空中分解2 #0801の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
「よし!」 元気よく言うと、綾は少し厚着をして外に出て行った。 外は少し寒かった。 寮の裏にある公園のような所を綾は歩いた。 けっこう周りに木がある小道をゆっくり歩く。 時々風が吹き、枯葉が舞った。 綾のはく息がしろい。 「さむーい」 綾は少し歩く速度をあげた。 さてそのころ二人の侵入者は、素直な阿修伽によって本当にごみ箱に捨てられ、気絶 したままそこで一晩を過ごす事になった。 ついさっき、太い方が目を覚まし、細い方をたたき起こした。 「おい、起きろよ……はやく戻ろう……」 と情けない声でいい、二人は肩をよりそいながら、よろよろと歩き出した。 「あら?」 すっかりマラソンになっていた綾が速度をおとした。 ボロボロの服を着た二人を見つけたからである。 二人が同時に倒れると、綾は駆け寄って行った。 「大丈夫ですか?」 綾は優しく声をかけた。 「あっ、ありがとう…………」 二人は支え合いながら立ち上がり、またヨロヨロと歩き出した。 綾は二人の間に入り肩をかした。 「あっ、すいません……」 「いいんですよ。どこに行かれるんですか?」 「正門に……」 といって三人は歩きだした。 綾は勿論の事、二人もお互いが敵同士である事に気付いていない。 それどころか、二人は初めて優しくしてもらったらしく、おもわず涙を流している。 三人は正門着いた。 綾は中からなら開けられる小さな扉を開けて、外に出た。 「あっ、ここでいいです」 と太い方が言うと、綾はそっと肩をはずし、向かい合うかたちになった。 ここで、綾と二人は初めて顔をあわせた。 二人はお礼を言おうと思って、泣き顔をあげ、綾を見た。そしてその姿のまま硬直し た。 綾はにこにこ笑っている。そうあの写真のように。 二人の頭の中で、目の前の人物と写真の顔がオーバーラップする。 「あの……もしかして……炎城綾さんでいらっしゃいますか?」 「ハイッ、そうですけど」 「ちょっと、ちょっと待っててください」 やや焦り気味の太い方が細い方をひっぱって少しはなれたところで話し始めた。 「どうしますか?兄貴」 「どうするったて、おまえ。そりゃ誘拐するしかないだろう。やっぱり」 「そんな……あんな優しくて、かわいい子をですか?」 「……でもな、そうしなくちゃ俺達の命が危ない」 「そりゃそうですけど」 細い方が、綾を見た。 綾はにっこり微笑み返した。 「俺もつらいんだ。とにかくやろう。いいな?」 「へい……」 話が終ると、二人は再び綾の所に行った。 「すいません」 といって一礼すると、二人は綾に襲いかかった。 「キャッ!」 小さな悲鳴を残して、綾は寝かされてしまった。 さて、この悲鳴は誰にも聞かれなかったわけではない。 そこから3kmほどある、男子寮でその声を聞いた者がいた。 そう御影である。 銃や、トンファー、ヌンチャク、弾薬などが転がっている部屋で御影はむくりと体を 起こした。 目の焦点があっていないが、体は動きだしていた。 どうやら頭はすっかり寝ているようだった。 その動く姿はほとんどロボットのようだった。 御影はその格好のまま、といっても、いつもと変わらぬ格好だが、で窓を開け飛び降 りた。 ここは3階だったが苦もなく着地すると、そのまま声のした方向へ走りだした。 バイクをつかえば速いのに、本能で動いているため、そんな事には気付かなかった。 「そーっとだぞ、そーっと」 ふたりはすっかり眠った綾を、車の中に運んだ。 そして後ろの席に寝かせると、二人は前の席に乗り、車を走らせた。 さて、一分たったころ、御影が正門に現れた。 車は遥か彼方だった。 普通ならここであきらめるが、御影は普通ではない。 くわえて、本能で動いている。 よってそのまま走りだした。 「兄貴、なんか見えますぜ」 細い方の男がサイドミラーを見ていった。 「ん?」 といって太い方が後ろを見た。 「人……か?」 それはもうもうと砂煙をたて、60kmで走っている車に追い付こうとしていた。 「おい……」 太い方が細い方を肘でこづいた。 「あっ、はい……」 というと細い方は速度を上げた。 時速80km。 まだ近付いてくる。 メーターの針はさらに上がった。 時速110km。 車の揺れが激しくなる。 「くそー」 しかし嬉しいことに御影は速度を落とした。 「やった、速度落としましたぜ」 しかし、これはけっして逃げきれたという意味ではなかった。 御影はMX−4を取り出した。 そして車を狙う。 しかし折りも折り、抵抗力でもついたのか、その時、綾が起きたのである。 御影はそれ見て、ためらい、そして撃つ機会をなくした。 「あらっ、ここ……」 綾はこう言うと、また倒れてしまった。 まだ麻酔の効果はきれていなかった。 「すいません、少しつき合ってもらいます」 太い方が言った。 御影は立ち尽くしていた、そしてその頃やっと目が覚めた。 「くそっ、やつらめ……」 御影は呟いた。 御影の瞳はいつの間にか、青色から赤色に変わっていた。 この時から、御影の奪回作戦が始まった。 ACT 11 出発 喜多川一郎 < キタガワ イチロウ > 北村校長の世界対戦からのライバル。いま、校長とおなじように大企業を経営して いる。 白百合館、3階。 312号室 芹沢美那、芹沢菜緒 御影はドアを叩いた。 「ハイ」 ドアが開く。 「あら、せーくん。おはよ」 紺のブレザーを着た、美那が出て来た。 中では菜緒がコートをはおっている。 「御影君、おはよー。なかなか愉快な格好してるね」 愉快と呼べるかどうか知らないが、御影はいつもとは違う格好をしていた。 都市迷彩の服に、胸に手榴弾を3つ、腰にMX−4とナイフ。M−16ライフルを背 中にまわしてある。 いつもの皮手袋をはめて御影は立っていた。 いつもより顔が厳しい。赤くなりかけた青い瞳が不気味に光る。 「部室……。開けてくれないか?」 「いいけど……」 美那はなにはともあれ、靴をはいた。 「何か、いる物でもあるの?」 御影は先に歩き出した。 「MX−4用の麻酔弾を1000発ほど欲しい」 「あら、またどっかに殴り込みに行くの?」 あとから追ってきた菜緒が言った。 しばらく沈黙が続いたが、重々しく御影は言った。
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