空中分解2 #0797の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
「校長からの伝言だ。『今日を御影の誕生日とし、今日からいっさいのケンカをやめ ろ。そして、今日は互いの誕生日を祝え』……と、これが用件だ」 御影は、そんな用件など断わりたかった。 しかし、孤児の自分を育てくれた校長は、父以上の存在だった。 逆らうこともできず、御影は深く椅子に腰掛けた。 榊は3人の表情を見、笑顔で説明し始めた。 「実は沖が、お前らと仲直りしたいと言い出してな、僕が一計を考えたというわけだ」 二人は沖を見た。 (おの沖がねぇー。あいつの方が好んでやってなかったかなー) などと二人は思った。 「御影は従うな?」 「ああ」 「一条は?」 「……いいだろう。だけどなあ、今すぐというわけには、いかんだろう」 しかし、御影にはわかっていた。榊のことだ、先の先まで考えてるだろうと。 実際そうだった。 榊はパチッと指を鳴らした。 すると横の壁が爆発した。 そうたいした爆発ではない。 そして煙中からいっぺんに沢山の人が出てきた。 御影と一条は反射的に身構える。 「ハッピーバースディ!」 というかけ声とともに一斉にクラッカーがならされた。 唖然としながらも、構えをとっていた御影と一条の頭に紙テープがかぶさる。 そして全校生徒が部屋の中へ3人を導き、3人の誕生日を祝ってくれた。 カラオケ、ジュースのかけあい、やみなべなどがあり、そーそーたる歓迎だった。 しかし、それが御影にとっての、初めての誕生パーティーであった。 「それ以来、本当に喧嘩してないなー」 「説教はされるけどな」 御影が愚痴を言う。 3人は笑った。 「そうだな。でもよく我慢してるよ」 「まあ、言ってもしょーがない事に気づい…………」 御影が下を見て驚く。 沖と一条も下を見る。 「……。綾さん。起きてたの?」 綾の目はすでに開いていて、微笑んでいた。 「いい思い出話ですね……」 「ありゃー、いつごろから起きてたの?」 綾は体を起こした。 「たしか、榊とかいう人が出て来てからだと思うけど…………」 「へぇー。気付いた?」 御影は他の二人に聞いた。二人とも横に首を振る。 「三人もいて気付かないなんて初めてじゃないか? 綾さん、才能あるよ」 一条がいつもの軽い調子で言った。 「体の調子、大丈夫ですか?」 気のきいた事を言うのは大体、沖である。 「あっ、もう大丈夫です」 といって立ち上がった。 「よしでは案内の続きといこうか」 御影が言うと綾は少しびくついたが、一応ついていった。 ACT 6 BLACKMAGIC 斉藤徹 < サイトウ トオル > 制作部の部長。作れない物などないと豪語するが、それだけの腕を持っているから 恐ろしい。 沖は途中でどっかに行ってしまった。 空の旅が終ったら迎えにきる、という事だそうだ。 3人は滑走路に出た。 広々とした滑走路に風が吹き抜ける。 少々寒い。 少し歩くと2、3人が整備しているヘリの前に着いた。 どうやらこれに乗るらしい。 AH−64アパッチ。全重量9.5t。30mm機関砲登載。 ヒュイコブラとならぶアメリカの軍用ヘリである。 全体的にスマートにできているが、両側についた武装が重々しい。 全体は黒に塗られており、★のマークが二つついている。 一条が先に歩き、整備士と何か2、3話すと帰ってきた。 「調子いいそうだから、いいよ。乗って」 と一条が言うので、三人はアパッチのドアの所に行った。 一条が高い位置にある重そうなドアを開けた。 中には、二つしかシートがない。 そう。ヘリは二人乗りだったのだ。 「それじゃ、ごゆっくり」 と言ったのは一条の方だった。 「さあ乗りましょう」 御影は綾の手を引っ張った。 綾は無言ではあるが、必死に抵抗した。 顔がひきつっている。 しかしそんな事を気にする御影ではない。 一条はちょうど後ろを向いていたので知らない。 結局、綾の抵抗もむなしく、御影と二人で乗ることになった。 御影は、一つ一つ計器を調べていく。 しだいにメーターが動きだし、ランプがいくつかつきだす。 ローターが回る音が聞こえてきた。 綾にとってこの時間は、死刑まえの十三階段をのぼっている気分と同じであった。 実際その通りである。 今の綾は神に祈るよりも、あきらめの気持ちの方が大きかった。 (お父さん、お母さん。もうすぐそこに行くかも知れぬ私を、御許し下さい……) などと綾が心の中で祈っているなど、御影はみじんも考えず、やがて無情にもヘリは 上昇し始めた。 凄い勢いで上昇はしたものの、大したゆれもなく、綾が心配したほど荒い運転ではな かった。 じつはちゃんと説教に従っているからなのだが、綾は寝ていたので知らない。 やがて一条が点のようになり飛行場全体が望めるようになった。 そして今度は飛行場も小さくなり、この学園が全部見えるようになると、御影は上昇 を止めた。 快晴のため今日は富士山がよく見える。 学園の構成はこうだった。 北にクラブボックス、東に校舎と寮。西に飛行場、そして南が門である。 他に、周りの山と、北東にある湖も学園の範囲だそうだ。 高度からいくと、かなりの高さのはずなのに、学園全体をのぞむのは難しかった。 御影が一つ一つ親切に教えてくれる。 綾は段々気が楽になり、空の旅は楽しく終れそうだななどと思った。少なくとも、ピ ーという高い機械音が聞こえるまでは……。 最初、何か故障を知らせる音かと思ったが、そうではなかった。 御影は左腕にはめてある時計を見た。 そして左のボタンを押す。 「御影か?」 時計が聞いてきた。 「その声は、斉藤か!?」 「あたり。緊急コールだ。至急運動場に向かってくれ。安心しろ今日は単なるロボッ トだ。武装はしていない」 時計から聞こえてくる声には全く危機感というものがなかった。 「ごまかすな。かわりに何がついている」 「わかる?やっぱり」 「わからいでか」 御影は何はともあれ、降下を始めた。 ここらへんから綾の存在を忘れている。 「お前、(BLACKMAGIC)ってマンガ読んだことあるか?」 「?、いや……」 「じゃ、始めから話そう……。名前は<M(マリオ)−77>。見かけは全く人間と 同じだ。腕が6本ある事を除いてな。さっき言った通り武装はなし」 高度3000m。 「かわりに動く速度がはやい。人間の約10倍だ」 高度2500m。 「装甲は<HIGHMETAL2>。今度新しく開発したやつだ。44マグナムでも うち抜けん」 高度2000m。 「一応弱点はつくってある。むかって左の胸だ」 高度1500m。 「爆弾は使うな。燃料に核融合を使っている」 高度1000m。 「熱や音、動くものに反応する。無抵抗の物には反応しない」 高度500m。 「一応、音ダミーをばらまいて、運動場のまん中におびきだしてある」 高度200m。 「後は好運を祈る。GoodLuck!」 ヘリは下降を止め、水平方向に飛び始めた。 高度10m。 下の土が砂嵐のように舞う。 砂漠のような運動場に黒い点が見えた。 しだいに御影は速度を落としていった。 やがて、それが目的の物と解った1km前で着陸する。 ローターがしだいに止まっていった。 M−77がローターの音に反応して、こちらを見た。
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