CFM「空中分解」 #1414の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
<Ε> 「おい、起きろよ」「んが」 十三日のBタイム監視員(二十時〜翌日五時)アルテミスのジ−ン・オルカ−ノ曹長 は本日の相棒である、あのヘルメスのジェラリオ・ル−ムヘイガ−少尉を突っついた。 上位階級者に対して、にしては言葉遣いが乱暴なのは、ここがオリンポスだから、で ある。 「ジェル、ちょっとあれ見てくれよ」 ジ−ンが指さす所を、ボ−と見上げるジェル。 「スクリ−ン」 「あほっ!冗談やっとる場合じゃない!誰か倒れてんだ、何か起こったかも知れない」 「ん−?」 ようやくジェルがねぼけまなこで、スクリ−ンに見入った、とИИ 「どこのどいつじゃぁ−、ツ−ロの真ん中で寝とる奴ぁ。」 ずで。 こけた。 「これだから、こいつと同じになるのは嫌だったんだ」 ボソリと漏らす。 他の区間の監視をやっていた仲間達まで集まってきてしまう。 「アホかぁ。何か起こったんかも知れんだろうが、チェック開始。だから確認して、誰 か行かせて。情報網で連絡取り合って。まさか忘れた訳じゃないだろうな、非常時行動 手順。Eブロック、他の区間異常なし。ほら、ジェル、速く」 「え−と、場所はEブロックИИどこじゃとИИ二ストリ−トでんな」 ジ−ン、心配気にジェルを見る。 「起きとんか?」 「起きとるかだとぉ?起きとるわい!しゃきっと働きょ−るだろ−が。失礼な」 「あ、ああ。そうですか」 「お−と、いました。いました。こいつにたのもぉ」 仕方なくその方面をジェルにまかせたジ−ン、ジェルの次の言葉でひっくり返った。 「え−、そこのねぇ−ちゃん。Eブロックの五ストリ−ト歩いとるねぇ−ちゃん。そ −そ−、そこの、あんたでんがな。そ−そ−、たのみたいことがあるんじゃ」 隣でこけてるジ−ンを全く無視して、盛んに呼び掛ける。 「ねぇ−、二ストリ−トにちょこっと寄ってくれんかのぉ。緊急な用事でね、そ−そ −、お願いします。ああ、そう、そこ曲がりゃ見えますよぉ。そいつを適当な所に連れ てってくれたらお仕事終わりぃ。なぁ、たのむねぇ−、あはは、は、はИИぐぅ」 軽い寝息を立てて、ジェルは再び寝入ってしまう。「だと思った」 ジ−ンは、驚くより呆れた風情で、そっぽを向いた。 <Ζ> 五ストリートから二ストリートに向かっているねぇーちゃん、は戦略担当のアテ ナの一員、神野舞香少尉。若干二十において、少尉の肩書は彼女の才能の素晴らしさを 物語っている。 何といっても、宇宙にその名前を轟かしているあのアテナ五人衆の一人なのであるか らして。 「どーでもいいけど、何なのよぉ、あれ」 怒気を含んだ声に溜息がまじる。 「ま、いいけど」 無造作に二ストリートに出た舞香、横を見てびくっと足を止めた。 「え?せ、いき?ええ−!」 みっともなく、うつぶせに倒れるてはいるけれど、正体は判った。 『せいきが幽霊捜しするって』 午後に聞いたアリーナ・ミシガン中尉の声が思い出された。 確か、アリーナも幽霊見た口だったっけ。 『あしたの朝には面白い御報告が聞けるんじゃない』 アリーナの口調にはからかいがこめられていた。 「アレス一の腕前だって言ってたのに、明日たいへんよぉ」 通路の所々に取りつけられているホーンにむかいつつ、意味不明の笑いを浮かべる。 あざけっているのか、馬鹿にしているのか−−次の言葉からすればそれは同情でもある ような、けど、楽しんでるみたいな表情。 「名誉挽回できるのかなぁ?」 ホーンを医務センターにつなぐ。「担架をお願いします。人が倒れてるんです。場所 は、えっとEブロックの二ストリートです。はい、三番分岐点の近く」 受話器を置いてから担架が来るまで、ほんの二、三分だった。 「ん?」 壁の一部をすっと指で擦る。 指が黒く汚れた。ちょうどせいきが倒れている所から一メートル以内。その部分だけ 壁にわずかではあったが黒い粉がまぶしたかのごとく付着していた。 「カーボンИИ何でこんな火の気のないところで……」 軽く首を左右に振る。 頭がぼおっとしていた。眠かった。 「寝よっ」 ☆カーボン(carbon)И炭素のこと。つまりは、炭である。 <Η> 『Good morning』 朝の八時。ラジオから明るい声が流れてきた。 『ヘルメス通信がお送りする“朝のコズミック・ニュース”の時間です』 その時、朝の支度に取りかかっていたヘルメスのリーダー、アスタリカ・マノン大佐 は、ふっと手を止めた。「この声……」 軽やかなB.G.M「さざなみとともに」に載せて流れる声。 「今日の担当はトーマの筈」 だけど。ラジオから流れい出るその声は、トーマとは似ても似つかぬ声。 「ジェラリオ・ルームヘイガー少尉。夜勤の筈だっけ」 たのかしら」 『さて、本日一番の話題をお送りする前に、だ。昨日の出来事でちょっと面白いことが 「あのばか」 ジーン・オルカーノ曹長は夜勤明けで自室に戻ったとたんそうつぶやいた。消し忘れ てたラジオから流れている声。まぎれもない、昨夜の相棒。 『そしてだ、当の本人は昨夜から本日朝にかけて徹夜の張り番をやってたんだ』 <続く>
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