CFM「空中分解」 #0865の修正
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南シナ海上の武士(10) 一方,甲板上の操舵室−−−−−− 舵手のかたわら,船長,副船長が双眼鏡で対馬号を見ようとしていた. 「くそ,えらく近づいてやがる.みえやしない.」船長は悪態をついた. 「まったくです.」 「で,見張りの言い訳は・・・・・・.」 「あ,ビリーですか.霧の中,船がちいさいんで見過ごしてしまったそうです. もっとも煙草に火をつけたあと,気づきましたけどね,砲撃で.」 「そんな言い訳で許してもらえるかな.」 「・・・・・・・・・」 「副船長,水夫長を集めさせろ.パニックを沈めんことには反撃も出来ん.」 「分かりました!」 水夫長を集めるため,隣の伝声管室へと副船長は出ていった.それと入れかわ りに,ギュンダァーとラブダがガウン姿ではいってきた.ただし,丸腰ではなか たが. 「船長,どうしたのかね.」 「は,よくわかりませんが,10分前ごろからか,砲撃されまして・・・・・ た,大したことはありません.これだけでかいと20発やそこらでは沈みません .」 「なぜ,やられたのだ.」 「は?」 「どうして,先制攻撃をしなかったかということだ!」 「・・・・・・・・・」 「これからの君の行動で,右にも左にも転べるわけだ・・・・・・」 「・・・・・・・・・」 首領の二組の目が,ザウエルを冷笑していた.ザウエルは体が自然に緊張して ゆくのを覚えた.冷や汗がズバァーと吹き出る.一瞬体が不安定になりよろめき そうになった.首領は俺を殺そうとしている!!このままでは逃げたくても逃げ られんし,仮に成功したとしても・・・・・・各地に散らばるマフィア相手に, 1日はおろか1時間だっていきのびるのは無理だろう.だが,まだチャンスはあ る.ゲアリス号なら,まだまだ勝算がある・・・・・・いきのびるためには・・・ 何が何でもやるしかない.そう思った. 「機関全開!!」 「無理ですよ.これ以上!!」 ゴーゴーとうなる機関室の中で,船長の声がボワン,ボワンと響いたので,思 わず陸奥は怒鳴り返してしまった.すでに気缶には蓋を開けると,炎が陸奥を飲 みこもうとするほど薪を入れており,これ以上望めない. と,ふと彼は,甲板で戦っている先輩達の姿が脳裏に浮かんだ. 「くそ!!俺も悪党どもと戦うぞ!!」 燃えたぎる気缶の蓋に,かぎ棒をひっかけ,思いきってグイと引いた. ボウ!グォォォォォン 炎は,怒り狂ったかのように陸奥の顔前で踊った.物凄い熱気が,彼の体を刺し た. 「う・・・・・・・・・」 気が遠くなるような感じがしたかと思うと,目の前がチカチカと光って辺りが 真っ白になり見えなくなった.耳なりがし,体が宙に浮かんだ・・・・・・ バサン,ガラガラン! 陸奥は後ろの薪の山に倒れた.薪がゴロゴロと崩れ,彼の上に降った. 「・・・・・・・・・!」 薪が陸奥の体を埋めようとガラゴロと音を立てている中,彼の気がうっすらと戻 ってきた. ”くそ,・・・・・・・・・俺も戦うんだ・・・・・・・・・” 薪が,気缶に投げられた. 彼が戦う手段はこれしかない.先輩達が撃ち込みやすいように,エンジンを動 かし,守ることだった. .
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