空中分解2 #1151の修正
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サーフィンをしたいとずっと思っていた。 波に運ばれる板の上に立つ、絶対に気持ちがいいに違いない、 そう思っていた。 しかし、日本ではまず手近なところでは波がない。波というものは ハワイやなんかのように何メートルもあるようないかにも人を運んで くれそうなパワフルなものでないといけない。 だから、日本ではウインドサーフィンが盛んである。 ウインドサーフィンは波がなくても風があれば遊べるので、甲子園浜を はじめ手近なところで楽しむことができる。 だが、あれはたいそうなスポーツでもある。でかいボード、長いマスト、 そんなものを浜辺で組み立てたりばらしたりと、手間が大変そうである。 また、道具一式を車の屋根に載せて走っているのは「いかにも」という 感じで好きではない。 なにしろ私はもう「おじさん」の部類に入る人間である。10代、20代 の連中にまじって何かと差別化、階層分化の好きな日本社会で後ろ指を さされないよう、さりげなく遊べなければいけない。 また、道具一式を置く場所がない。狭いアパート暮らしの身では あのような嵩張るものは困るのである。 浜辺で借りたりできればいいのだが、マリンスポーツの盛んな淡路島でも そういったレンタルはしていない。高い高いリゾートホテルに泊まれば別 なのだが。 でも波に乗る快感というイメージはずっと私の頭の中の一部を占めていて、 そこで発見したのがボディーサーフィンなのであった。 最初何で知ったのかは実はもう忘れてしまったのだが、小さい1メートル ちょっとの板に腹ばいになって波に乗ることができるというのである。 これはいい、なにしろ道具の持ち運びが簡単だ。車のトランクに楽に 収まるし、軽そうである。 「Flipper」とか数少ない雑誌を本屋で捜しあてて読んだりする 間に「板を買おう!」という気分が盛り上がっていった。 しかし、板捜しに苦労をした。大阪の「ings」や最近できた大阪駅の アウトドア専門店街では捜したけれども見つからなかった。 サーフボードショップに行けばあるのかも知れないが、そんな店は私の 生活範囲にはないし、ああいう「いかにも」という店にはおじさんには入り にくいのである。 夏が近付いてきたある日、東急ハンズにあるという情報が彼女から入った。 私は早速仕事を休んで神戸のハンズに行くと、3万円を奮発してボードと 専用の足ひれを買い込んだ。 そして勇んで夏真っ盛りの海岸へと赴いたのである。 しかし...やはり海岸には波がなかった。 日本の海水浴場は安全第一ということで、波を嫌っていることを発見した。 大抵は少し沖合いに一文字という堤防のようなものを設置して海水浴場を 一種のプールのようなものにしている。海にはただ浸かるというのが正統的な 海水浴で、潜ったり波に乗ったりという楽しみはそこにはない。 かくして勇んで買ったボードは友人や彼女との海水浴では浮き輪の代りに つかまってバチャバチャと泳いだり、ビーチマットがわりに上で寝そべったり という、情けない使い方をされていたのである。まあ、ボードの上に載るのも ボードというのは発泡スチロールが中に詰まっていてとても軽く、という ことはすぐにひっくり返ったりするのでなかなか難しく、その訓練にはなりは したが。 かくして、波に乗るというささやかな願いは今年もかなえられないまま、 夏は終ろうとしていた。 彼女とのこの夏最後のイベントは徳島のリゾートホテルで過ごすこと だった。8月も終りで泳ぐには遅いのであったが、予約が一杯でこのあたり しかホテルがとれなかったのである。 台風が前日に日本をかすめ雨がたくさん降った翌日の土曜、仕事を 済ませて港まで彼女を迎えに行き、高速道路にのり大鳴門橋を渡ると鳴門北 インターで下りる。 そこはもう海峡の海原であった。 目をやるとそこには波があった。 2メートルくらいの波が音をたてて海岸に打ち寄せている。 はやる気持ちを押えて私達はホテルに向った。 そしてはやる気持ちを押えてまずHをするとその日は日が暮れたので あった。 幸い、翌朝も快晴であった。はやる気持ちを押えてHをした後、チェック アウトして私達はようやく海へ向った。 海に入ってみると意外と暖かい。この夏一番暖かい海だ。 ボードに腹ばいになって波をかわしながら少し沖に出る。大きな波が 盛り上がり崩れ始めるあたりで波を待つ。 波がきた。足をばたばたさせて波をつかまえて乗ろうとする。 しかし、波は私を追い越していってしまう。 こつを掴めない。仕方なくフィンを脱いで足のたつあたりで波がくずれる タイミングに合わせて波に飛び乗るようにした。 波と一緒になって私の体はあっという間に浜辺へ運ばれていった。 やった。気持ちがいい。とにかく波に乗れたのである。嬉しい。 彼女を板に載せて波に合わせて押し出してやると、彼女も波に乗って 運ばれていった。 というわけで、ようやく夏も終ろうという頃、私の初期の目的は 達せられたのである。 乗った波はまだまだ小さくて、本当はもっと大きな波に乗って、しかも 波と直角ではなく斜めに乗らないと長く乗れないのだが。 ウエットスーツを着れば、秋になっても海で遊べると思うけど、 おじさんがそこまでするとちょっとやりすぎではないのか?などと思う 今日この頃。 今年の秋は波に乗る誘惑と世間体との綱引きになりそうである。 クエスト ..
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