CFM「空中分解」 #1511の修正
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雨上がりの傘 夜の街角。 明るいネオンが人々を照らし、賑やかな音楽が人々のタガを外す。 先程まで降り注いでいた雨が上がり、空には雲の間から月が顔を出そうとし ている。 人々の手に色とりどりの傘が厄介もののようにぶら下がっていた。 折りしも、一軒の高級レストランから出て来た一組の男女の手にも傘が握ら れている。 男の手には、黒い傘。女の手には、紅色の男のよりは小ぶりの傘。 男も女もうつむき、明るく輝くネオンも賑やかな音楽も何も耳に入っていな いかのようだった。 「最後だから……」 男は静かにつぶやいた。 「今日で最後だから……、ほんとうに……」 「判ってる!」 女の有無を言わせぬ声が男の言葉を断ち切る。 男は沈黙し、女の頬に涙が伝った。 夜の街角。 ネオンが光り、音楽が明るく鳴り響く。 店と店の間でわずかに暗い道。 決別の時を迎えた男と女は声をなくして、立っていた。 −−−ほんとは。 ほんとは大好きなの ほんとに大好きで、恋しくて、愛してる。 誰よりもあなたを愛してる。 だから、誰よりもかまってほしくって、ずうっとつっぱってきたの。 つっぱってたら、あなたがいつも私にかまってくれるような気がしてて。 だけど。 いつからか、それは、あなたには負担でしか有り得なかったのね。 これは、私の責任、なの。 だから、ね。 『別れよう』っていうあなたの言葉、私は抗らうことなどできなかった。 私はあなたが大好きだけど、あなたは私が嫌いになった。 だけど……だけどっ! 私はあなたが好きなの! あなたを思うといつもこの胸が焦がれて、私の心臓は大きく脈打ち、あ なたの声は、私の体を貫くの。 『別れよう』こんな言葉にさえも。 だけど。 あなたは私から離れていく。 もう、あなたの手は私には差し伸べられない。 もう。私だけのものじゃなくなった……。 私以外の誰かの、ものに、なる? いやあぁっ!! そんなのいやっ! 私はこんなにもあなたを愛してるのに。 あなたは私だけのもの。 私はあなたを離さない。 あなたは私のもの。 私はあなたと離れない。 未来永劫! あなたは私のものなのぉっ!! 夜の街角。 ネオンがきらめく光りの中に、断末魔の悲鳴が響いた。 店と店の間のわずかに暗い路上に、男の姿が崩れてた。 女の手に下がるのは、深紅の傘。 その尖った先端から、水たまりへ、紅い滴がしたたった。 ……未来永劫。 あなたはあたしのものなの……。 −−−−『傘』−−−− (雨上がりの傘) 舞火 ****************************END****
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