空中分解2 #1162の修正
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ラインの最終工程に彼はいる。 彼の仕事は完成車の検査である。次から 次へと流れ出てくるクルマの中には、「死相」をしたものも混じっている。 彼には、生れながらにして「死の運命」を背負っているクルマが見えるの だ。 これは、深夜、スピードの出し過ぎで、若者が激突死するクルマ。 これは、若者が暴走して、通行人に突っ込み、6人死ぬクルマ。 これは、無理な追越しでトラックと正面衝突して、5人死ぬクルマ。 これは、里帰りの一家4人が断崖から転落死するクルマ。 ・ ・ ・ ラインを、普通車に混じって、死相車が流れていく。 死相車は新車のと きから、死のにおいを漂わせているのだ。 一度、死相車は出荷すべきでないと、彼は提言したが、会社からも、同僚 からも気ちがいあつかいされた。 給料をもらって生活している以上、それ 以上のことは言えなかった。 毎日々々、クルマは大量に生産され、街へ出ていく。 新社会人となつた 若者が、クルマを買った。 450万円を月賦で支払っていくのだが、その 若者は気にしていない。 自分のクルマを持てた喜びでいっぱいだった。 休日を利用して、「お祓い」と「お守り」を受けに、若者は成田山へ自慢 のクルマを走らせていた。 「お守り」をいただく前に、若者はクルマと共 にコンクリートの壁に激突して死んだ。 死相どおりの結果が出た。 良心に攻められて、検査員の彼は悩んでいる。 せめて、ユーザーが死相 車を選別できるようにと、願いをこめて、髑髏マークをボンネット裏に書き 込んでいるのだが、誰も、それには気がつかない。 1991−09−08 遊遊遊遊(名古屋)
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