CFM「空中分解」 #1262の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
由香ちゃんは、何となく考え事をしてるみたいだったけど、僕達が口出し すべきことじゃないと思ったから、そのままほうっておいたら、すぐに眠っ てしまったらしい。今朝はさっぱりした顔をしている。 僕達もすぐに着替えて顔を洗い、そして朝御飯を食べた。 茂も由香ちゃんも昨日みたいにギクシャクした感じはなく、いつもの雰囲 気に戻っていた。 ただ、互いに話を交わすときだけは、何となく照れくさそうにしてたけど。 そのあと、水着に着替えて海に出て、泳いだり遊んだりしているうちに、 二人とも完全に元に戻ったような感じだった。相変わらず冗談としか思えな いやり取りとか、いつもと変わらぬ、 「茂なんて嫌いだもんね。」 という由香ちゃんのキツい言葉も飛び出て、それでも茂の様子は変わらな かったから、二人とも多分、大丈夫なんだろう。 そして時間が過ぎ、お昼も適当に食べて、夕方になり、泳ぎ疲れた僕達は 水着を脱いで普通の服に着替えていた。 「わあ、きれいな夕焼け。」 「明日も、思いっきり晴れそうだな。」 健司と二人で夕焼けの浜辺を散歩する。康司と一美も多分どこかでデート してるはず。 茂と由香ちゃんは、結局、恋人とは呼べないまでも、良き友人として付き 合っていくことにしたらしい。それにしては二人だけでどこかに消えたみた いだけどね。 で、相も変わらずアブレ者をやってる真琴と麻里ちゃんも、必然的に二人 だけ取り残された格好になって、多分、その辺を散歩しているだろう。真琴 もいいやつだし、麻里ちゃんとうまくやってくれるといいんだけどね。 波打ち際。 黄昏の中で、健司と手をつないで、サンダルを波に濡らしながら歩く。 最初のうちは手をつなぐだけだったのが、そのうち健司の腕に寄り添う形 になり、健司に心持ち寄りかかりながら、最後は健司に肩を抱かれていた。 そのまま、肩を抱かれながら歩く。砂浜にわずかに隠れたコンクリートの 石段を見つけ、 「ちょっと座ろうか。」 健司の言葉にうなずいて、その石段に腰を下ろし、見事な夕日を見つめな がら健司の肩にもたれかかる。 健司も僕の肩をしっかりと抱いてくれていて、オレンジ色の黄昏の中、ひ たすら幸せな雰囲気に包み込まれていた。 「博美……。」 健司がささやきながら、僕の頭に頬擦りをして、両手でギュッと抱き締め てくる。 「ん……。」 「好きだ。」 「健司……。」 その言葉も最後まで続かなかった。なぜなら、僕の口が健司の口でふさが れたから。 健司に抱き締められながら口づけを受けて、目を閉じても夕日のオレンジ の光がずっと続いているような感じがした。そして、僕も健司の首に腕を廻 して抱き締めていた。 そのまましばらく時が過ぎ、唇が離れて目を開けると、間近に健司の顔が 見えた。 急に恥ずかしくなって、思わず後ろを向いてしまう。顔が火照るのが自分 でも判る。多分、健司の方を向いてたら、この夕日の中でも顔が赤くなって るのが判っちゃうだろうな。 「博美……どうしたんだ?」 健司が後ろから、そっと抱き締めてくれる。僕は耳たぶまで火照る感じが して、健司の方を向くことができない。 「博美……。」 健司は耳元で聶くと、後ろからキスしてくれる。僕が目をつぶりながら、 それに応えて健司の方に向き直ると、僕の口から頬、目、そして首筋へとキ スしてくれる。 健司の腕の中にもたれながら、なんとなく不思議な雰囲気に包まれて、僕 は、さらに先へ進もうとする健司の行為を、そのまま許していた。 と、そこで突然、健司の動きがピタリと止まる。まるでフィルムが止まっ たかのように。 「健司?」 しかし、健司は答えず、そのまま僕から離れ、そして辺りをキョロキョロ 見回し、やがて、すぐ近くの物陰を見据えた。 そして一言。 「てめぇら! そこで何してやがる!」 しばらく無言の時が続く。 「茂! そこにいるのは判ってるんだ! さっさと出て来い!」 と、 「ほらあ、やっぱり見つかっちゃったじゃない。だから近づき過ぎだって言 ったのよ。」 「しまった。まったく惜しいことしちまったなあ。もうちょっとで良いシー ンが撮れたかもしれないのに。」 そう言いながら出てきたのは、茂と由香ちゃんだった。 「えーっ! うそ!」 僕は思わず息を呑んで、慌てて、健司が外したブラウスのボタンをはめる。 「てめぇら、何してやがった?」 健司は二人を睨む。 「あ、あら、別に、何もしてないわよ。写真撮ること以外は。」 「写真……?」 健司が聞き返す。 「そうよ。ほんと、惜しいことしたわ。二人とも、せっかく、いいとこだっ たのにさ。このバカが近づき過ぎたお陰で健司くんに見つかっちゃって……。」 「何だよ。俺が静かにしてたのに、由香が物音立てるからいけないんだろ?」 「冗談でしょ。茂が近づき過ぎたから、シャッターの音で気付かれたんじゃ ない。」 「言っとくけどな、このカメラ、シャッターの音なんて、ほとんどしないん だぜ。」 「あら、じゃあ、茂の腕が悪いんだわ。」 「ちょっとちょっと、何で写真なんか撮ってたの?」 ほっとくと、また喧嘩になりそうな二人の会話に、無理やり割り込む。 −−− まだあるよ −−−
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