空中分解2 #0816の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
∴ もう一つの冒頭 ∴ 前述の通り、2はけっきょく書かず終いになってしまったのですが、残りの作 品を書いていくにしたがって、実はますますその重要性は増していってしまった のです。何故なら、2は1を拡大・補強する作品であり、2にしか登場しない人 物がかなりいるからなのです。その中でも特に重要な人物としては、ESP部前 部長の秋坂ゆう、演劇部部長の阿蒙弥生、病院院長の大滝由一と言ったあたりが おり、こう言った人物を抜きにしては語れない作品がいくつもあります。そこで、 2をもう一度書こうと決心したのですが……………結局はまた冒頭だけになって しまいました。(笑) ----------------------------------------------------------------------------- 「何でこうなるの…………」 私、炎城綾。 比較的大人しいはずの私ですが、生徒会長の榊さんの誘いもあって、いま体育祭の種 目とかについての会議にでています。 会議です。 真面目な会議のはずです。 が………………何故か、ネオンのきらめく町で宴会しています………… 「おーーーーーい、誰か歌えーーー!」 いま叫んだのは、会長の榊さん。 <万能>という言葉がとっても似合う人。 私はいまだにこの人の欠点が捜せない。 180以上の長身で、優しそうな瞳と笑顔が特徴。 「はい! 1番、岡田由岐。 松田○子の<青い珊瑚礁>歌います!」 書記の岡田由岐さん。 150もないぐらいでちょっと小柄なんだけど、短めに切った髪とメガネが妙にボー イッシュで、なかなか可愛い。 コンピューターの技術が凄く、学園の情報の一切を取り仕切っているらしいんだけど、 今顔を真っ赤にして歌っている彼女からは、想像もできない。 「どーーーしたのぉーー? あっやちゃーーん………暗いわよぉーーー?」 あっ、だめだ。彼女まで酔ってる。 私は再度落ち込んだ。 いま私に寄り掛かってきた彼女は、私のルームメイトの柳瀬沙羅さん。 剣道部の部長をやっていて、インターハイで全国優勝しているという恐ろしい人。 腰より下まできている長い髪と、大きな丸い瞳をしていて、結構な美人。 いろんな事を教えてくれる優しいお姉さんのような人なんだけど………今はすっかり 酔っている様ね……………。 他にも、情報部の未杉清隆君。演劇部の阿望弥生さん。制作部の斉藤徹さんがいる。 私を除いた6人、みんな顔を真っ赤にして酔っぱらっている。 盛り上がりも今が最高潮。 酔っていない私は一人、周りの視線が背中にいたい。 うーーーん、由岐さんは結構歌うまいんだけど、この周りではやし立てるみんな、ど うにかならないかしらん。 そんな時、店内に女性の甲高い声が響いた。 「止めてください!」 私も言おうかと思ったけど、私の声じゃない。 私は声のした方向を見、すぐに顔を戻した。 やだーーーーーー、やっちゃんだ………… 恐いやっちゃんは何があったのか、辺りの机を蹴り出した。 「いいかげにしろよぉー……………どついたろかぁーーー!!!」 一変に店内は静かになっ………………らない。 私の緊張感は一気にそがれ、がくっときてしまった。 もう、勇気があると言うかなんと言うか、ここはいまだに盛り上がっている。 のりにのっちゃって、ただ今2コーラスの最後を由岐ちゃん歌っている。 店内にBGMの様に、由岐ちゃんの声が響く。 うーーーん、うまいわぁーーー…………と感心している暇ではない。 私はそーーーーっと後ろを見た。 どうやら、女子店員がころんで、やっちゃんの服にスパゲッティでもぶっかけてしま ったようだ………。怒るわな。そりゃあ………。 「え!! どーしてくれるんだ! この服、どーしてくれんだ?」 女子店員と店長らしき人が平謝りしている。 BGMはもちろん、由岐さんの歌。 どうも、緊張感と言うものに欠ける。 向こう側はしばらく沈黙が続いている様子だった。 やがて、歌も終わり、最後の伴奏が流れ終わる。 「どうも、有難うございました!」 由岐さんが歌い終わると、みんなは拍手をした。 その拍手に軽く頭を下げ、由岐さんは元の席に座った。 頬を上気させ、気分は上々の御様子。 おそらく、何にも気付いてないんだろうな……… 私は、ため息をついた。 その時、横にいた沙羅さんが、いきなり立ち上がった。 「2番! 柳瀬沙羅! やっちゃん、倒してきます!」 「おおっーー!」とばかりに、みんな拍手。 「え!?」と驚く私。 そして沙羅さんは、顔を真っ赤にして、やっちゃんの所によろよろと歩いて行った。 手にはいつでも離さず持っている木刀が、しっかり握られている。 「こらぁーーー、おまえらぁーーーー」 沙羅の事に気付いたやっちゃん二人が、振り向いた。 振り向いた顔には、(酔っているな、こいつ)とでもいいたげな、面倒くさそうな表 情をしていた。 ああ! できることなら、逃げて欲しい! もちろん、やくざさん! 沙羅さんは得意下に笑みを浮かべ、木刀を構えた。 しかし、顔を真っ赤にし、ちょっとふらついている彼女など、やっちゃんからは − −−−− いや、おそらく店の人全員にとっても、どきっとするほど魅力的な一人の 女としか映っていない。 やっちゃんもそれを知ってか、さっきの顔とは一転し好色そうな笑みを浮かべ、沙羅 に近寄って行った。 沙羅は、ちょっとふらつきながらも言った。 「お前等なんかぁーーー、成敗しちゃる…………ウィック!」 「あーあ、ねちゃった………………」 演劇部の弥生さんが、ため息をつきながら、床に寝てしまった沙羅さんを抱き上げる。 「むにゃあ……?」 「ほっらーーー………沙羅さん、大丈夫?」 「だあーいじょーぶ。だあーいじょーぶ…………おっと」 「ほら、急に動いたんで、すぐに酔いが回ったのよ………ほら、しっかり」 沙羅は、弥生さんに肩を借りながら歩こうとしたけれども、足が出ない。 「だっめだーーーーあーっるけなぁあーい。こら、さいとぉーーー…………………… ……………おぶってけ…」 有無を言わせね最後の語調に、斉藤は素直にしたがい、沙羅をおんぶする。 すぐに沙羅はそのまま寝入ってしまった。 「寝たか………これで、少しは静かだ」 斉藤さんはため息まじりに言うと、冷静な顔で出口の方に歩いていった。 その後ろに、一刀両断のもとに切り捨てられたやっちゃんたちを残して………。 榊さんは、御礼を言っている店主たちに「いやいや、何のその」と受け答えしながら、 出口の方にゆっくり歩いてきた。 由岐さんも未杉さんも上機嫌の様子で、まださっきの喧嘩に覚めやらぬ私を押し出し て、外に出る。 榊さんは、なにやら最後まで御礼に受け答えしていて、弥生さんと一緒に最後に出て きた。 御礼等はいっさい受け取ってきてなかったし、名前を聞かれても教えなかったと言う。 紳士だ……私はこのとき、本当に榊さんを尊敬した。 そのことを言うと、榊さんはにっこりと笑い返してくれた。 何も驕った様子のない、この笑みが何とも魅力的で、人を引きつける。 本当に、尊敬に値する人だ…………。 私はしばらく、喜んでいる榊さんを誉めちぎった。 が…………、誉めちぎっているその途中で、何か一抹の不安を憶えた。 何か、この笑みには裏があるような気がする…………。 何か…………騙されてないかしら……………。 「店長……………」 「おっ、なんだ?」 やっちゃんを追い払い、御礼もしなくてすんだ店長は、顔に笑みを浮かべなが振り向 いた。 会計をやっている女子店員は、<16万>と書いてあるレシートをおずおずと店長に みせる。 「さっきの人達…………食い逃げじゃないでしょうか……………」 だから、榊は<名前を聞かれても、教えなかった>とか……。 店長の血の気がゆっくりと、ひいていった。 その頃、榊は綾の誉め言葉を聞きながら、一人笑顔を浮かべていた。 彼はしたたかな人だと言うことを、最後につけ加えておきます………。 -----------------------------------------------------------------------------
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