CFM「空中分解」 #1295の修正
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都は荒れていた。 天下を統一するかにみえた織田信長は、家臣明智光秀の謀反にあって本能寺で切腹して果てた。その光秀も羽柴に討たれ、これよりは秀吉が天下を狙うこととなった。 そんなある日、喜三郎はとある噂を耳にした。 「南の三本松のところに鎧づくりの名人がいるそうな」 早速喜三郎は三本松を訪れた。 鎧づくりの家に着き必要な旨申しつけると、年老いた名人は喜三郎を一つの蔵に案内した。蔵の中には数多くの品々が並んでいたが、どの品にも覆いがかぶせてあった。 老人は喜三郎をある覆いの前に連れて行くと、その覆いを一気にとった。喜三郎は息をのんだ。まさに一国の大将たるものがつけるにふさわしい、鎧・かぶと・鞍・あぶみであった。 老人は静かに言った。 「武具馬具」 そして老人はその右の覆いもとった。喜三郎は絶句した。初々しい若武者の息吹を感じさせずにはいられない、鎧・かぶと・鞍・あぶみであった。 老人は静かに言った。 「武具馬具」 そして老人はその左の覆いもとった。喜三郎は天を仰いだ。先の二つをしのぐ、これこそ天下を治むる者にそぐわしい、鎧・かぶと・鞍・あぶみであった。 老人は三体を指して言った。 「三武具馬具」 続けて老人は向いの覆いと、その右の覆い、さらに左の覆いととっていった。その度に喜三郎は体が震えてくるのを止めることができなかった。 老人は喜三郎の目を見つめ、静かに言った。 「あわせて武具馬具六武具馬具」 喜三郎は今こそ主君の恩に報いるときがきたと思った。 喜三郎は言った。 「ブクバブグブガブミブンバム、あわせてブムバムムグブガブ」 戦うことのむなしさを知った喜三郎は刀を捨て、郷里の松戸に帰って梨作りをはじめたという。 [完]
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