空中分解2 #1124の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
○ 今内商事・オフィス内 時計が正午を指している。阿倍野の机に北室が詰めよ る。 北 室「(険しい表情で阿倍野に)話がある」 ○ 同・屋上 北室と阿倍野が話している。 阿倍野「あんまりいい話じゃなさそうだな」 北 室「お前、本当に真知子と付き合う気があるのか?」 阿倍野「ああ、何故だ?」 北 室「本気で真知子を愛してるんだろうな」 阿倍野「そうだよ! 何故だ!」 北 室「じゃあなんでまた白田夏枝と会ったりするんだ!」 阿倍野「(驚く)なんで……お前がその名前を知ってるんだ?」 北 室「この前のお前みたいにあてずっぽうだと思うか?」 阿倍野「…………」 北 室「俺は真知子と付き合うんだったら前の恋人とはきっぱり清 算しろと何回も言ったよな」 阿倍野「(険しい表情)ああ、だからそうする為に会いに行ってた んだよ!」 北 室「へえ、別れ話をするのに夕方から呼び出して夜中の十二時 過ぎまで彼女を引き留めたのか?」 阿倍野、信じられないっと言った顔で北室を見る。 阿倍野「何でそんな事まで……」 北 室「とにかくもうこれ以上お前が浮気をしながら真知子と付き 合っていくのを黙って見てられないよ」 阿倍野「どうする気だ?」 北 室「……真知子に話す」 二人、沈黙。 阿倍野「(開き直り)分かったよ。じゃあ勝手にそうすればいいだ ろう」 北 室「……阿倍野」 阿倍野「なんだかんだ言いながらも結局お前も真知子さんとよりを 戻したいんだろう?」 北 室「勘違いするな。お前みたいな甘ったれ屋のゲス野郎とは突 き合わせたくないだけだ」 阿倍野「(険しい表情)言ってくれるじゃないか」 北 室「言われて悔しかったらもっときっちりしたらどうだ?」 北室、阿倍野の襟首を掴む。阿倍野、自嘲的に笑う。 阿倍野「俺だって決めれるものだったら決めたいよ」 北 室「じゃあ何故決めない?」 阿倍野「真知子さんが俺についてきてくれるとは限らないしな……」 北 室「何言ってるんだ。現にお前は真知子と付き合ってるじゃな いか」 阿倍野「だけどやっぱり真知子さんはお前の事が忘れられないみた いだぜ」 北 室「…………」 阿倍野「真知子さんの為に俺が夏枝と別れる。しかし真知子さんは まだお前に未練があっって二人はよりを戻す。結局は俺が 夏枝と別れるだけで終わるってわけだよ」 北室、阿倍野を離す。 北 室「お前は根性無しすぎるぜ」 阿倍野「はっきり言ってお前が憎い。お前がこの世にいなければど んなにいいか……」 二人、沈黙。阿倍野、屋上のフェンスに肘を掛け、風 景を眺める。北室、何か考えている。 北 室「……俺がこの世からいなくなるのは無理だよ。……だが少 なくともこの日本の国からいなくなる事は出来るよ」 阿倍野「なんだって?」 ○ ジャズクラブ・ソールトレイン 北室がカウンターでマスターの川原と話している。 川 原「それでお前さんがサンディエゴに派遣されるって事を言っ たのかい?」 北 室「ああ」 川 原「それでその事を真知子さんにも話に行くのかい?」 北 室「そうだ」 川 原「彼女はどう言うかな?」 北 室「あいつは何もいいやしないよ。あいつプライドの高い女だ。 自分から復縁話をもちかけたりはしない。絶対に」 川 原「まあそれはそうだろうけど」 北 室「今度久々に俺と会って、俺の口から復縁話が出るのをあい つは待ってる。でもそこで俺がアメリカに行くって話をし たら、俺の心はあいつにはないんだと完璧に悟るだろう。 俺の事は諦めて阿倍野とうまくやっていく筈さ」 川 原「……それで出来るのかい?」 北 室「(キョトンとして)何がだい?」 川 原「だからだ……ちゃんとアメリカへ行くって事を言ってだ… …ちゃんとお別れして来れるかって事だよ」 北 室「(怒って)人の話をどういうふうに聞いてたんだい!」 川 原「お前さんの気持ちはどうなんだい?」 北 室「……俺の気持ちがどうだってんだ」 川 原「……別れた女に未練はないのか?」 北 室「何を言うかと思ったら……」 川 原「どうなんだ?」 北 室「……ないね」 川 原「……そうか」 川原、皿を洗い始める。 北 室「マスター、俺は一度別れた女とやり直そうなんてこれっぽ っちも思っちゃいねえよ。俺にとって一番大事なのは真知 子の事じゃねえ。俺自身のこれからの事さ」 川 原「ほほう」 北 室「別れた女とやり直したいなんて一人じゃ生きて行けない弱 い人間の言う事だよ」 川 原「大層な御講釈だな」 北 室「でも俺は違う。俺は自分が強い人間だって事がわかってる からな。一人でも十分生きて行けるんだよ。そうなんだよ!」 ○ ある喫茶店(夕方) 真知子が先に来ている。そこへ北室がやってくる。 真知子「久しぶりね」 北 室「久しぶりだな」 真知子「阿倍野さんが話を聞いてこいって言ったからきたんだけど ……」 北 室「大事な話なんだ」 真知子「なんなの?」 北 室「俺にとって念願の日がやってきたんだ」 真知子「何?」 北 室「いよいよ、俺はアメリカに出発する」 真知子、ショックを受けた表情。 真知子「(驚き)本当に!」 北 室「サンディエゴで人材が一人欠けたんだ。 俺が代わりに行 く事になった」 真知子「(動揺している)そ、そう、そうなの……」 真知子、少し目が涙に潤んできている。北室もそれを 見て、険しい表情。 真知子「よかったじゃない。アメリカ行きは貴方の念願だったもの ね……」 真知子、ますます目が潤む。北室、真剣な表情でそれ を見守っている。 真知子「そう……そうなの……それで今日はさよならを言いに来た のね。永遠のさよならを……」 北 室「…………違う……」 真知子「違うって?」 北 室「……俺と一緒についてきて欲しいんだ」 北室、自分の言葉に自分で驚いている。 真知子「(驚き)本気で言ってるの?」 北 室「本気だ」 真知子「……貴方って……勝手すぎるわ」 北 室「ついこの前までは自分を偽って君を愛してきた。今では自 分を偽って君と別れてる」 真知子「もっと早く聞きたかった……」 北 室「今からでもまだ間に合う」 真知子「無茶よ」 北 室「阿倍野の事は俺がなんとかする。後は君が正直な気持ちを 聞かせてくれればいい」 真知子「駄目よ 私達もう終わったのよ」 北室、真知子の手を握る。 北 室「お前次第だ」
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