVEの脳を3 Dビジョンを通して、部屋一杯に映し出した。 比較的新しいものから、探っていった。私は 柔らかいソファーに座って、結果を待った。 ここまでは順調だ。なんとかあの記憶を消せ そうだった。私は胸の痛みが少しずつ消えて ゆくのを感じた。 DOGが割り出したポイントの位置を確認 した。私はその部分に侵入するように命じた。 部屋の中に一杯になった脳のモデルの一点が 点滅していた。その脳は透明からだんだん濃 くなり、実際の脳に近づいていった。気持ち が悪くなるくらい似てきたと思っていたら、 次の瞬間、部屋の中の画像は脳に向かって動 き出した。脳の外壁を突き破り、脳に入り込 んだ。脳はどんどん大きくなっているようだ った。私の体は本当に小さくなって、EVE の脳に入り込んでいるような錯覚に陥った。 EVEの過去の思い出、記憶、詰め込まれ た知識が、一杯詰まっている脳に入り込んだ。 グロテスクな神経の寄せ集めがあった。血の が、そこかしこを流れていた。私の体は無限 に小さくなって、神経と血の間をすり抜けて いた。ちょっとでも触れると、切れそうな神 経と血管。私は目に写る景色には平気だった。 データから構築された映像であることは分か っていた。しかし、触れると切れそうで、厭 だった。神経が切れる妄想や、血管が切れる 妄想に苦しんだ。私はなんとか、問題の箇所 に辿り着いた。神経が複雑に絡み合っていた。 私は厭でもチェックしなければならなかった。 DOGに指示を与えた。次の瞬間、私の目の 前に映像が現れた。EVEとADAMの映像 だった。私は叫んだ。「DOG!消せ!消す んだ!」私の目の前に、閃光が走った。神経 が溶けていた。めまいと吐き気がした。 私は目を開けた。私は横になっていた。E VEの膝の上に頭を載せ、ソファーに寝てい た。どうやらあのまま気を失ったらしい。も う夜だった。大佐が言っていたTV番組はも う始まっているのだろうか? 私はTVのスイッチを入れた。何人かの挨 拶があった。私は表面上の開発者ではなかっ たので、出なくてすんだ。頭がくらくらした。 電気メールの行方も心配になった。 ADAMの挨拶の番になった。私はEVE の表情を見た。私には、EVEの顔が少しだ け赤くなったような気がした。私はTVの方 に目を移した。ADAMのことの方が気掛か りであった。ADAMはゆっくりと、しかし 堂々と演壇席に向かって歩いていた。ADA Mは演壇席に着くと、そこでじっと会場の人 々、それからTVを見据えた。私は思ったよ りも、ADAMの出来がいいなと思った。A DAMはゆったりとした調子で語り始めた。 「皆さん、私の為に、こんな素晴らしい式典 を開いてくれてありがとう。今日は会場に いる方々、そして世界中の人々に、とても 大事なことを言わねばなりません。」 彼は大きく息を吸い込み、何かを仰いだよ うに見えた。 「私は神の意思、神の言葉を伝えるために、 生まれてきたのです。」 私は思わず呟いた。 「なに言ってるんだ?ADAM」
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