CFM「空中分解」 #1422の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
間髪入れず返事かそこかしこから返って来る。大抵が女性。 「夜勤届けの処理たのまぁ」 「はーい、でも書類はちゃんと作んなさいよ」 「げっ、やっぱ作んのか」 『皆さまあ。ゼウスからの御言葉でございまぁす。静粛に』 一時の静寂。ゼウスがマイクを取った。 『諸君、迷惑な幽霊が我がオリンポスに出没して以来、既に一週間。ここにいたって幽 霊の正体が掴めた。よって、これより幽霊退治を執り行う。幽霊の正体は人間だ。正確 には人間が造った物だ。といえば諸君はこの正体を掴む事ができよう。このふらちな侵 入者を一刻も早く捕らえしかるべき処置を施したいと思っている。尚、活躍多大な者に は、え、えーと、……おい、幾らだ?あ、ああ。えーボーナスに三万リールクレジット プラスとする。諸君の健闘を祈る』 @お@お@ー@! どよめきとも掛け声ともつかぬ声が食堂を震わし、各自てんでに−−勝手気侭に−− 適当に−−思い付くとこに向かって走っていく。 「これでいぶりだしができるでしょう」 「ああ。よぉし先に越されてたまるか」 せいきは軽く舞香にウィンクすると脱兎のごとく駆け出していった。 <ζ> ふ− 一転して静寂が漂うようになった食堂で舞香は大きくため息をついた。 ゼウスは舞香に手を振り、食堂を出ていく。ゼウスはゼウスで仕事があるから。 舞香はゼウスを見送ってから、食堂の中に視線を向けた。 本来なら誰も居なくなっている筈の食堂に七人の男女が残っていた。 ヘイパイトス(技術管理)のユーキとサムス。 アポロン(情報管理)のマサト。 ヘスチア(食物管理)のアメリア。 アルテミス(電子管制)のジャミー。 アフロディテ(医療管理)のミラルカ。 そして。 アテナ(戦略指揮班)の舞香。 つまり、例の七人。 「あっちの方はせいきにまかしとけば大丈夫です。こちらの用意は?」 舞香はユーキに視線を向ける。 「大丈夫。いつでも始められるよ」 舞香は諾いた。そんな舞香にジャミーがいぶかしげに尋ねる。 「せいきは幽霊の正体を知っているの?他の皆も?」 「いえ、せいきが知っているのはスパイが入り込んだということだけです。そのスパイ が今回の幽霊騒ぎの原因だと思っているのです」 「じゃ、やっぱり知らないのね。他の皆も勝手に想像して追っかけてる訳」 「でもスパイの存在には気付いているでしょうね。その言葉は出さなかったけど」 「あら、それは当然だわ、ねぇ」ミラルカが割って入る。「だってここはオリンポスな んだもの、その位気づかなきゃ」 「スパイッて?あの幽霊騒ぎとは別に何ものか侵入したの?」 アメリアが一人要領得ぬ顔で尋ねる。舞香がそれに答えた。 「そう、本当のスパイがこのオリンポスに入り込んでるのよ」 「ほんとなの?こんなオリンポスなんか来て何か得る物あるのかしら」 舞香その言葉を聞いて思わず笑みを浮かべた。そう、アメリアでさえこうなんだから。「でもね、ここはオリンポス。宇宙軍のステーションな訳。スパイが入り込むべき所。 いて当然。そしてその備えがしてあって当たり前」 「けれどここ(オリンポス)は、そんな考えを完全に忘れてしまっていた」 ユーキが舞香の後を引き取って説明する。 「オリンポスは軍基地だということをね、忘れてる。ここのあまりの節操のなさにね。 今日はいい機会だ」 舞香はいたずらっこのように笑った。声を出して。 ミラルカ、ジャミー、アメリアが、そしてサムスも始めて見た笑い。舞香がおかしそ うに笑ってた。 「ね、あたし達のボーナスアップやってみない?」 「えっ?」 ミラルカが叫んだ。言葉の意味も掴めなかったし舞香の変貌にも驚いた。いつの間にか 舞香は無感動そうな表情から、いたずらっ子のような子供のような表情へИИ茶目っ気 一杯の表情に変わっていた。 「どういうこと?」 けれど舞香は面白そうに笑いつつ、こともなげに言った。 「あたし達でスパイ捕まえよ。大尉(せいき)にボーナスアップ上げるなんて、損だも の」 「そりゃそうだけど、でもあたし達はやることあるでしょうに」 ミラルカの口調が諭すようなおねえさんぽくなる。 「判ってる。でも同時にだって出来るわ。だってね、」舞香の声が一瞬マジになる。 「だってね?」 つられて真剣になって、聞き返すミラルカ。 「だって、スパイをみつけたのはマサトなのよ。マサトが今日幽霊の件でストリート調 査したから見付けられたのよ。じゃなきゃ、ここの監視体制じゃ見逃してただろうし、 そんな連中にボーナス上げるなんておもしろくない」 珍しく舞香がしゃべりまくる。けどとにかくミラルカは考えた。と、そこに、 「確かに、一回思い知らせないとね。スパイ天国なんて別のステーションの連中に蔭口 言われるのも腹立つわね」 と、ジャミー。これでミラルカの考えも決まる。 「判ったわ、そうね、他の人達はともかくせいきにボーナスアップっていうのだけはや めさせたい」 「あたし、ヘルメスのジェルにはあげたくないの」 と言ったのはアメリアだった。 「彼、しょっちゅう夜勤番の時寝るらしいの、それなのにさっき張り切って飛び出して いったわ」 「くく、らしいわ」 「で、男性陣はどうされますか」 舞香がにっこり微笑む。 当たり前のこと聞くなって感じで言い放ったのがユーキ。 「俺はせいきにやりたくない」 「じゃ、俺も参加させてもらうよ。やりたくない奴ってのはいないんだが、皆の意見に は賛成できる」 と、落ち着いてサムスが言った。 で、残りはマサト。 <続く>
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