空中分解2 #0740の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
**12月24日 夕方** その時、高校1年生の妙子はおもちゃ屋のバイトの仕事でレジに 立っていた。 その妙子のレジの前に立ち、クラスメートの隆は言った。 「俺とつきあってくれ」 「つきあうって・・・どこに?」 妙子はおもちゃを袋に入れながら答える なんともまぬけな返答だがこの時の妙子は真面目だった。 何しろ回りはお客がいっぱい。てんてこまいしているときに急に 終業式以来あっていないクラスメートが来て「つきあってくれ」と 言われればこう返答するのも無理ないことか・・・。 「そのつきあってじゃない」 隆は少し怒って言う。からかわれたと思ったようだ。 まったくなんなのよ、こいつは。この忙しい時につきあえですっ て? どこにつきあえって・・・え、違うの? じゃあ、つきあえ って・・・ええッ! まさか!? やっと隆のいった意味が分かった妙子はおもちゃを袋にいれる手 を止める。 「私に・・・恋人になれって言うの?」 「そういうことだよ」 隆は嬉しそうに笑った。 あぜんとする妙子とその顔を見つめる隆は成り行きで見つめ合う 形になった。 そんな2人をまわりのお客が不思議なものを見るように見ている。 その視線に気付いた妙子は急に恥ずかしくなり、 「あの、店長・・・すみませんが5分だけ休ましてくれませんか」 隣で2人のやりとりを見ていた店長はニコリと笑い、 「ああ、いいよ。ここはまかしていいからキチンと話しをつけてお いで」 「申し訳ありません、では、すぐ帰ってきますので・・・ほら、ち ょっとこっちにきてよ」 隆を従業員専用の休息室につれて行く。 そこは3畳ぐらいのせまい場所だが、今なら誰もいないので話し 合うのには絶好の場所だ。 隆と妙子は間にテーブルを挟んで椅子に向かい合って座った。 「で?」 妙子は聞いた。 「で、とは?」 隆が聞き返す。 バンッ! 妙子がテーブルを叩く。 「どうしてこの忙しいときに、しかも周りに人がいっぱいいる場所 で告白なんてするのよ!」 「だってしかたないだろ」 隆は平然と答える。 「もし好きな人間ができて、季節が冬だったらクリスマス・イブに 告白するって、決めていたんだから」 「・・・で、好きになった相手はクリスマス・イブにおもちゃ屋の バイトでレジに立っていた、というわけ?」 「そう」 「・・・」 実はこの妙子さん。人に告白されたのはこれが始めてだったのだ。 それゆえに今までに告白される情景というのを日夜想像していた のだった。 たとえば・・・。 ある日、学校の机に入っている1通の手紙。 ドキドキしながらトイレに入って手紙を開けるとそこには文章が 1行だけ・・・。 『放課後、1−Aの教室で待っています』 そして待ちに待った放課後 ドキドキしながら教室の扉の前に立つ私。 意を決して扉を開けるとそこには夕日をバックに男の子が一人で 机の上に座り椅子に足をかけているのよ。 彼は私にゆっくり近付いてきてはにかんで言うんだ。 『来てくれてありがとう。あの、その、それで用件なんだけど・・ ・僕と付き合ってくれませんか?』 これよ! 告白というのはこういうのをいうのよ。 ・・・なのに、なのに、なのにこいつはっ!! 手紙はどうしたの、放課後の待ち合わせは、夕日はどこにあるの、 はにかんだ表情はどうしたの! 告白のイメージをぶち壊された妙子さんでした。 「返事、聞かしてくれる?」 相変わらずのにこにこ顔で隆が聞いてくる。 それが余計に腹立たしい妙子さん。 「・・・わかったわ」 「え、それじゃあ。いいんだね」 「そうは言ってないでしょ。一日待ってちょうだい。そうねぇ、バ イトが2時から始まるからその直前にここに来て。その時に返事す るから、それでいい?」 「うん、いいよ」 「じゃ、仕事があるから」 そう言って椅子から立ち上がると後ろを振り返ることもせずに部 屋を出ていった。 **12月24日** 【妙子の日記】 今日、クラスメートの坂本隆に告白された。 よりによって周りに人がたくさんいるところで・・・。 どうしてくれるの! 私のイメージはぶち壊しよ。 ロマンもなにもあったもんじゃない。 断ってやる・・・明日逢ったら絶対断ってやる。 その場で断ってもよかったんだけど、それじゃつまらない。 隆の奴。明日逢うまでの丸一日、私の返事の内容に不安を覚えな がら眠れぬ夜をすごすといいんだわ。 私のイメージを壊した罰よ。 フンッ! 【隆の日記】 ついに妙子に告白した。 てごたえはじゅうぶん! これは絶対にOKをもらえるぞ。 今夜はぐっすり眠れそうだ。 **翌日の午後2時 従業員休息室** 「ごめんなさいね」 「・・・」 **12月25日** 【妙子の日記】 あの時の隆の顔ったらなかったわね。 初めは、断るのはちょっとかわいそうかな、って少しは思ってい たけどあいつの顔を見た途端その少しもなくなったわ。 ぐっすりと寝た顔をしていたのよ。私の返事が気にもならずにぐ っすり寝るなんて・・・罰にも何にもならないじゃない。 まあ、いいわ。 明日もバイトの仕事があるから早く寝よう。 まったく、年内無休なんて働き過ぎよ。 【隆の日記】 振られた・・・。 きっと押しが足りなかったんだ。 よしっ! 諦めるもんか。 **12月26日** 【妙子の日記】 まったく! しつこいわね。 隆の奴が今日もバイト先に来た。 「諦めないぞ、絶対OKをもらうんだ」 ですって。 隆の奴は意志が強いからなぁ。 このままじゃいつまでも、つきまとわれてしまうわ。 でも、いい手を思いついたもんね。 これなら確実よ。 【隆の日記】 諦めるもんか。
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