CFM「空中分解」 #1218の修正
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二章 すでに海の季節なのです 「来ねえなあ。」 健司が呟く。 「うん。ほんと、どうしたんだろね。」 僕が答える。そう。まだ、健司と康司と一美と僕の四人しか来ていない。 待ち合わせの約束をした時間を二十分ほど過ぎて、もう、あと十分ほどで、 電車が出てしまうというのに。 と、そこへ二人の男がやってきた。 「よう、山口。」 「おう、遅かったな。やっと来たか。」 その二人を見て、僕は半ば絶句する。 健司と康司って、結構いい体格してんだよね。ところが、この二人ときた ら、一人は、なんかやたらと気障っぽいし、もう一人は、下手に触れたら、 それだけで骨折するんじゃないかと思うくらいに細い。おそらく、きゃしゃ って言う言葉は、この男のためにあるんだろう。 「いやー、すまんすまん。で、俺達で最後か?」 「いや、まだ来るらしい。もっとも誰が来るかを知ってるのは、そこの二人 だけなんだけど。」 少し離れて、まだ来ていない三人を見つけるために階段の方を見ていた僕 と一美を指しながら、健司が答える。 「そこの二人って、その二人? なに、女子も一緒なのか?」 「そう。おい、博美。あと、誰が来るんだ?」 その二人の男を見て絶句していた僕に、健司が聞く。 「え? ああ、あとね、三人いるんだ。」 「三人って、全員女の子か?」 「当然だろ。」 と、そう言ってるとこへミコちゃんが来た。 「お待たせ。あら? 由香は?」 ミコちゃんは白い半袖のワンピースを着てレースの付いた白い帽子をかぶ っている。こうしてみると、本当に清楚な感じ。 それに、ミコちゃんってスタイルもいいんだよね。少し細目の体に適度な 大きさのバストとヒップ、キュッとしまったウェスト、スラッと伸びた足。 モデルにスカウトされないのが不思議なくらいで、僕でさえ嫉妬したくなる ことがある。 よく、街中では通りすがりの男が振り返るんだ。ミコちゃんと一緒に歩い てると。 「由香ちゃん? まだだよ。だけど、ミコちゃん、素敵だねえ。思わず見と れちゃったよ。」 「もう、やーね、博美ったら。」 ミコちゃんはクスッと笑う。と、 「なんだ。他に来るって言ってたの、お嬢さんだったのか。」 しばらく呆然としていた男連中のうち、健司と康司以外の二人は早々と立 ち直って言う。 健司と康司もようやく我に返って、 「な、なんでお嬢さんがここにいるんだあ?」 「へっへっへ。知らなかったでしょ。」 「ああ、ちょっと驚いたぜ。で、お嬢さんがここにいるってことは、まさか 由香も……。」 「はい。当然、一緒です。」 「あ、頭いた……。」 今度は四人とも頭を抱える。しばらくして健司が、 「で、あと、もう一人は誰なんだ?」 東京駅9番線ホーム。今日は、このホームの真ん中あたりで待ち合わせし て、そのまま特急電車に乗り込み、バスを乗り継いで海に行く計画になって いる。もちろん、泊まりがけでね。もっとも、男子と一緒だなんて言ったら、 女子の方の親は皆、反対するだろうから、女の子五人で行くってことにして ある。 ただ、うちの親は健司と康司のことを知ってるし、あの子達と一緒なら大 丈夫ね、っていうお墨付きも頂いてるから、うちの親だけは健司と康司が一 緒なのを知っている。 で、幹事は僕が引き受けて、健司達は適当に学校で誘い合って、男四人+ 女五人の一泊旅行と相なったって訳だ。当然、宿の手配とかは、もう済んで るよ。 えっ? 何で今頃海に行くのかって? だってもう今日は七月二十三日。 夏休みの真っ盛り。 今、海に行かないで、いつ行くっつうの。 で、一美と僕だけ知っていて、健司や康司には秘密だったんだけど、実は 河野美子ちゃん、通称ミコちゃんと、中田さんちの由香ちゃんも来ることに なっていたんだ。 それと、今の学校の友人の、麻里ちゃんこと竹田麻里ちゃんも来ることに なっている。 あと、もう一人、香川由紀ちゃんっていう娘とも仲がいいから誘ってみた んだけど、残念ながらスケジュールの都合で今回はパスだって。 「うーん、遅いなあ。」 イライラしながら待つこと約五分。由香ちゃんが階段を走って登ってくる のが見えた。そして、全く偶然にも、そのすぐ脇を走ってきていたのが竹田 さんちの麻里ちゃん。 二人共、必死になって走ってきて、ほぼ同時に到着して、息を弾ませなが ら、 「遅くなってごめんね。」 なんて言ったもんだから、そのあと互いに「あれ?」ってな顔をして見つ め合った。 「さてと、これで、全員集まったから、そろそろ乗った方が……。」 と、言ったところで突然発車のベルが鳴る。 「わあ!」 慌てて電車に飛び乗り、席に座るか座らないうちにドアが閉まって電車が 動きだした。 東京駅が後ろに去って行くのを窓から眺めながら、ほっと一息。 自由席だったけど、今日が平日だってこともあってか、電車は空いていて 席はガラガラ。当然、全員座ることができて、しかもまとまって座れたんだ けど、九人だと、どうしても半端になるんだよね。でも、どうせ康司と一美 は二人の世界に浸り込むだろうからってことで、一番端の二つの席を与えて おいて、あとの七人で二組に別れてそれぞれ椅子を向い合わせにした。 僕は麻里ちゃんと、健司の友達の二人の男と四人で向かい合った。この辺 は、ミコちゃんと健司を一緒に座らせるということで、由香ちゃんと共謀し たことも大いに関係がある。 −−− まだあるよ −−−
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