空中分解2 #1121の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
○ 今内商事・部長室の前 北室が部長室から出てくる増田と対面する。 増 田「よう北室君。今からの会議でサンディエゴの件は君に任せ ようと提案するつもりだ」 北 室「実はその件の事なんですが……」 増 田「何だね?」 北室、言い難そうにしている。 増 田「まさか辞退するなんて言うんじゃないだろうね?」 北 室「いえ、決してそんな事は……」 増 田「じゃ何だね?」 北 室「……いえ、別になんでもありません」 ○ 同・営業三課室内 北室、自分の机の上で頬杖をついている。そこへ阿倍 野がコートを脱ぎながら帰って来る。二人、一瞬目を 合わすが、すぐにそらす。 ○ 同・外 春美、寒い中を佇んでいる。 ○ 同・営業三課室内・数時間後 時計が五時をまわり、社員の何人かは帰宅の準備。阿 倍野、椅子にコートをかけたまま、オフィスを出る。 ○ 同・外 春美、まだそこに佇んでいる。何気なくビルの入り口 の反対方向の方を見るとそこに小さな女の子を連れた 親子三人連れが見える。親子はとても幸せそうで楽し く笑っている。春美、それを羨望と悲哀の混ざった表 情で見ながらため息をつく。春美が親子に気を取られ ている間に阿倍野、入り口から出てきて通りの向こう に消える。春美は全く気付く様子がない。 ○ 同・営業三課室内 青田直子が窓の外を見る。 直 子「雨かしら?」 北 室「(窓までやってきて)雨が振ってきてるのかい?」 北室、窓の外を見る。 北 室「霧雨程度だ」 直 子「北室さん、傘持ってきました?」 北 室「こんな小雨じゃあ降ってる内に入らないよ」 直 子「でも寒いし、濡れると風邪をひきますよ」 北 室「大げさだな」 直 子「あれは阿倍野さんのコートかしら?」 直子、阿倍野の机のコートを取りにいく。 直 子「北室さん、このコート借りていっちゃえば? 阿倍野さん はもう帰っちゃったみたいだし」 北 室「別にいいよ」 直 子「駄目駄目、最近悪い風邪が流行ってるんだから」 直子、北室に無理にコートを着させる。 直 子「北室さんて白も似合ってるのね」 北 室「勝手に借りていっていいのかな?」 直 子「明日の朝に返しておけば大丈夫よ」 北 室「それじゃあ着て帰るよ。また明日」 ○ 同・外(小雨) 春美、寒くて震えながら、まだ佇んでいる。そこへ阿 倍野のコートを着た北室が出て来て、通りの向こうへ 行く。春美、振り返り、阿倍野の後ろ姿とそっくりな 北室のそれを見る。春美、その後を尾ける。広い道路 では距離を於いている。北室と春美、しばらく歩き続 ける。やがて北室、裏通りの狭い道を歩く。春美、恐 怖の表情で鞄の中のナイフを握り締める。北室と春美 の間隔、段々狭まっていく。春美、足音をたてないよ うにして近づいていく。北室のま後ろに来て春美、ナ イフを構える。その時学生鞄の鈴の音がちゃりんとな り、北室、その音で振り返る。春美、その顔が阿倍野 でなく、北室であるのを知り、驚きの表情。あまりの 驚きにナイフを落とし、学生鞄も落としてしまう。北 室、その姿を見て呆然としている。春美、半泣きにな りながらワナワナ震えだし、鞄のみを拾ってその場を 逃げ出す。 北 室「おい。お前さんは!……」 北室、地面を見おろすとそこに封書がある。北室、そ れを拾って、少女の去る方向を少し見て険しい表情を し、意を決して、封を破り、中の手紙を読む。北室の 表情、青ざめる。 ○ 街中 北室、あちこち走り回り、春美を探している。 春美のN「パパとママへ 恐らくこの手紙が読まれている頃には私 は死んでいるでしょう。私はいつも二人が仲直りするのを 願ってきました。でもパパは仕事ばかりでママには無関心、 ママはその寂しさから、愛情を他の男の人に向けるように なりました」 北室、高い高層ビルを見上げる。 春美のN「私は何度も二人に別れないようお願いしました。しかし 二人ともお互いへの拘りから許そうとしません。私は二人 の不仲から将来を悲観するようになりました。そしてとう とう自ら命を絶とうと決心したのです。私は小さい頃、三 人でよく買い物に行ったあの時だけを記憶を胸にとどめな がら死にたいと思います」 北室、春美を捜すあまり車道から飛び出し、車にひか れかける。 春美のN「死ぬ前に何か二人にしてやれる事はないかと考えました。 それは二人の喧嘩の原因になってるあの阿倍野という人を 道連れにする事です。私とその人が旅立った後はどうぞ私 の事など気にせずまた前のような家庭、新しい幸せな家庭 を二人で築いていって下さい。さようなら。白田春美」 北室、どこを捜しても春美を見つけられない。途方に くれる。その時遠くから列車の音がする。 ○ 歩道橋 下には電車の軌道がある。そこに春美が佇んでいる。 遠くから列車がやってくる。春美、息を飲む。列車、 近づいてくる。列車、真下まで来た時、春美、身を乗 り出す。上半身が降りかけた時、突然背中の服の生地 を掴む手がある。春美、北室に引き戻されている。春 美、北室から離れようともがく。その下を列車が通過 する。北室、春美を歩道橋の内側まで戻し、春美、泣 きながらばたばたと暴れる。やがて春美、北室の服を 掴んで暴れるのを止め、泣きじゃくり始める。北室、 自分の胸にしっかりと春美を抱きしめる。
メールアドレス
パスワード
※書き込みにはメールアドレスの登録が必要です。
まだアドレスを登録してない方はこちらへ
メールアドレス登録
アドレスとパスワードをブラウザに記憶させる
メッセージを削除する
「空中分解2」一覧
オプション検索
利用者登録
アドレス・ハンドル変更
TOP PAGE