空中分解2 #1063の修正
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昼下がりの午後,主婦がてんぷら料理を作っている。もうすぐ御主人が帰宅する時刻だ。今日は愛する主人のため,いつもより念入りに料理を作る。 てんぷら油がジュウジュウと音をたてて,彼女の顔に熱を浴びせる。そのせいで彼女は汗まみれだ。ラジオからは異常乾燥注意報を告げるアナウンサーの声,そして美空ひばりのリクエスト曲が流れてきた。彼女は足でリズムを取る。はなうた混じりで,楽しそうに料理をつくる。生後1月のぼうやは,すやすやと睡眠中だ。小さい鼻がピクピク動く。ぼうやは口元をちょっとゆるめて,微笑んで寝ている。楽しい夢でも見ているのだろうか。 寝返りを打って,ぼうやはくりくりした目を開けた。 ママがいない。不安になったぼうやは,突然泣きだした。 オギャー,オギャー。 「はーい,ちょっと待ってね!」 主婦は赤ん坊の寝ているベビーベッドに急いだ。 「はい,ミルクですよ。」主婦の乳房をしゃぶったぼうやは急におとなしくなった。 「いい子だねえ…よちよち…」 次の瞬間,突然炎が舞い上がった。てんぷら油に火がついて,その炎はあっと言う間に天井を包んだ。 どうしよう!?主婦の思考回路は混乱して,どうすればいいのか判断出来なかった。 赤ん坊は炎にびっくりして,大声で泣き叫んだ。 主婦は消火器を手に取ったが,普段いじり馴れないものだからひどくもたついた。 「ああー!!どうしよう,どうしよう!!」 消火器から勢いよく白い粉がふきだした。すでに火は周囲を包んで勢いよく燃えている。カーテンや壁紙から煙がもうもうと立ちこめ,そのせいで彼女には何も見えなかった。 懸命になって主婦は消火しようとしたのだがもう遅かった。 御主人が火事の事を知ったのは,家に帰る途中であった。近所に住むおばあさんが血相を変えて事件の顛末を語ってくれたのだ。 「嘘だろう!?」 彼が自宅に到着すると,すぐにそれは嘘では無いことが証明された。 炎が自宅を焼いていた。 そして,彼の奥さんと,かわいい赤ちゃんを焼いていた。 彼は呆然とその炎に見入っていた。語る言葉など無かった。 いろいろな思い出が頭をよぎる。苦労して手にいれたマイホーム。愛する妻,妻との結 婚式。彼の初めての息子のにこやかな微笑み。炎の中に,息子が見えた。 呆然と彼は炎を見ていた。 鎮火後。 真っ黒に焼けた焼死体が二体,火事現場で発見された。 END バックドラフトみた記念
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