CFM「空中分解」 #0913の修正
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健作は長い長い失神、殆ど1ヵ月にも感じられた失神から目覚めた。 「うーん。何だ、あのカクテルは。死ぬかと思った」 友達が心配そうに健作の顔を覗き込んで...いや皆にやにやしてるぞ。何という奴らだ。ふざけるな。 「やっと目を覚ましよった。よー寝るやっちゃなー」田岡である。 「おお、田岡、えらいばば引いてしもて」 「まあ、顔でも洗ってきたらどないや」何故か田岡もにやにやとしている。ふざけるな。 健作はよろよろと洗面室に向かい、蛇口をひねってばしゃばしゃと顔を洗った。 タオルを手探りでとって顔を拭く。何か赤いものがタオルについた。 「ぎえー、どこか出血してるぞー」健作は鏡を覗いて調べようとした。 「ぎえーーーーーーーー。何だ、僕はどうなったんだ!」 鏡には若い女性の顔が映っていた。首をかしげる。鏡の女性も首をかしげる。 「ひぇーーーーーーーー。やっぱりこれは僕だ!」 健作は取り乱してリビングに走っていった。服も知らない間にセーターにスカートになっていて、足がもつれそうになる。 「麗子、留美子、これはどういうことだ。僕はどうなったんだ」健作は悪の姉妹を見つけると怒鳴るように問い詰めたが、健作の声はトーンの高い女性の声になっていた。 「山口君、気がついた?大成功よ。あなたは女の子になっちゃった」悪の姉妹は顔を見あわせてケラケラと笑った。 「あのカクテルは「気まぐれな淑女」といってね、男の子が女の子になっちゃうの。お父さんの研究している新薬を混ぜてあるの。面白いでしょ」 「なっ、何が面白い!一体全体どうしてくれる」 「ほんまや。こいつあらへんでー」田岡が健作の後ろから抱きついて健作の股間をまさぐりながら言った。 「きゃー、何てことするのよ」健作は思わず女言葉で田岡を突き飛ばすと、その場にへなへなと座り込んだ。 「でも、女の子になった、健作君ってかわいー」 「私達、健作君を着替えさせてあげたの。そのスカート、とってもよく似合ってるわ」 あほな女共だ。人が奇怪なカクテルでめちゃくちゃされているのに、何てことを。 「ねえねえ、山口さん、こっちにこない。今日から山口さんは私達の仲間なのよ」 「いっ、いやよ。やめてよ。冗談じゃないわ」健作は自分の女言葉にいらいらとしながら部屋の隅でいじいじした。 「そうや。お前ら何ていうことをいうんや。健作を傷つけよって。健作は僕らの友達なんや。さっ、健作、一緒に飲も」田岡が目をいやらしく光らせながら言った。 「お前なー。魂胆みえみえのこというなよ。僕の体がどうなってるか気になって気になってたまらんて、顔に書いてるで」健作は天涯孤独であった。 「健作君、元気だして。大丈夫よ。薬の効果はすぐなくなってしまうから」麗子が慰める。「すぐって?」 「そうね。1月くらいかしら。多分。動物実験ではそうだったわ」 「ぎぇーーーー。1月も!学校で笑い者になるーーーー」 「そんなことないわよ。この薬は夜だけしか効果が出ないの。そうね。夜の10時頃から明け方までくらいかしら。だからめだたないのよ。誰もわからないわ」 そんな訳で健作はパートタイムの女の子になってしまった。 つづく
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