空中分解2 #1154の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
真っ白なテーブルには、おいしそうに冷えたアイスコーヒーが二つ…。ビーチパラソ ルのフリルが爽やかな風になびいている。雄介はコーヒーグラスを手にとって、波打ち 際を戯れている玲子をグラス越しに透かしてのぞいて見た。ふっと懐かしい記憶が蘇っ てくるような気がした。ウエスト近くまで切れ上がったハイレグ…背中を大きく露出し た純白の水着…そんなすべてが彼女にジャストフィットしていると思う。ふと出会った 絵画や写真に思わず心を奪われる瞬間…あの新鮮な感覚が雄介の脳裏を埋め尽くしてい た。 「玲子」と雄介は大声で叫んだ。「コーヒーができたぞ」玲子はなに?というように長 い黒髪を揺らせて振り返る。雄介はもう一度同じ言葉を繰り返して、グラスを高く上げ て左右に振ってみせた。わかったというように玲子は大きくうなずいて、白い砂を踏み しめながらこちらに歩いてくる。9月の砂浜には人影は見えなかった。遠くに珊瑚礁が 盛り上がった小さな島が横たわり、その周囲には白く砕けた波がかすかに飛沫を上げて いる…「冷たくて気持ちいい…」玲子はグラスを頬に当てながら大きな瞳を雄介に向け た。「中に入ろうか?」と雄介は言う。「うん」と意味ありげな微笑を浮かべて、玲子 が答える。肩にかかった髪を振りほどきながら、玲子は両手を雄介の方に差しのべた。 海岸の反対側には果てしなく続く草原…。二人は肩を組んで海岸沿いのハイウェイを横切り、アーリーアメリカン調の洒落たコテージのドアを開ける。冷やっとした冷気が 全身を包み、ほてった身体に徐々にしみこんでくる。海の見えるベッドルームに二人は 入って、どちらからともなくベッドに腰をかける。半分開け放たれた窓からさっきと同 じ爽やかな風が吹き込んで、無地のレースのカーテンを微かに揺すっている。冷房され た部屋の冷気と窓から吹き込む微かに温かみのある空気が二人の廻りでゆるやかに融け 合う。 雄介は右手を玲子の肩に回す。玲子の大きな瞳が雄介を見つめる。全身がやるせなくなるほどのけだるさ…新鮮な気持ち…。心臓が大きく波打ち、鼓動が喉の奥を突き上げ る。玲子の弾力のある唇に雄介はそっと口をつけた。水着の肩紐をほどき、ウエストま で引き下ろす。小柄な身体には不釣り合いなほど形よく盛り上がった白いバストがぷる んと揺れた。淡い葡萄色の乳首は今にも弾き飛びそうにぴんと張りつめている。雄介は こりこりとした乳首を手のひらでゆっくりと擦る。玲子は抑え気味にため息をもらして 雄介を見つめる。ベッドに横たわった玲子の水着を足の先から抜き取り、雄介は微かに 盛り上がった玲子の綺麗な下腹部に顔を移動させる。さわさわとした草原のような茂み に口を近づけようとすると、玲子の手が雄介の頭を制止した。 「だめ」と小さな声…微笑みながら雄介をベッドに横たわらせて、今度は玲子が雄介の 下腹部に顔を近づける。長い髪がさらさらと雄介の下腹部を移動する。微かになま暖か い感触が雄介の充血しきったそれを包む。黒髪を両手でかき分け雄介は玲子をのぞく。 少しして玲子の顔を上げさせ、その可愛い唇を吸った。口を大きく開けて、舌を絡ませ る。指先が玲子の花弁に触れる。溢れでた愛液で小さな突起やひだがぐっしょりと濡れ ている。指先を玲子のとろけそうな花弁の中に挿入する。玲子はやるせない声を上げ、 全身をくねらせ、狂ったように雄介の唇を求めた。愛液で濡れた小さな突起を指先でつ まみ、擦り、時には奥深く侵入させる。ほんの少しの愛撫で玲子は一度目の絶頂…弓な りの身体が小刻みに痙攣する…押し殺したようなやるせない声…雄介の胸に埋めた可愛 い顔…。雄介は玲子の足首をつかんで大きくふとももを開かせる。愛液がきらきらと輝 く。雄介は自分のそれを玲子の小さな突起に押しつけ、腰をゆっくりと動かした。 「はやく、いれて…」玲子の恥ずかしそうな声…。玲子のふとももを両腕で抱え、雄介 は座位のまま玲子に挿入する。腰をゆっくりと前後に揺らせながら、親指で小さな突起 を擦り上げると玲子の腰がぴくんと震える。玲子は二回目の絶頂に向けて坂を上り始め る。髪を乱して首を左右に振りながら、声にならない叫び…玲子の乱れた姿態を見おろ しながら、雄介も自分が徐々に高まっていく…両手で玲子の可愛い乳房をつかみ、こり っとした乳首をつまむ。時には覆いかぶさって玲子の唇を吸う。玲子はあえぎ声を上げ ながら雄介の口を吸い、背中に回した腕で雄介を抱きしめる。恥毛と恥毛が擦れ合い、 雄介は玲子を何度も何度も突き上げる。とろけるような快感が雄介を襲い始める。 「いっちゃう」玲子のむせぶような声が雄介の絶頂の引き金になった。止めどなく襲う 快感に雄介は玲子の肢体に折れ重なる。同時に訪れた絶頂に二人は激しく痙攣した。抱 きしめ合い、唇を奪い合いながら、雄介と玲子は互いの腰をくねらせる。精液が脈をう って玲子に注がれてゆく。そのたびに雄介の下半身が痙攣した。ぴったりと寄り添った 二人の肢体、身体を掃くように吹き抜ける爽やかな風、ひんやりとした冷気、宙を舞う 二人の狂おしいほどの快感、ありとあらゆるものが幾重にも重なり合っていた。そのう ちどれ一つとして欠けることが許されない…そんなシンフォニーを形成しているような 気がした。これがミルフィーユなのよ…雄介は玲子の囁きを聞いたような気がした。 雄介の少し柔らかくなった男性自身を玲子はそっと口に含んだ。何度も何度も絞るように口を上下させる…玲子は二人の激しかった行為の余韻を楽しんでいるようにも見え る。「うまいか?」と雄介は笑った。「うん」玲子は髪をかき上げながら「けど、ちょ っと苦い」と微笑む。「そうだ、ミルフィーユ食べる?」玲子はもう起きあがって、白 い男物のワイシャツを着ようとしていた。「とっておきのやつがあるんだ」白い歯を見 せて微笑む玲子の姿が次第にぼやけて、雄介は昼下がりの眠りに落ちていった…。 「完璧だわ」理知的な声が遠くで聞こえた。「ご気分はどうですか?」焦点が合うにし たがって雄介は眩しさで目をしばたたかせた。スポットライトが無数に埋め込まれた大 きな照明装置が雄介の眼前にある…手術台に寝かされている…頭部に奇妙な細い線が無 数に接続されている。 「綺麗な思い出ですね、とっても」理知的な声が耳元で聞こえた。「こんなに鮮明にリ ストアできたのは久しぶり…それに、すごく素敵な記憶だし。この仕事やっててよかっ たって、ほんとに久しぶりに思ったわ。いつもは安っぽくていやらしいメモリーのイン プットばかり…変態の金持ちの道楽につきあわされて、こんな仕事やめようって何度思 ったことか…」白衣を着た美形の女性が雄介を見おろしながら、立て続けにまくしたて る。「この記憶はもう二度と消えないんですね?」雄介はゆっくりと訊ねた。「二度と とは言い切れません…ただ普通より鮮明度が高いんです」白衣の女性は雄介の頭からワ イヤーを外しながら答える…特に、雄介の場合はこの思い出の記憶領域があせにくい左 脳の前頭葉側にあるので、かなり持続するだろうと続けた。脳の各部には領域毎にそれ ぞれ異なった記憶領域、知覚領域などがある…雄介がリストアした場所は記憶領域の中 でも一般的にもの覚えのよい部分らしい。 「本当に無害なんですね?」「ええ…ただ、記憶を書き換えてるから、最初のうちはニ ューロン伝達の一時的障害が起きる場合があるの」脳機能の伝達流通をつかさどるニュ ーロンが突如として大変化を遂げた領域に出くわして、あたふたする様を雄介は想像し た。いきつけの居酒屋が突如として高級クラブに変身してしまったように、ニューロン は居所が悪くて落ちつけない状態がしばらく続くらしい。「それに…記憶領域というの はありとあらゆるメモリーが高層ビルのように立体的に重なり合っているから、その途 中に前後の脈絡のない記憶を移植すると…」そこで白衣の女性は少し口ごもった。「こ こだけの話しだけど…たまに、そううつ症とか精神錯乱とかの精神障害を起こす人がい るわ。でも、あなたは大丈夫…亡くなった恋人との思い出を昇華させた形で記憶したい っていう強い意志があるから」ヴァーチャルメモリーの移植専門会社であるこの会社と の契約書には、精神錯乱などの機能障害はまったくないと書いてあったことを雄介はぼ んやりと想いだした。「…ここのとこずっとSM趣味とか、とにかく変態人間の娯楽し か移植しなかったから、きょうはあなたの仕事ができてほんとにうれしいの」と白衣の 女性は続けた。 「腹がへったな」と雄介は言った。 「わたしも」と白衣の女性は答えて、どこかに食事に出ましょうかと雄介を誘った。 「あなたのトリップに出てきた『ミルフィーユ』っていうの、ぜひ食べてみたいわ」 「あれは…正直言うと、あんまり好きじゃないんだ」 「いいの…食べるまでの過程が好きになったんだから」と女性は言って微笑んだ。
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