空中分解2 #1127の修正
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○ 駅・プラットホーム 北室と春美が最初に出会った駅のプラットホーム。そ こに電車が到着し、北室が降り立つ。北室、横を向く とそこに春美の姿。春美は最初出会った時と何もかも 同じで、いつもの鞄にいつものセーラー服姿。ただ違 うのは春美の表情で明るく笑っている。 北 室「よお」 春 美「ここにくれば会えると思って……」 北 室「何かいいことがあったって顔だな」 春 美「(笑って)わかりますかあ?」 北 室「何があった?」 春 美「英語のテストで100点とったんです」 北 室「凄い快挙じゃないか」 春 美「それでパパとママが御褒美に何か買ってくれるんですって。 今日、今から待ち合わせして一緒に買い物に行くんです」 北 室「(驚き)お前さんの両親と一緒に?」 春 美「(きっぱりと)ええ、一緒に……」 ○ 同・改札口・外 北室と春美、歩きながら話している。 北 室「お前さんの親父さんはお母さんのことを許したんだな」 春 美「ええ」 北 室「それで……お前さんも許したのか?」 春 美「父が許したんだから私も許します」 北 室「そうか……いや実は心配してたんだ。はっきり言ってお前 さんがそう簡単に割り切れるとは思わなかったよ」 春 美「確かにいろいろありましたけど、今はもうどうでもいいん です」 北 室「どうでもいいって?」 春 美「北室さんに言われて、私ママやパパの人生を尊重しようっ て決めたし……」 北 室「別に俺やあのマスターの言った事なんて気にしなくったっ ていいんだよ。それに両親の仲がいいことにこしたことは ないじゃないか」 春 美「それはそうよ、もちろん。でも私、立場が逆になったらっ て考えたの。もしパパやママが私の人生を尊重せずに、私 の好きな人を認めたりしなかったらやっぱり嫌だもの」 北 室「(驚き)好きな人が出来たってことかい?」 春美、頷く。 北 室「もし、お前さんの両親に今の話を聞かせてやったらぶった おれるかもな」 春美、笑う。 北 室「大人の考え方になったんだな」 春 美「(立ち止まって)大人に見えますか?」 北 室「強くなったよ」 春 美「また何かあったら相談にのってくれますか?」 北 室「人に頼るのは子供の証拠だぞ」 春 美「私もう子供じゃありません!」 北 室「そうだ。だからもう俺がいなくても平気な筈だ」 春 美「それどういう意味?」 北 室「……アメリカ行きは明日なんだ」 春 美「(驚き)そんな!……そうなんですか」 北 室「せっかく友達になれたのに残念だな」 春 美「でもアメリカに行っても手紙のやりとりぐらいは出来るで しょう?」 北 室「(戸惑い)それは……まあ……ね」 春 美「書きます……私……」 春美、寂しそうな表情。 春 美「私、北室さんには感謝してるんです」 北 室「俺は大したことはしてないよ」 春 美「(元気良く)私もアメリカに行こうと思ってるんです」 北 室「前はアメリカは嫌いだって言わなかったっけか?」 春 美「(うろたえて)でも好きになったの!」 北 室「どういう心境の変化だい?」 春 美「それは……両親が仲直りしたんだもの。考えだって変わり ます」 北 室「アメリカへ行ってどうする?」 春 美「暮らすんですよ。そこで」 北 室「俺の考えじゃアメリカで暮らせる人間2種類しかいない。 1つはアメリカそのものが好きな事。もう1つはアメリカ に、親や兄弟、或いは……(言葉に詰まる)」 春 美「或いは?」 北 室「うん? まあとにかくアメリカに何か目的意識があるかっ て事だよ」 春 美「それだったらありますよ」 北 室「どんな目的?」 春 美「アメリカで私のただ一つの夢をかなえたいなあって思って ……」 北 室「そういえば前に言ってたな。お前さんのただ一つの夢って いうのは確か、本当に……」 北室、言いかけて言葉につまる。何かを悟ったような 驚きの表情。春美、恥ずかしそうにうつ向く。 北 室「本当に……それは……アメリカでなくちゃ出来ないことな のかい?」 春 美「ええ! その為に今英語を一生懸命勉強してるんです」 北 室「それで英語のテストで百点を?」 春 美「そういうわけじゃないんだけど」 北 室「(おそるおそる)……どんな夢だったっけ?」 春 美「もう教えてあげない!」 北 室「努力は認めるけど、外国で暮らすのは大変な事だぞ。英語 が出来るだけじゃ駄目だ。その国の習慣や風習になれなく ちゃならない。そう簡単にはいかないぞ」 春 美「わかってます。私、馬鹿なマネをしようとして北室さんに 御迷惑をかけたときから、いい加減な気持ちで行動するの はやめようって決めたばかりなんです」 北 室「それなのに簡単にアメリカで暮らすだって?」 春 美「(北室をまっすぐに見つめ)決していい加減な気持ちじゃ ありませんから」 北室、戸惑う。 北 室「(不機嫌そうに)努力が報われるとは限らないぞ」 春 美「(微笑んで)アメリカは努力が報われる国じゃなかったん ですか?」 北 室「(うろたえて)大人に向かって揚げ足なんかとりやがって ……」 春 美「北室さんは私の人生を尊重してくれないんですか?」 北 室「……いや! それはするさ……勿論……」 春 美「(つめ寄って)ホントに!」 北 室「(うろたえて)いや……だから、それは……」 春 美「(微笑んで)よかったあ!」 北室、怒り顔で春美を見据える。春美、少しショボン とした表情。 北 室「(微笑んで)……まあ、とにかく頑張れ」 春 美「(吹き出して)はい!」 北 室「しっかりな、お前さんの人生はこれからだ」 春 美「北室さんも……お身体に気をつけて」 北 室「それじゃあ、また」 北室、春美に手を振りながらタクシー乗り場の方に向 かう。 春 美「向こうについたら手紙下さいね!」 北室、春美に手を振りながら、その場を去って行く。 北室、タクシー乗り場につき、もう一度春美の方を見 ると、春美の父親の伸夫と母親の夏枝が春美のところ に来ている。親子三人は幸せそうで楽しく笑っている。 北室、それを見ながら微笑み、タクシーに乗り込む。 タクシー、走り出す。北室、タクシーの窓越しに春美 達を見るとそこには親子三人が幸せそうに肩を並べて 歩いている姿がある。北室、まだ春美達の方を見てい るが、やがて羨望と悲哀の混ざった表情をしながら正 面を向き、ため息をつく。 北室を乗せたタクシー、都会の渋滞の中に消えてゆく。 (スタッフ、キャストの全タイトル) (終) ※作者註 ・この作品においてのシナリオの書式はパソコン通信用に独自に考 えたものであり、一般のそれとは異なっております。 ・この作品はフィクションであり、実在の国家、企業、個人等とは 何の関係もありません。 ・この作品は、ID番号:GSA12589によるオリジナル作品 です。この作品の内容と類似する内容の作品を他に見受けられた としても、それはこの作品とは何の関係もないことを予め明示し ておきます。 ・このボードにアップしました一連のメッセージは著作物です。そ の著作権を侵害する行為(作者無承諾の、出版化、映像化、他ボ ードへの転載、内容の盗用、盗作等)は一切お断り致します。
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