CFM「空中分解」 #1222の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
都内なら絶対に見えないはずの星々まで実によく見えるもんだから、逆に 有名な星座を探すのが困難になっている。 「なにしてんだ?」 「北斗七星探してんだけど、他の星が邪魔でさ、よく判ん……ん?」 言いかけて、ふと気付き、一瞬息を止める。 だ、誰だ? いったい。 「そうか? そう言えば確かに見つけにくいな。」 その声の主は、僕の言葉が途切れたのに気付かないのか、淡々と言葉を続 ける。 あ、あれ? ちょっと待てよ。この声は……。 「もしかして? 茂か?」 「へ? 誰だと思ったんだ?」 「誰ってことじゃなくてさ、いきなりだったから判らなかったんだ。で、何 か用か?」 「いや、用ってほどのもんじゃないんだけどね。」 「まさか一緒に北斗七星を探すのが目的で来たってわけじゃないだろ?」 「ああ、博美と、少し浜辺を散歩したくてな。」 「なんで。」 「俺さ、博美のことが気に入ったみたいなんだ。」 なんて言いながら、いきなり肩を抱いてくる。な、何考えてんだ、この男 は。 「できたらさ、そういうの、一昨日おいで願いたいんだけどな。」 そう言って、スッと逃げる。でも、茂は、 「そんなつれないこと言わないでくれよ。」 なんて言って、また肩を抱いてくる。また逃げながら、 「悪いけど、パス。」 「そんなこと言わないでさ。」 さらにしつこく迫ってくる。 「ちょっと、肩に手をかけるの、やめてくれないか。日焼けして痛いんだか らさ。」 「あ、ごめん。」 今、僕が着てるの、タンクトップのワンピース。この前、一美が気に入っ て、僕にもお揃いってことで、計二着買ってきたんだけど、今回の旅行で、 それ持ってきたんだ。 この服、全体的に薄い布地でできててサラッとしてる上に、胸のすぐ上の 辺りからは細い肩紐で吊っている感じになるから、日焼けした肩が擦れなく ていいんだ。ただ、フリルはついてるし、色はピンク色だし、まあ一美の好 みらしいって言えば言えるんだけど、僕も普段はさすがに恥ずかしくて、あ まり着る気がしないし、事実、全く着たことがない。 だけど、他に肩の痛まない服なんて持ってないから今回は仕方なく着てる んだ。もっとも、そのおかげであまり肩は痛くない。 それでも、今みたいに手をかけられたりするとやっぱり痛いんだよね。 「でもさ、俺、本当に博美のこと……。」 「やだよ、由香ちゃんと喧嘩したくないもんね。」 「へ? 由香って?」 「お宅の相棒さん。僕は由香ちゃんのことも好きだから、喧嘩なんかしたく ないもんね。」 「なんで由香が関係あるんだ?」 茂が、そう言ったところで、 「あんたもトコトン懲りない男ね。これだけしっかりフラレておきながら。」 突然、由香ちゃんの声。由香ちゃんは、さっきまで僕が寄っかかっていた 監視塔の支柱に寄っかかって腕組してる。 「ゆ、由香、なんで、お前がここにいるんだよ。」 「さっきから博美、なんか考えごとしてたでしょ? それが気になったから、 博美が外へ出るのを見てたのよね。そしたら、茂が追ってくのに気付いたか ら、あとをつけたの。本当に茂ったら手だけは早いんだから。」 で、ため息を一つついて、 「あとね、博美、勘違いしないでね。あたし、こんな男の相棒を務めてるつ もり、まったくないんだからね。」 こういうのって、務めてるつもりがあるとかないとかの問題じゃないよう な気がする。きっと、誰が見ても、いいコンビだと思うんじゃないかなあ。 でも、そんなことは後回し。とりあえず今は茂のナンパから逃れることが できたので由香ちゃんに感謝。 もっとも、いくら星空を眺めていても問題は解決しない。 結局、頭痛の種は全然なくなってくれない上に、さらに頭痛の種ができち まったらしい。お陰で今夜は、まともに寝られそうにない。 それに、肩もヒリヒリして痛いしね。 次の日、午前中ずっと海で過ごして昼過ぎに帰ることになっていたので、 寝呆け眼のまま砂浜に出た。 結局寝られたのは明け方近くらしい。いろいろと考え事したり、日焼けの 痛みを我慢したりしてたら、空がうっすらと蒼くなり始めてたのまでは覚え てる。 その後、一美に起こされるまで記憶が飛んでるから、多分、短時間だけど 眠れたんだろう。 で、眠い目をこすりながら水着に着替えて砂浜に出てきたってわけだ。 ただ、ミコちゃんだけは、ちょっと疲れたから、とか言って水着に着替え ずブラウス姿のまま、海の家で一人、休んでいる。 僕も、水着に着替えはしたものの、全く泳ぐ気になれなくて、ミコちゃん の日焼け止めクリームを借りて全身に塗ったくり、サンバイザーを斜めにか ぶってパラソルの下で寝転がっていた。 「おい、博美。泳がないのか?」 なんて、健司が声をかけてくれたけど、 「ちょっと、今はパス。」 目をつぶったまま、手を振って応える。 健司の奴、そのまま皆と一緒に泳ぎに行くかと思ったら、 「おい、博美。昨日のあれ、一体なんなんだよ。」 「え? ミコちゃん、何も言わなかった?」 「い、いや、それで、俺、困っちまってさ。今まで、そんなこと考えてもみ なかったから。」 「いいじゃん。ミコちゃんって結構可愛いしさ。ところで、ちゃんと応えて あげた?」 「いや、まだだけどさ……だって俺……。」 「嫌ならいいよ。また別の娘を紹介してやるから。」 「へ? 別の娘?」 「実はさ、もう一人、健司のことが好きだって娘がいるんだ。ただ、僕はミ コちゃんの気持ちの方を先に知ってたから、その娘には協力できなかったん だけどね。でも、健司がミコちゃんのこと、好きじゃないって言うんなら、 今度はその娘に協力するよ。ミコちゃんには可哀想だけど。」 −−− まだあるよ −−−
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