空中分解2 #1126の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
○ 同・病院・外 先ほどの女が病院の門から出てくる。顔は帽子を深々 とかぶっているので見えない。女、病院から出てきて 病院の方を振り返って顔を上げると、それは白田夏枝 の顔。夏枝、病院の方をずっと見つめているが、やが て街の方へ歩き出す。その姿を病院の門の前に立って いる北室進悟が見送っている。北室、視線を再び夏枝 から病院の方へ戻す。そこへ佇んで煙草を吸い続ける 北室。 ○ 某駅前(夜) 北室が煙草を吸いながらそこに佇んでいる。北室が視 線を駅の方へやると、そこに真知子の姿。 北 室「(無表情)来たか」 真知子「(微笑んで)……ええ、……来たわ」 二人、沈黙。 北 室「(話難そうに)阿倍野の容体はどう?」 真知子「全治二週間。安静が必要だけど傷は大したことはないって ……」 北 室「……そうか……よかった」 再び、沈黙。 北 室「またこれからも看病を?」 真知子「ええ……」 北 室「そうか」 真知子「今日は阿倍野さんをたすけてくれたお礼をいいに来たの」 北 室「あいつのことで君がお礼をいうのか?」 真知子「……」 北 室「…自分勝手なようだけど…もう一度考え直してくれないか。 俺と一緒にアメリカへ来てくれ」 真知子、首を横に振る。 北 室「真知子……」 真知子「貴方ってアメリカみたいな人よね」 北 室「……」 真知子「生きていくのに誰の力も必要ない。一人で生きていける。 人に自分の考え方を押しつけて絶対に曲げようとしない」 北 室「別にそんなことはないさ。俺にはお前が必要なんだ」 真知子「私はそんな貴方の強さに今までひかれてきたけど、今の私 にはお互いにたすけあって生きていく人間が必要なんだっ てわかったの。その方が性に合ってるんだって悟ったのよ」 北 室「お前は怪我人に同情してるだけだろう。そんなのは本当の 愛じゃない」 真知子、呆れ顔で北室の顔を見る。 真知子「貴方には私達なんかよりこれからもっと大変な人生を送る 人だと思うの。でもそれは貴方一人でやっていってほしい のよ。私にはついていく自信がないの」 北 室「……」 真知子「貴方は将来絶対に凄い成功をすると思うわ。それに貴方は 私とするよりもっと幸せな結婚をする人だとも思う」 北 室「(苦笑して)本当にそう思ってるのか」 真知子「貴方のその堂々とした正面をみるとそれが見えてくるみた い」 北 室「よせよ。ばかばかしい」 真知子「私は貴方の後ろ姿しか似ていない人についていく事にした けど……でも大丈夫。心配しないで」 北 室「まるで嫁にいく前の俺の娘みたいな言い方だな」 二人、笑う。 北 室「これでおさらば?」 真知子、頷く。 北 室「そうか……」 真知子「ごめんなさい」 北 室「……いいんだ」 二人、沈黙。夜の街はネオンや車のヘッドライトで輝 いている。 真知子「……結局こうなっちゃったわね」 北 室「本当にな」 真知子「私達、長かったわね」 北 室「これからの方が長いさ」 真知子「そうよね……きっとそう」 二人、見つめ合う。 真知子「それじゃあ」 北 室「……ああ」 真知子「また会うことがあるかもしれないけど……」 北 室「けど……なんだ?」 真知子「その時には、いい友達になれてるわよ、私達」 北 室「(微笑み)そうだな」 真知子「頑張って」 北 室「君も」 真知子、去って行く。北室、その姿をいつまでも見送 っている。途中で真知子、振り返り北室に手を振る。 北室、軽く手を振りかえす。真知子、雑踏の中にまぎ れ、やがて見えなくなる。 ○ 歩道橋(夜) 北室、車のヘッドライトの洪水の中にいる。しばらく 考え事をしているが、やがてとぼとぼと歩き出す。
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