空中分解2 #0614の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
「……。」 ルミアは恐ろしさのあまり、言葉が出なくなっていた。 「さあ、言うのだ。なぜ、ラミアと入れ替わっていたのだ?」 何かを言おうとはするのだが、それは声にはならず、ただ口が動くだけであった。 「黙っていても、良いことはないぞ。さあ、言え! 言うのだ!」 ルミアは必死で言葉をつむぎ出しているつもりだった。しかし、それが声となっ てランベル卿に届くことはなかった 「言わぬのなら、それでも良い。だが、あまり面白いことにはならないものと思え よ。」 ランベル卿の迫力と怒りの形相が一層激しいものとなり、ルミアをさらなる恐怖 に陥れる。恐ろしさのあまり、ルミアは気を失いそうだった。 「あなた!」 ふいに、マリカの声が響く。振り返るランベル卿の目に、マリカとシノーラ、そ してラミアの姿が飛び込んできた。 「あなた、お待ち下さいな。そんなに怖がらせずとも、他に方法はいくらでもある でしょうに。」 マリカはシノーラにも手伝わせて、ルミアの縄を解いた。そして、優しい声で、 ゆっくりと質問をする。 「あなた、お名前は?」 同時に、シノーラがルミアの肩を軽くポンポンと叩いて、ルミアを落ち着かせよ うとしていた。 最初のうちは震えるだけで何も言えなかったルミアも、シノーラのおかげで少し づつ生気を取り戻し、やがて小さな声で、 「ルミアと申します。」 と、はっきりと答えた。 「わたくしの推察ですけれど、あなたはラミアと何度か入れ替わっていたようです ね。なぜ、そのようなことをしたのか話してくれないかしら?」 「はい。実は……。」 そして、ルミアはすべてを話した。買物をするために街を妹と歩いていたところ、 ラミアに強引に連れてこられたこと。その後、ラミアがこっそりと外出するたびに、 ルミアがその身代りをしていたこと。ファルルが初めて来たときもラミアが留守だ ったため、身代りとしてファルルと会ったことなど。 それをいちいちうなずきながら聞いていたマリカは、ルミアの話が終わると、 「そして、シノーラもそれに手を貸していたというわけね。」 と言いながら、シノーラの方を見る。ため息とともに、いたずらっ子を見るよう に軽く微笑みを浮かべながら。 「はい。」 ルミアは一層小さな声で答えると、そのままうつ向いた。 「今回のことはすべてラミアがさせたことのようだけど、今はこれ以上追求しない ことにしましょう。それより、一つ気になることがあるの。ルミア、あなた、家族 は?」 「あ、あの、父と妹がいます。」 突然、訳の判らない質問をされて、ルミアは面喰い、戸惑いながら答えた。 「そう。」 マリカはわずかに眉を寄せた。 「あなたのお母様は?」 「数年前に病で亡くなりました。」 「まあ、それはお気の毒に。」 その後、マリカはしばらく考え込んでいた。そして、 「あなたのお父様のお名前は?」 「ジョゼフと申します。」 ルミアの答えに一瞬、マリカは目を見開く。そして、自分でも気付かぬうちに、 少し早口で質問をしていた。 「それで、お母様は何というお名前だったの?」 「ミーシャです。」 「えっ? ミーシャですって? 本当にミーシャなのですか?」 「ええ……。」 マリカの様子の変化の激しさに、ルミアは戸惑っていた。 「まさか、ミーシャが……。」 マリカは、小さくつぶやくと、再びルミアに言った。 「あなたのお父様にお会いしてみたいのだけれど、案内して下さらないかしら?」 −−− 四章終わり
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