CFM「空中分解」 #1782の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
「どうなっているんでぃ。」 カヅンが、もう一度言った。 「分からないわ。何か異次元とかパラレルとか言ってたような・・・。」 サキィは言葉を続けようとしたが、頭を抱えてしまった。記憶を少し捜査され たのか?あれ?こいつら、本当にこんな名前だっけ?何か違うような・・・。 えっと、僕の名前は・・・、そうそう、アークだ・・・、ったかな? 驕@「アーク・・・、透視してみてくれないか?ここがどこなのか。」 カヅンがこう言ったので、透視を試みた。が、見えるのは一面に広がる砂の海 ばかりである。 「そうか、何もないか・・・。やはり、元の世界ではないようだな・・・。 ん?元の世界ってどこだった?」 「え?それは・・・。と、とにかく、どこかから、ここに無理矢理連れて来 られたはずよ。ヤ・ワンラに。」 ヤ・ワンラ。この名前だけは、鮮明に覚えていた。 「このまま、ここでじっとしていてもしょうがない。アーク。どこか、人が いそうな所は見えないか?」 「そうだなあ、あっ!北北西に町らしきものが見える!」 「距離は?」 「ん・・・。分からな「Dh。かなりあるのは間違いない。300キロはあると 思う。」 「そうか。俺の力がどこまで持つかだな。一回のテレポーテーションにつき、 最高5キロぐらいだから・・・。おい、ちょっと待て。アーク、いつの間に3 00キロも先が透視できるようになったんだ?」 「そう言えば・・・。」 「どうやら、ここでは力が増幅されるようね。」 「そうだとしたら、俺のテレポーテーションも、増幅しているはず。よし、 行ってみるか!途中に危険なものは見あたらないな、アーク?」 うなずくと、カヅンは気合いを入れて、一回目の「跳躍」に入った。 フッ! パッ! てな感じで、瞬間移動。 @「どうだ、残りの距離は?」 「250キロというところかな。」 驕@「凄い!一度に50キロも動いたわ!」 「じゃ、後、5回か。これなら大丈夫だな。」 その後、数回のテレポーテーションを繰り返し、何とか、町に着いた。端数が あったのと、疲れのためか、実際には6回の移動であった。ところが・・・。 「おかしいな・・・。」 「どうしたの?」 サキィの問に、カヅンが答える。 「この町の壁だけ、テレポーテーションができない。」 「何?どうするんだい」 「こうなったら、正面から入ってやるぜ。」 「無茶な・・・。」 と言いつつも、僕達3人は町に入るための唯一の正門に向かった。見ると、当 然ながら、門番というか衛兵と言うか、とにかくごつい体格の男(?)が二人、 立っている。手には槍。 「止まれ!通行証を。」 「通行証?そんな物、知らないよ。」 「何い?ふざけているのか。」 @「おい、待て。こいつら・・・。」 もう一人の兵が、何やら耳打ちをしている。 「どうしたんだろう?」 @「さあねえ。嫌な予感がする・・・。」 こちらも耳打ちだ。 「おい、おまえら。おとなしくした方が、身のためだぞ。」 「は?何、言ってるんだ?」 「おまえ達には、賞金が懸けられていてな。つまり、お尋ね者って訳だ。知 らなかったのか?」 「こりゃいい。『悪者、悪事を知らず。』と言うからな。」 何だ、それ?そんな諺、あったか? 「ハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッ。」 いきなり、カヅンが笑い始めた。暑さでおかしくなったんかいの。 「ハッハッハ・・・。そうか、俺たちゃ、お尋ね者だったのか。いやー、そ いつは知らなかった。ありがとう、教えてくれて。これは一本取られちまった 驍ネ。」 そう言いながら、兵に向かって腕を差し出した。お縄ちょうだいの格好だ。 「ほう、素直だな。おら、そっちの二人も腕を出せ!」 仕方なく、僕とサキィも腕を出す。いったいどういうつもりなのだろう?その 時、カヅンが小声で聞いてきた。 驕@「ぉぃ。近くに町はなぃんだな?ァーク。」 「ぁぁ。間違ぃなぃよ。」 「じゃぁ、サキィ。この町に、ワンラがぃそぅに感じるか?」 「ぇぇ。ワンラかどうかは知らなぃけど、かなり大きな力の者がぃるわ。」 @「分かった・・・。」 「おい、何をゴチャゴチャ言ってるんだ!早くせんか!」 兵の一人がこう、怒鳴りながら、門を開けた。 「フフフ・・・。」 また、カヅンが笑いだした。どうなってるんじゃ。 「何がおかしい。」 「勝負は三本勝負ってことよ!」 そう怒鳴り返したかと思ったら、カヅンはテレポーテーションをした。もちろ ん、僕達二人を連れて。門が開いていたためか、楽に町に入れた。「その場」 を去る瞬間、兵達の 「あ、こら!、待て!!!」 という声が聞こえていた。 さて、町に入れたはいいが、どこがどうなっているのか、さっぱり分からな い。うろつく訳にはいかない。何せ、「指名手配」されているのだ。今だって、 裏通りのゴミためらしき所の後ろにいる。町のあちこちで追われる途中、僕は 目を負傷した。何か目潰しの粉を浴びせられたのだ。よって、その間の描写は 出来ない。今、やっと、回復しつつあるような気がする。でも、透視は出来な い。 「参ったな。動きがとれん。」 「当り前だよ。しかし、無茶をしてくれるなあ、本当に。」 「私、こんな所、いやよ。早く出たいわ。」 「俺の責任てか?それもそうだな。ちょっと、行ってくらぁ!」 「どこに?」 「どこか、安全できれいな場所を探しにさ。今、出歩けるのは、俺しかいな いしな。やられそうになったら、移動すればいいんだ。」 驕@「一人じゃ、危ないよ。連れてってよ。」 僕とサキィの声がだぶった。しかし・・・。 「何、言ってるんだい。一人の方が、俺は動き易いんだぜ。疲労の度合も違 う。見つからないようにするんだぜ。絶対に動くなよ。」 その言葉が終らない内に、カヅンは行ってしまった。 「大丈夫かしら、カヅン・・・。」 サキィがささやく。 「大丈夫だよ。彼はぶっきらぼうで向こう見ずなところもあるけど、しっか りしているから・・・。」 「で、でも、もし、帰って来なかったら・・・?」 サキィは泣き声になっていた。僕は、柄でもない、そんな力もないのに、こう 言った。 「そのときは・・・。」 「そのときは?」 「僕が守るよ、君を・・・。」 たとえ、透視しかできなくても、と続けようとしたが、何だか不自然な気がし て、やめた。だいたい、今は透視もできないのだ。 「アーク・・・。」 Tキィが身体を寄せてきた。そして唇も。普通なら、こんな場所でこんなムー ドにはなるまい。しかし、現在、置かれている状況を考えれば、ここは居心地 が良かった。でも、残念なことに、唇を重ねたかどうか確かめない内に、目の 痛みのためか、僕は眠ってしまったようだ。情けない、今、約束したことも守 れないなんて・・・。 うめいているのが自分で分かる。夢だとも分かっている。しかし、苦しい。 「おい、大丈夫か?」 カヅンの声がした。どうやら、現実のようだ。目が覚めた。だが、見えない。 「まだ、不可視状態か。しっかりしろ。何とか、見つけてきたぞ、隠れられ 驍サうな所を。」 「無事に帰ったんだね。よかった・・・。あ、サキィは?」 「寝ている。俺が帰ってきたら、寝ちゃったよ。おまえの目をずっと、ハン カチでふいていたようだ。」 何やら、ジーンと来ると共に、自分の情けなさがいやになる。 「とにかく、移動しよう。町の外れに空き家があった。少々、荒れてるが、 ここよりはマシさ。」 @「うん・・・。あ!」 じっと目を凝らすと、カヅンは腕に怪我をしているではないか! 「どうしたんだ、その傷?」 「ちょっと、最後の移動でドジっちまってな。なに、大した事はない。矢が かすめただけさ。それよりも、どうやらここは、超能力ばかり発達して、武具 驍ヘそれほどでもないようだ。」 「それならどうして、透視のできる奴が僕達を見つけられないんだろう?」 「多分、ここにも、プライバシーとか言うものがあって、この町の建物の壁 なんかは透視できない材質でできているんだろうよ。あ、それからな、すまな いんだが、薬は手に入らなかった。」 「薬?」 「おまえの目だよ。」 「それよりも、自分の腕の事を心配したらどうだ?」 少し、怒ったような口調で、自分の声が響いた。そんなつもりは全然、ないの にだ。何はともあれ、その空き家に移動するのが先決であった・・・。 移動した先は、見るからに空き家という感じの建物だった。サキィにも起き トもらって、3人で整理をすると、まあ、使えるものになった。裏庭があって、 うまい具合いに池があった。どういう訳か、きれいな水で、飲むことができた。 考えてみたら、長い間、何も食べていない。もうすぐ、日が暮れる。 「これから、どうする?」 「元の世界−−もし、そのようなものがあるとしたらの話だが−−に帰るに は、どうやら、ヤ・ワンラを倒さなくちゃならないようだな。余りにも、定石 だが。その事を確かめて、ワンラの居所を突き止めて、やっつける。簡単に言 えば、こうなる。」 「でも、実際はそんなに簡単じゃない・・・。」 サキィが言った。もう、立ち直っている。さらに続けるサキィ。 「何が大事かって、あなた達の怪我を治すのが一番、大事なのよ。早くよく ネってよ。」 「そうじゃないと、とても闘えまいからな。」 カヅンが自嘲的に言った。その時、誰か、複数の人間(?)がやって来る気配 がした。今は、もう、暗い。真夜中とは言えなくても、普通なら、眠っている 時間のはず。いったい、誰だろう?やはり、明り(ローソクらしきもの。但し 手で擦ると火が着く)は使うべきではなかったか?今更、悔やんでも仕方のな いことだが。それでも一応、火は消した。棒切れを手に、そこいらの物陰に身 を潜める。 「最悪の場合、打ち死にかな・・・。」 カヅンが呟くように、言った。音から推測して、かなりの人数と考えられる。 窓に移った影の手には、銃らしきものが確認できた。 カチャッ。 ドアのノブを回す音がした。棒切れを振り上げ、まだ見えにくい目を頼りに、 相手の出方を待った。 −続く− <次回予告> アーク(阿久津)達の「隠れ家」にやって来たのは、いったい何者か?(も う、想像はついているかも知れませんが・・。よくあるパターンです) 元の世界に戻るには、「この国(町)の王を倒さねば、だめだ。」と、分か った3人は町中の監視をくぐり抜け、苦難の末にたどり着いた王宮。ここに、 目指すヤ・ワンラがいる? やっと、第3回目にまでこぎ着けました。初めのイメージとは、かなり、違 ってきています。このままじゃあ、純粋な意味でのSFが出てこないぞ、きっ と。 ・おまけ・夏だから・・・霊体験?(注・自分では信じていない) 霊体験かどうか、分かりません。ただの金縛りかも知れません。とにかく、 眠っているときに身体が動かなくなって、首を絞められているような感じがし ます。初めてなったときは、驚いたけど、二ヶ月に一度の割合でなると分かっ たら、平気になった。「あ、まただ。今度はどんなかなあ?」って感じで。そ れと、よく、空中に浮かぶ夢(?)も見ます。それが、どうせ飛ぶのなら、大 空を飛び回って欲しいのに、ただ、狭い寝室の中を浮かんでいるだけ。で、着 地の時は、ドスンと落ちる感じなので、痛くて目が覚める。幽体離脱でもない 驍謔、です。誰か、こんな体験をお持ちの方、いません?
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