CFM「空中分解」 #1768の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ・・・・・・・・・ 「ところで弥三郎、俺たちは手に入れたゼ。例の『モノリス』を。」 驪Cまずい沈黙に助けを出す様にマーフィー乱菜が赤黒い金属を取り出した。 その金属を見た瞬間、手児菜は何か心に引っ掛かるものを感じた。 << つづく >> 驕|−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「・・・・・・・・・、あなたの試みは、評価しますよ。ただ、意気込みだけですが ね。」 編集者のあなた、そう、「あなた」が言った。 「はあ。」 私はうなだれるばかりである。そんな私に、あなたは追い打ちをかけた。 「一人リレー小説、確かに、面白い着想です。しかし、描写方法くらいは終 始一貫させた方がいいんじゃないんですか。」 「ちょっとずつ変えて、いかにもリレー小説らしくしようと思ったんです。 ペンネームも変えましたし。」 「それにしても、ね。読者が困ると思うんです。それとですね、ギャグが本 気かそうでないのか、分からないんです、これでは。グー星人でしたっけ、こ の後の話に、相手にパー星人、そのまた相手にチョキ星人とかを登場させるん じゃないんですか?」 「あれ?分かります?」 「分かりますよ、誰にでも。ちょっとは、意表を突いてください。そうかと 思ったら、SFからアニメまでパロディの連発。初めの野球とか、最後近くの 合唱とか、半ばと最後に出てきたSF風なんて、必然性はあるのですか?」 「それは、これからつながっていくと思います。」 「思います?どうも、不安だなあ。どーも、一人よがりな点もありますし。 例えば、ロボコップ関係のパロディなんて、通じにくいと思いますがね。とに かく、頼みますよ。あなたは、ミステリーと純文学以外、もうひとつなんだか ら。」 「分かってます。それでは、この辺で。続きを書きますんで。締切はいつで したっけ?」 私のくだらない質問に、あなたは苦々しい表情を見せながら、締切の日を告げ た。私はメモをして編集室から退散した。 「え?」 ビルを出たところで私は突然、自分の名前を呼ばれ、びっくりしてしまった。 「あ、天津さんじゃないですか。やっと、釈放されたのかい。」 「ああ、心神喪失だってのが通ってね。その代わり、アヘンの件で、お灸を 据えられちまったぜ。堅苦しいこと、言いっこなしにして欲しいよなあ。」 「でも、良かったじゃないですか。事件を小説化した『凍死』、結構評判が いいのですから。」 「まあな。おまえの方は、何、書いてんだ、今?」 「ちょっと、新しい試みを。こってりと、絞られちましたけど。」 「とにかく、いい事だ。新しい試みってのは。ところでよ、あの探偵、なん て言ったけ?」 「流次郎の事ですか?」 「そう。流さんに、ツテあるんだろ、おまえ。」 「そりゃそうですが。何か用ですか?」 「ちょっとな。帰って来た途端に、事件に巻き込まれちまって・・・。」 「どんな事件です?いや、時間があるのでしたら、直接、流にあわれた方が いいと思いますが。」 「うん、いや、時間はないんだ。おまえ、伝えておいてくれ。時間が出来た 轣A改めてこちらから行く。そちらから出向かれても、俺は多分、いないと思 うから、そんな気遣いは無用と、最初に言っておくぞ。」 @「分かりました。で、事件と言うのは?」 「それがな・・・。」 こうして天津さんから聞いた事件と言うのは、奇妙なものだった。「梅田」と いう女を中心に「松本」という男と「杉野森」という男が絡んでいるらしいの だが、この暗合は偶然の一致なのか?「くれぐれも頼むぞ。」という天津さん と別れてからも、私は少しばかりの戦慄を覚えていた。 「これは罵蔑さんや乱菜さん、埋火さん、山椒さん、SOPIAさん、それ に九重さんもひょっとしたら、何等かの暗合があるのではないか。」 等と考えてしまう私であった。小説に登場させた実在の人物が、現実において、 似たような目に合う・・・。そんな事が起こる訳がない。単なる偶然さ。もしそう だとしたら、あのメカ達やグー星人、空間移動装置なんかはどうなるんだ?私 はくだらない空想を打ち切り、急いで帰ろうとした。 「さて、どうするかな、続き。どうも、進展させにくくなってしまったな。 かと言って、やめる訳には行かないし・・・。それにしても、あのギャグはもっと 徹底させるべきだったかな。サクサクサクと柿を食って、シクシクシクと泣い て、スクスクスクと育って、ソクソクソクと・・・、何がある?」 「あれっ?やあ!」 その時、またも私に声を掛けた者がいた。 「やあ、流じゃないか。丁度良かった。君に話が・・・、あれ?この方達は?」 流は少し笑ったような目をして、こう言った。 「君の方が、詳しいと思ってたのだけどね。こちら、ミステリー作家の小島 香織さん。同じく、渡鳥スカラさんだよ。」 流の話によれば、雑誌での対談の後、意気投合して、彼の探偵事務所に行くと ころだったそうだ。 「はじめまして、よろしく。」 「はじめまして。」 お二人さんに挨拶され、私も挨拶を返す。 「どうも。『野良猫』、『瀬戸内海殺人旅行』、どちらも楽しく読ませてい ただきましたよ。」 「それはどうも。」 「私達も、『雪の中の殺人者』、悩まされました。」 その後、私達4人は、手近な喫茶店「百般」に入り、お茶を飲みながら、色々 と話をした。そしてやっと、肝心要の天津さんの話をしようと思ったとき、私 はエライ事を思い出してしまった。AWG(アメリカン・ワイド・グッズ)系 列の九重(クエ)ストアーの店主・九重北千代さんに、私の家の留守番を頼ん でいたのだ。いやいや、その事自体はいいのだ。別に「エライ事」ではない。 問題は、九重さんは原稿用紙を見ると、トンでもない事を書きまくる癖がある 事だ。これは大変だ、こんな所でのんびりしている訳にはいかない!私は話を ナち切らせてもらい、喫茶「百般」のマスター・ヨシ氏に勘定を払うと、慌て て飛び出した。 −続く−
メールアドレス
パスワード
※書き込みにはメールアドレスの登録が必要です。
まだアドレスを登録してない方はこちらへ
メールアドレス登録
アドレスとパスワードをブラウザに記憶させる
メッセージを削除する
「CFM「空中分解」」一覧
オプション検索
利用者登録
アドレス・ハンドル変更
TOP PAGE