空中分解2 #0628の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
「おや、彼氏にラブレタ−かい」 外出から戻って来るなり、空地先生は私の机を覗きこんだ。 「あっ、見ないで」 私は、空地先生の留守をいいことにある人に手紙を書いていたのだった。 「ほお、字引きを片手にとは余程込み入った手紙かな」 「なんですか先生。その字引きっていうのは」 「あれっ、学校でおそわってない。字引きとは、字を引く書なり=ジヲヒクショ ナリ=ジィクショナリ−の事だよ」 「ああ、」 私は、思わずなるほどと感心してしまった。 「どれどれ、貸してごらん。昔はよくお世話になったものだが。ええと、空き地 は・・・。なるほど<主に建物の建っていない土地>か。そう言えば君の名字は なんと言ったっけ」 「かづき、です。被衣と書きます」 「かづき、か。かづき・・・。あった、あった。ええと、<平安時代に婦人が外 出の時に・・・。ああっ」 突然、空地先生は息を止めたまま棒立ちになった。 「コココココココココ・・・これだっ!」 「先生、どうしたんですか」 私は、急いでコップに水を汲んでくると空地先生に渡した。 「解ったんだよ、例の暗号の解き方が」 空地先生は、あの暗号のキイワ−ドは一種の意味調べだ、と言うのである。事 典の類から引用したものに違いない。意味は出ているのだから、それを逆に辿っ ていけば答えが見つかるという寸法だと言うわけだ。 「主に建物の建っていない土地」は「空き地」の意味、という具合いに。もっと も、ABCDFHJはそれぞれ、 「計り」「台」「下」「杉か桧」「根」「南」「百歩譲っての百」 だろうと推測はついていたらしい。 なんと言っても@でつまづいていた、と空地先生は正直に話してくれた。それが 解けたと言うのである。 「先生、そうですよ。それに違いありません」 やったあ。これで礼金がたんまり入るぞ。私は、ある人への手紙は家で書くこ とにして、さっそく買物リストの作成にかかった。 ところが、私が思っていたほど空地先生の作業はスム−ズに進まなかった。そ して恐ろしいことが起こった。 「小林くん。買ってきてくれ、急いで」 出版社の異なる事典を何冊か買ってこい、と言うのである。お金を出すのはこ の私である。 「国語の文法の本もだぞっ」 −−−−−−− それからしばらくして、 「小林くん、お茶あ」 空地先生の声が部屋一杯に響いた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− <解答> @ 「舞台」というのがミソ。これを「空間」「歴史」と読み変えると「場所」 に対するものは・・・「時」 A 計り=「計」 B 高さを取るために乗るもの=「台」 C 数量が少ない、にこだわると混乱の元。自分より低い=「下」 D 良質の、と言ったら=「桧」 E 国語の文法ってホント苦手だよね。格とか体言とか・・・=「の」 F 小学校理科の問題=「根」 G これも文法。出発点にこだわって欲しい。=「から」 H 自分の体を使って確かめて=「南」 I 方向、といったらこれしかない=「へ」 J 論争している時などくやしまぎれに「百歩譲って」なんていうよね=「百歩」 と言うわけで、正解は 「時計台下桧の根から南へ百歩」 でした。 なお、出題は「三省堂 新明解 国語辞典」に依りました。 以上
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