空中分解2 #1020の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
〜対決〜 「今日こそは、今日こそは奴を倒す!」 静けさが支配する部屋。装飾などはいっさいなく、簡素だが安眠を約束してくれる ベッド、彼の持物を全て収めてくれる棚、そして彼にとってもっとも大切な商売道具 を収めてくれるラック以外は何もない。 強靱な肉体。全てを粉するごとき剣。そして精悍な顔つき。彼はその『時』が来る のを待ちわびていた。が、その待ち時間は彼にとって気持ちいいものであった。待て ば待つほどテンションが高くなり、倒す自信が溢れるほど大きくなる。しかしその待 ち時間も不意に終わった。 「ファルレ、時間だ!」 * * * 「...やっとこの傷の仇を取る時が来たようだな」 喧噪。派手に飾り立てられた部屋。その部屋には10数人の男達がそれぞれの思い を話し、時には笑い、時には怒号が響いていた。そんな中、1人の男は自分の剣の手 入れをしていた。かすかに冷気が覆う剣。男の自慢の一品だった。 男は細身な体で、その部屋の男達と比べれば貧弱にも見えた。しかしその部屋の中 に居て、彼は他の男達を圧倒していた。肉体的ではなく精神的に。が、圧倒しながら も彼は冷静にある事を分析していた。その冷静さは自分の命をも計算の要素の1つと している。しかし彼はその計算を終了せざるえなかった。 「エルモスさん、時間です! 」 * * * やれ〜! 殺せ〜! そんな怒声がその場を支配していた。円形の建物の周りには席が誂えられ、演出の 効果をより高めていた。そんな中、1人の着飾った男が立ち上がり、高々と声を上げ た。 「これより本日のメインイベントに移ります! まず左手から登場いたしますのが 巨人殺しのファルレ! そして右手から登場いたいしますのがこの闘技場のチャンピ オン、アンデッドハンターのエルモス! なお、この対決は以前にも行われ、その勝 負はエルモスの勝利で決着しております! では最高王(ハイ・キング)、ガウウェ ル3世のお言葉をお聞きください! 」 その言葉に、特別に誂えられた観覧席にいる真っ赤なローブを見につけた若き人物 が立ち上がった。若いがその顔には威厳が溢れるほど刻まれており、その事が人々を 一層引きつけていた。 「この試合、勝った方には自由が約束されている! その事を心え、ぜひ全力だ出 して戦ってくれ! 」 その宣言の後、2人の戦士が正反対の方向から現れた。ファルレは完全武装でその 場に現れた。見るからに重いプレート・アーマー、並の戦士では両手を使っても扱え ないグレート・ソード(ファルレはこれを片手で持っている)、そして少年位のサイ ズなら簡単に全身を覆ってしまう程のタワーシールド。『重戦車』という表現が彼に は最も合っていた。 一方、エルモスはファルレの剣から見ればオモチャのようなブロード・ソード、そ して鎧は身軽さを疎外しないレザー・アーマー。盾は持っていない。まさしく一撃必 殺の構えだ。 壮大なる闘技場の中央で、2人の『男』は向き合っていた。緊張は最高潮にまで達 していた。その緊張を破るかのようにさきほど2人を紹介した男が再び立ち上がった。 見下すかのような視線。しかし2人は完全に無視していた。が、その男の声だけは両 者とも聞いていた。 「始め! 」 バ! と2人の剣からオーラが発せられる。エルモスはその予想外の出来事に動揺 させられたが、意を決すと、一気に突っ込んでいった。 「この傷の仇、討たせてもらう! 」 な...と今度はファルレの方が動揺した。やられる...と思ったが、ファルレ の体は動いていた。剣で相手の攻撃を受け流す。が、ここでまたもや意外な事が起こ った。双方の剣がぶつかったと同時にボロボロに崩れさったのだ。 「これでは戦えまい...」 王はこの戦いの一時中断を宣言しようとした。しかし2人はその全ての武装を捨て 去った。上半身の下着も捨て去り、上半身裸の状態で今度は肉弾戦を仕掛けた。 観客は、王も含めて、完全に沈黙してしまった。闘技場に響くのは肉と骨がぶつか り合う音のみだ。エルモスはヒット・アンド・アウェイで、そしてファルレは一撃一 撃に渾身の力を込めて。しかし2人は殴り合うにつれ、お互いに共通する物を見てい た。虚しさ、寂しさ、悲しさ。2人は強さを極めんとした。が、その結果はこれら感 情を生むばかりだった。もう、こんな戦いは止めたい... 「そろそろこの戦い、終わりにしようじゃないか」 エルモスはそう言い放った。ファルレはその声に頷き、再び対峙した。最初、この 闘技場に入ってきた時のように。 その静寂がどれだけ続いただろうか? その時にはすでに、2人の意識はもう無か ったのかも知れない。しかし『男』としての意地、そしてプライドが体を動かしてい た。右腕に残り全ての力が流れ込んで行く。大きく振り上げ、一気に前に押し出す。 2人の腕は矢、いや流星の如く放たれた、互いの頬に向けて。 ガン! 狙いはたがわず、見事に命中した、同時に。2人の『男』はお互いにもた れかかるように母なる大地へと崩れ落ちた。 「終わったか」 王はため息混じりに言った。その声は、あきらかに落胆していた。 人間には、多数派を支持し、少数派を無視するという性がある。2人の『男』はそ んな性の犠牲にされた。 「え〜、次の開催日は...」 PC-VAN: XPG27823 WAVE-NET: WAV012 KA
メールアドレス
パスワード
※書き込みにはメールアドレスの登録が必要です。
まだアドレスを登録してない方はこちらへ
メールアドレス登録
アドレスとパスワードをブラウザに記憶させる
メッセージを削除する
「空中分解2」一覧
オプション検索
利用者登録
アドレス・ハンドル変更
TOP PAGE